『風神』 | 喫茶店の書斎から

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 詩誌『風神』が届きました。芦屋の詩人、三浦照子さんからです。

 三浦さんは元西宮の小学校の図画の教師でした。後、大谷美術館の学芸員に。そこで大活躍されます。初期の大谷の大型展企画はこの人の仕事です。東郷青児や棟方志功や横尾忠則、そして富岡鉄斎などがあったと思います。さらに忘れてならないのが、絵本原画展です。この三浦さんのパワーに負うところ大でした。このような美術館があのころ黒字経営だったということです。しかし、西宮という小さな器には納まることができずに、後神戸の美術館に移られました。
 この『風神』の表紙絵、津高和一さんです。言わずと知れた西宮の抽象画家。足立巻一氏と懇意だった元詩人でした。残念ながら震災の犠牲になられました。
 そして、三浦さん自身も詩人であり、画家でもあります。自宅には小さなスペースですがギャラリーもあります。
 その三浦さんの詩「現況」です。


 少し難しいですがレベルの高い詩です。
 カットも三浦さん。
 この詩誌の同人はみなさん優れた書き手ばかりです。中の、直原弘道さんの「狐のように」が面白い。
「毎月数えきれないほどの詩誌が出ている (略) 二度と披かれないまま 積まれ捨てられ忘れられる愛しい詩の言葉よ(略)」
 ごく一部ですが、自らを冷静に見る目が印象的です。この直原氏のことも書きだすと切りがありません。今、重い病床にあられるようです。