法律、行政、生化学と薬剤師 | Coffee of Cusie

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薬剤師ですが、仕事内容は行政です。学生時代は、数学、物理学、化学、生物学に特に興味がありました。

かっしぃです。

 

1年振りのブログの更新ということもあり、改めて自己紹介をしようと思います。

 

このブログを書き始めた頃は薬学部の学生でしたが、今は薬剤師をしています。

 

薬剤師ですが、薬局や病院ではなく、行政職です。

 

仕事がら、法律や行政のことを勉強しなければならず、気が付いたら『今日の治療薬』よりも、『ポケット六法』に親しみを持つようになっていました(笑)

 

六法といえば、薬事衛生六法や医療六法も愛用(?)しております。

 

行政の基本について理解するには、行政法を勉強することです。

 

ここで行政法について概説します。

 

行政法は、行政に関する法律の総称であり、行政法という法律があるわけではありません。

 

具体的な法律としては、内閣法、国家行政組織法、内閣府設置法、厚生労働省設置法、総務省設置法などの各省設置法、地方自治法、国家公務員法、地方公務員法、行政代執行法、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、公文書等の管理に関する法律、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、・・・・などです。

 

ちなみに、これはどの法律分野でもそうですが、憲法が一番大事です。

 

とりわけ、行政法の場合、他の分野よりも憲法との関係もより密接なので、憲法の知識も必要です。

 

更に、行政関係の法律問題はすべて行政法でカバーできるかというとそうではなく、民法などの民事法(民事法とは、民法をはじめとする人と人との関係を定めた法律の総称)の知識も求められます。

 

それから、法律の形であるわけではありませんが、行政における一般原則があり、これも行政法の教科書で説明されています。

 

法律による行政の原理、適正手続の原則、説明責任の原則、公正性・透明性の原則、国民参加の原則、効率性の原則、補完性の原則、信義誠実の原則、権利濫用禁止の原則、比例原則、平等原則などです。

 

行政法を3つの分野に分けると、行政作用法、行政救済法、行政組織法となります。

 

行政作用法に関係する法律は無数にるので、行政法の学習では、具体的な法律について勉強せず、行政作用をさらに類型ごとに分けて、個々の類型についてどのような一般原則があるのかについてやっていきます。

 

行政救済法に関する法律はそこまで多くないので、具体的な法律について学習していきます。

 

具体的な法律とは、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法のことです。

 

行政組織法に関する法律も少なくはないので、内閣法、国家行政組織法、地方自治法などの具体的な法律についても多少やりつつも、一般原則についての学習がメインです。

 

行政法の知識がなければ、行政薬剤師の仕事を自信を持って遂行することはできないと、僕は考えています。

 

行政法に関する書籍はたくさんありますが、僕が愛用しているのは、これです。

 

行政法 第5版行政法 第5版
3,564円
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この一冊で現場の実務が分かるようになるわけではありませんが、先輩や上司の命令の意図や組織の仕組み、担当としての仕事内容などの理解が深まります。

 

行政薬剤師を考えている人は、学生のうちに読破した方がいいでしょう。

 

また、学生のうちに行政書士試験に合格しておくことも、行政の理解を深めることに繋がると思います。

 

僕は、今、行政書士試験の勉強もしています。

 

行政書士試験の勉強で得られる知識は、行政薬剤師として血肉になると思うからです。

 

でも、薬剤師の基本は、数学、物理学、化学、生物学であることには変わりありません。

 

特に、有機化学を土台とした生化学の知識です。

 

有機化学を土台とした生化学の知識こそが、薬剤師らしさを作る最重要要素であるという確信は未だに消えることはありません。

 

最後に。

 

薬学生のみなさん、法律、行政、生化学に強い薬剤師を目指してください。

 

これは、社会を生き抜く、相当な武器になるはずですよ。