僕は昔から毎日のように音楽を聴いていたせいか、いわゆる音フェチです。
不眠症の体質のおかげで、「耳かきボイス」というものを知ることもでき、今でもよく聴いています。
そこでふと疑問に思ったことは、「心地いい音とは?」ということです。
おそらくは個人の好みによりそれぞれなのでしょうが、やはり人気がある作品はあります。
心地いい音である条件的なものとしてひとつ浮かんだことは、「自然体である」ということです。
不自然に演技されるよりも、素人っぽさといえばいいのしょうか、一生懸命さといえばいいのでしょうか、そのような感じの人間味のある作品の方が心地いい気がするんですよね。
逆にいえば、それが耳かきボイスの魅力でもあるのかもしれませんが。(広く考えるならば、これこそがyoutubeの個人投稿やニコニコ動画の魅力なのでしょうか。)
話を耳かきボイスから、クラシックのオーケストラに移しますが、実はこれにも似たようなことがあるような気がします。
たとえばベルリンフィルは世界最高峰の楽壇です。
それゆえ、確かにベルリンフィルによる演奏は完璧で圧倒的で、楽器一つ一つ、そして、一音一音がとにかく正確で美しい。
ある意味では、非の打ち所のない演奏ともいえます。
そして、ベルリンフィルを指揮するのは世界的な指揮者ばかりですから、相乗効果でしょう。
しかしなんでしょうね、曲によっては(指揮者によっては)完璧すぎるゆえに息苦しさや、親しみにくさがある。
そして案外そういう場合は、あまり有名じゃない楽壇の方が、生き生きと聞こえたりする。
不思議なものです。
あとは、同じ指揮者でも、世界的に有名になる以前の方が若々しくエネルギッシュで、その世界に入りやすかったりする。
もちろん、ベルリンフィルで、名指揮者の組み合わせは、良くも悪くも最高峰な名演奏が多いのですが。
別な見方をすると、こうも言えるのかもしれません。
耳にも息抜きが必要だ。
完璧な作品だけでは疲れてしまう。
だから、一生懸命な人間味のある作品も聴きたくなると。