クラシック音楽 | Coffee of Cusie

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薬剤師ですが、仕事内容は行政です。学生時代は、数学、物理学、化学、生物学に特に興味がありました。

今の時代、クラシック音楽を好んで聴く10代、20代の人はあまり多くはないのかもしれない。

ヴォーカロイドやアニソンやAKB48などのアイドルが好きな人は簡単に見つかるけど。

確かに、クラシック音楽を聴くにはある程度の慣れというか、訓練が必要なのかもしれない。

つまりある程度の努力をしないとその良さに気付ないので。

そういう意味では学校の勉強とよく似ている。

すぐにはわからないけど、継続的に努力していくと、あるときから急に世界が変わり面白くなる。

有機化学もそうだ。

有機化学はおそらく、好きじゃない人にとっては苦痛でしかない、大変な科目なんだと思う。

だけど、好きな人は目を輝かせて有機化学の世界にのめり込んでいく。

有機化学は薬学部で勉強する科目のなかではその敷居が高い方に属するのだろう。

話をクラシック音楽に戻す。

僕個人の話だが、クラシック音楽をほぼ毎日のように聴き始めてから心から愉しめるようになるまでに1年近くかかったような気がする。

オーケストラに使われるそれぞれの楽器の音に慣れて、その音の良さを感じられるようになるまでにはある程度の時間がかかるし、さらに楽曲の構成や指揮者の違いによる曲の変化がわかるようになるためにさらに時間がかかる。

これはおそらく、普段お店のBGMやテレビで流れる音楽にはエレキギターやベースギター、ドラム、シンセサイザーなどの現代的な楽器が頻繁に使われ、その音の方がクラシックの楽器の音よりも圧倒的に耳にする時間が長いからだろう。

また、クラシック音楽の中には複雑な構成のものが多いのも、なかなか親しめない理由だろう。

実際、クラシック音楽の中でも特に人気のあるブラームスの交響曲第1番や第4番、ベートーヴェンの交響曲の第9番、ラフマニノフピアノ協奏曲の第2番、第3番、ブルックナーの交響曲第8番などは、現代の日本の音楽と比較すると音の構成がかなり複雑である。

有機化学でもそうだが、教科書レベルの反応機構を一通り理解できた上で、有名な人名反応などを考えてみると、電子の流れや巧妙な試薬の選択に感動を覚え、そこに芸術すら感じる場合もあるのだが、ベンゼンを亀の甲といっているような人には感動も芸術もなにもないだろう。

どうも現代の日本において、このようにある一定レベルを超えた先にある愉しみを求める人が少ないように思える。

一定レベルを超えてしまえば本当に楽しくて仕方がなくなるのに、残念である。

興味がある方はブルックナーの交響曲第8番をyoutubeなどで聴いてみてください。

たぶん、多くの場合、どこがいいのかさっぱりわからず、いきなり音量が上がったり下がったり、同じようなフレーズを繰り返したり、聞きなれない和音を頻繁につかったりする、聴いてて眠くなるようなでもいきなり叩き起こされるような音楽だと感じるでしょう(笑)