薬と化学物質 | Coffee of Cusie

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薬剤師ですが、仕事内容は行政です。学生時代は、数学、物理学、化学、生物学に特に興味がありました。

素粒子の世界。

標準模型では、第1世代から第3世代まであると考えられている。

そして化学の世界で扱う、いわゆる身の周りにある物質たちは第1世代だけで構成されている。

うーん、じゃあ第2世代、第3世代は??

第1から第3まであるのに第1世代しか化学では扱わないってことだよね。

そういうことを思った時期がありました(笑)

しかし、その不満はすぐになくなりました。

第2世代や第3世代の素粒子は一瞬にして第1世代になるからです!

たとえばお薬。

1秒にも満たない時間で変化する物質を、医療に使えるかという話。

つまり、生命科学を化学的に考えるにあたって第2世代や第3世代の素粒子の関与はないともいいえませんが、今現在は長時間安定に存在する第1世代だけを、いわゆる『物質』として考えていいんじゃないかと。

そこで、生命現象や医学・薬学を考える最小単位は第1世代の素粒子、一般的には分子・原子、時には原子核レベル(たとえば放射性医薬品や陽子線治療)くらいでいいことになる。

うーん、これで的は絞れた(笑)

いやいや、分子の世界は無限大だよ・・・

まあ、宇宙の話題とか素粒子の話題とかって凄く魅力的で、逆に、第1世代しか扱わない化学の世界がちっぽけに思えちゃうけど、全然違うということ。

だから、実は、化学っていうのはね、ありとあらゆる自然界の現象や生命の謎を解き明かすための壮大で偉大な学問なんだよ!

化学は物凄く身近だし、五感で感じる世界はまさに化学なんだと捉えていいと思う。

でも、不思議と化学は影が薄い。

恥ずかしがり屋さんなのか、自己主張をあまりしない。

身の周りのありとあらゆるものが化学なのに。


何度か同じような内容のブログ記事を書いてきたと思うけど、化学の魅力を自分なりに伝えずにはいられなくなるんだよね。

薬局実習で一番残念だったことは、そこに化学的な思考がなかったこと。

薬学は化学だと言えるほど、化学に基づいているのに。

それとも、薬剤師には化学なんてものは不要なの?

ならば、薬剤師の国家試験の出題範囲から有機化学、物理化学、分析化学等をなくしちゃえばいいと思うよ、なんてやつれたくなる(笑)