こいつに出逢ったのは、大学1年の夏休みあけの頃か。
当時はまだ高校生らしさがご健在で、世間知らずもいいとこで、大学の勉強にとんでもないほどの期待を抱いていた。
そう、現代の科学は相当な域に達している、だから大学の教科書を読めばスーパーマンになれると。
それで、「薬理を制す者、国家試験を制す」なんていう薬理の教授の言葉に胸を熱くし、大学の売店で導かれるが如くに購入してしまったわけだ。
今考えると、この選択は、おそらくは正解だったと思う。
ただ、生理学や生化学、薬物動態学、病態生理学などを触れたことすらなかった当時の僕には、手に余る教科書であったことは疑いようがない(笑)
でも、理解できる出来ないの以前に、薬理学という高貴な学問に触れることができる身分になれたという感慨深い思いで十二分だったのだろう。
当時は第5版だった。
そして、僕が大学3年の秋頃に第6版がでて、今はこの第6版を使っている。
なんだかんだ、このNEW薬理とは長い付き合いだ。
そして、恥ずかしながら、未だに薬理をわかった気にはなれない。
手垢だけ付けて、字面だけ追って、自己満足しているようで、今でも怖くなる。
でも、こうも長い付き合いになると、愛着もわいてきてさ、単なる教科書の域を超えちゃっているんだよね(笑)
腐れ縁というか、幼馴染というか、家族というか、そうそう、小さい頃からのぬいぐるみのような存在か。
って、そんなこといったら多くの大先生方に喧嘩を売るようだけど(笑)
だから、この一冊で国家試験の薬理やその関連分野すべてを網羅できるとは思わないけど、少なくとも国試までのあと2年間は、今の相棒ことNEW薬理第6版を読んでいこうと思う。
大学の先生方(4人)も、NEW薬理だけで十二分だなんて僕に話してくださったし。
今日の治療薬と、病態生理の教科書等とタックを組んで、NEW薬理これからも読んでいこう
PS :
この教科書は、臨床的な内容まで網羅されているわけではないし、内容が割愛されていて不足を感じるところもある。ただ、いわゆる薬理学における要所要所のポイントはしっかりと書かれているように思う。けして内容が豊富な辞書的な教科書ではないから、痒いところに手が届くものではないかもしれない。ただ、大学に進学するために高校の教科書の内容をしっかりと勉強しなければいけないように、薬理学という広大な大海原を航海する羅針盤的な基礎学力を欲するならば、NEW薬理の内容を自分のものにしなければならないだろう。だから、高級な薬理の専門書を読むための前段階の基礎学力を養う教科書とみた方がよいだろう。『NEW薬理に書いていないことは薬理学の基本レベルを越えているから、薬剤師になる上では必要ない』と思っても、国家試験で満点を狙わない限り支障はないはず。
iPadを購入したら電子書籍としてグッドマン・ギルマンの原著を購入しようと考えている。
これはくだらない意地なのか、僕は頑なに薬理はNEW薬理と決めている。