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■なぜ日銀の「ハト派姿勢」はハイパーインフレを招くのか
現在、私たち日本国民は歴史的な円安の渦中にいます。iPhoneは高騰し、海外旅行は夢のまた夢になりつつあります。エネルギーや食料品といった生活必需品の価格も上昇を続けています。この状況を招いている最大の要因が、日本銀行が続ける「実質マイナス金利」という異次元の金融緩和策です。
市場ではすでに「日銀・植田総裁のハト派姿勢により、日本円は舐められている」
という批判が強まっています。このまま日銀が緩和的な政策を続けた場合に待ち受ける最悪のシナリオ「ハイパーインフレ」について考えていきます。
■2025年12月現在:なぜ円は「舐められている」のか?
日本銀行は2025年、段階的に政策金利を引き上げました。
- 2025年1月:0.5%
- 2025年12月:0.75%
しかし、結論から言えば焼け石に水です。なぜなら、物価上昇率(約2〜3%)に対して、金利が圧倒的に低いままの「実質金利マイナス」状態が続いているからです。
海外投資家から見れば、これはこう映ります。
「日本円をタダ同然で借りて、金利の高いドルやユーロで運用できる」
つまり、絶好の「円キャリー取引」の機会です。
彼らは、さらにこう考えています。
「日銀は国内経済を恐れて、本気の利上げはできないだろう」
- 住宅ローンの急増する返済負担
- 中小企業の倒産ラッシュ
この「日銀への甘い期待」こそが、海外勢に安心して円を売らせ、円が舐められる状況を生み出しているのです。
■誤解:「日本はデフォルトしない」は正しいが…
よく言われます。
「日本は自国通貨建て国債だからデフォルトしない」
これは事実です。
日本は円を刷れるため、技術的な支払不能(公式デフォルト)にはなりません。しかし、本当に恐れるべきは別のデフォルトです。
■最悪のシナリオ:ハイパーインフレという「隠れたデフォルト」
日銀がこのまま円安とインフレを放置し、
緩和姿勢を続けた場合、次の連鎖が起こるリスクがあります。
① 制御不能な円安
日銀が利上げを躊躇する間、海外勢は円を売り続けます。1ドル=160円 → 180円 → 200円 、もはや絵空事ではありません。
② 輸入インフレの爆発
日本は食料・エネルギーの大半を輸入に依存しています。円安が極限まで進めば、輸入コストは爆発的に上昇し、物価は日銀の制御を完全に超えます。
③ 通貨への信任喪失(キャピタル・フライト)
物価が止まらなくなると、人々はこう判断します。「円を持っていても、価値が下がるだけだ」国民も海外勢も、一斉にドル、金(ゴールド)へと資産を移します。
※実際、私はこれを実践しています。![]()
これが資本逃避(キャピタル・フライト)です。この瞬間、ハイパーインフレの引き金が引かれます。昨日1,000円だったものが、明日には10,000円出さなければ買えない。それは公式なデフォルトではありません。しかし、預金や資産の実質価値が消滅するという意味で、結果は同じです。
■結論:痛みを伴う「正常化」から逃げるな
- 住宅ローン減税で緩和すればいい
- 低金利でしか生きられない企業は淘汰されるべき
これらは正論です。しかし、日銀はその社会的な痛みを恐れています。ですが、その恐怖から続ける「ハト派姿勢」こそが、日本全体を破壊しかねないハイパーインフレのリスクを高めています。
円の信頼を取り戻すには、実質金利をプラス圏に戻すための金融政策の正常化を、今すぐ加速させるしかありません。それは国民生活や企業経営に、一時的な痛みを伴うでしょう。しかし、その痛みから逃げ続けた先にあるのは、円の崩壊という取り返しのつかない未来です。
私たちは、日銀が「緩和」という麻薬を打ち続けるリスクを直視し、自らの資産を守る準備を始める必要があります。
では、また!





