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日本銀行は長年にわたり、ゼロ金利・マイナス金利という例外的な金融政策を続けてきました。 しかし、物価上昇が定着しつつある現在、市場では「金融政策の正常化」が現実的なテーマとして意識され始めています。
一般に金融政策の正常化とは、政策金利が1.5%~2%程度まで引き上げられ、その水準で安定的に運営される状態を指します。 これは国際的に見れば特別な高金利ではなく、むしろ「普通の状態」です。
正常化でまず起きるのは「株価評価基準の変化」
金利がほぼゼロの環境では、投資家は次のような判断をしがちでした。
- 配当が低くても問題ない
- 利益が少なくても将来期待で許容される
- 借金が多くても金利負担は無視できる
しかし、金利が1.5~2%に達すると、これらの前提は成り立たなくなります。定期預金や国債でも一定の利回りが得られるため、株式投資にはより厳しいリターンが求められるようになります。
特に影響を受けやすい企業の特徴
金融政策が正常化すると、以下の特徴を持つ企業の株価は調整されやすくなります。
① 高PER(株価が利益に比べて非常に高い)
PERは「株価 ÷ 利益」で決まります。 金利上昇局面では、将来の利益を過大評価することが難しくなり、 高PERは是正されやすくなります。
② 低配当
金利が上がると、「配当ゼロでも成長期待があれば良い」という考えは弱まります。 配当利回りが極端に低い株は、保有する理由を失いやすくなります。
③ 高負債
借入金が多い企業は、金利上昇によって利息負担が直接利益を圧迫します。 これは企業努力では避けられない、構造的な問題です。
これは「企業の善悪」ではない
重要なのは、
- 企業が突然悪くなる
- 経営が失敗する
という話ではない、という点です。
単に、評価の前提となる金融環境が変わるだけです。これまで許容されていた株価水準が、 「金利のある世界」では維持できなくなる。 それが株価調整の本質です。
日本経済の「正常化」と株式市場
皮肉なことに、株式市場にとって最も厳しいのは、 日本経済が破綻するときではなく、正常化するときです。金融政策が正常化すれば、
- 高PER
- 低配当
- 高負債
という条件を同時に満たす企業の株価は、 理論的にも調整されやすいという点です。これは一時的な相場観ではなく、資本主義の基本原理です。
日銀の金融政策正常化は、日本経済にとって避けて通れないプロセスです。 それは同時に、株式市場において「本当の価値が問われる局面」の始まりでもあります。
これまで上がり続けてきた株が、 今後も同じ評価を受け続けられるのか、冷静に考える必要があります。
では、また!





