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ないとめあです。
最近、「金利のある世界」が日本の財政に重くのしかかり、国債の利払い費が過去最大になった、というニュースをよく目にしますよね。
確かに、金利が上がれば政府が支払う利息が増え、財政が悪化する…というのは一見、当たり前のように聞こえます。しかし、このニュースには、あまり語られていない「重要なカラクリ」があります。
まず、ニュースが伝える内容を整理しましょう。
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国債費が過去最大に:政府が国債の元利払いに使う費用が過去最高の32兆円を超え、その最大の要因は「利払い費」の増加だと言われています。
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想定金利の上昇:金利急騰に備えて、長期金利の想定がこれまでの2.0%から2.6%に引き上げられました。
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予算の硬直化懸念:利払い費が増えれば、社会保障や教育など、本当に必要な政策に使えるお金が減ってしまう、という懸念が指摘されています。
このように聞くと、「日本財政は危険な状態にある」「このままでは財政破綻してしまう」という印象を強く受けるかもしれません。
日銀が持つ「還付金」の仕組み
しかし、ニュースではほとんど触れられない、非常に重要な事実があります。それは、日本銀行(日銀)が発行済み国債の半分以上を保有しているということです。
政府が発行する国債は、民間の金融機関だけでなく、日銀も大量に購入しています。
ここで、重要なのは以下の点です。
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政府は、日銀が持つ国債に対しても利息(利払い費)を支払う。
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この利息は、日銀の収益となる。
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日銀は政府の子会社のような存在であり、年度決算で得た利益の大部分を「日銀納付金」として国庫に納める。
つまり、政府が日銀に支払った利払い費の多くは、最終的に「還付金」として再び政府の財源に戻ってくるのです。
金利が上昇すれば、日銀が受け取る利息も増えます。その分、政府に戻ってくる還付金も増加するため、見かけ上の利払い費は増えても、実質的な政府の負担はニュースで言われるほど大きくならない可能性があるのです。
「金利上昇=即・財政危機」ではない
もちろん、金利上昇が財政に全く影響がないわけではありません。日銀が将来的に国債を売却するリスクや、国際的な信認の問題など、懸念すべき点は存在します。
しかし、「金利が上がって利払い費が増え、財政が危険な状態にある」というニュースの報道は、日銀への利払いとその還付という重要な側面を省略しているため、一面的な情報に過ぎないと言えるでしょう。
一つの情報源だけを鵜呑みにせず、ニュースが語らない側面にも目を向けることで、より正確に日本の財政を理解していく必要があります。
では、また。