各年のドラフト上位5人を振り返ってみました
ドラフト3位指名権を手に入れたマリナーズ。はたして3位指名ではどんな選手が指名できるものなのか、過去のドラフトを振り返ってみました。ちなみに2024年ドラフトの3位のピックバリューは$9,070,800でした。15位指名だったマリナーズは$4,880,900なのですごい差ですね。では各年の1~5位の選手名、ポジション、2024シーズンまでの通算rWAR、大学生か高校生かを確認していきます。【2024年】1. Travis Bazzana, 2B, c2. Chase Burns, RHP, c3. Charlie Condon, OF/3B, c4. Nick Kurtz, 1B, c5. Hagen Smith, LHP, c【2023年】1. Paul Skenes, RHP, 5.9, c2. Dylan Crews, OF, 0.6, c3. Max Clark, CF, hs4. Wyatt Langford, OF, 3.9, c5. Walker Jenkins, CF, hs【2022年】1. Jackson Holliday, SS, 0.1, hs2. Druw Jones, OF, hs3. Kumar Rocker, RHP, 0.0, c→独立リーグ4. Termarr Johnson, SS, hs5. Elijah Green, OF, hs【2021年】1. Henry Davis, C, -2.0, c2. Jack Leiter, RHP, -1.6, c3. Jackson Jobe, RHP, 0.1, hs4. Marcelo Mayer, SS, hs5. Colton Cowser, OF, 2.3, c【2020年】1. Spencer Torkelson, 3B, -0.3, c2. Heston Kjerstad, OF, 0.5, c3. Max Meyer, RHP, -0.1, c4. Asa Lacy, LHP, c5. Austin Martin, SS, -1.0, c【2019年】1. Adley Rutschman, C, 13.1, c2. Bobby Witt Jr., SS, 14.7, hs3. Andrew Vaughn, 1B, 1.1, c4. JJ Bleday, OF, 1.6, c5. Riley Greene, OF, 8.6, hs【2018年】1. Casey Mize, RHP, 2.9, c2. Joey Bart, C, 2.9, c3. Alec Bohm, 3B, 3.8, c4. Nick Madrigal, SS, 3.0, c5. Jonathan India, 3B, 7.0, c【2017年】1. Royce Lewis, SS, 3.4, hs2. Hunter Green, RHP, 9.1, hs3. MacKenzie Gore, LHP, 3.1, hs4. Brendan McKay, 1B, -0.1, c5. Kyle Wright, RHP, 2.6, c【2016年】1. Mickey Moniak, CF, 0.8, hs2. Nick Senzel, 3B, -3.0, c3. Ian Anderson, RHP, 3.0, hs4. Riley Pint, RHP, -0.4, hs5. Corey Ray, OF, 0.0, c【2015年】1. Dansby Swanson, SS, 23.4, c2. Alex Bregman, SS, 39.6, c3. Brendan Rodgers, SS, 5.9, hs4. Dillon Tate, RHP, 1.9, c5. Kyle Tucker, OF, 23.0, hs【2014年】1. Brady Aiken, LHP, hs2. Tyler Kolek, RHP, hs3. Carlos Rodon, LHP, 17.5, c4. Kyle Schwarber, C, 15.4, c5. Nick Gordon, SS, -0.4, hs【2013年】1. Mark Appel, RHP, 0.3, c2. Kris Bryant, 3B, 27.5, c3. Jon Gray, RHP, 14.1, c4. Kohl Stewart, RHP, 0.2, hs5. Clint Frazier, 3B, -0.1, hs【2012年】1. Carlos Correa, SS, 44.4, hs2. Byron Buxton, CF, 24.5, hs3. Mike Zunino, C, 9.2, c4. Kevin Gausman, RHP, 23.8, c5. Kyle Zimmer, RHP, 0.0, c【2011年】1. Gerrit Cole, RHP, 43.3, c2. Danny Hultzen, LHP, 0.2, c3. Trevor Bauer, RHP, 21.1, c4. Dylan Bundy, RHP, 7.5, hs5. Bubba Starling, OF, -1.8, hs【2010年】1. Bryce Harper, OF, 51.1, jc2. Jameson Taillon, RHP, 13.9, hs3. Manny Machado, SS, 57.8, hs4. Christian Colon, SS, 1.1, c5. Drew Pomeranz, LHP, 12.4, c予想はしていましたが、1巡上位の選手でもモノになってない選手はたくさんいますね。トップ3に絞ってみても3人全員一定以上の活躍をしているドラフトっていうのは少ないです。気になった年のトップ5はありましたか? 2015年はトップ5も優秀で、7位Andrew Benintendi、9位Ian Happ、12位Josh Naylor、24位Walker Buehler、32位Ke'Bryan Hayesのほかにも主力で活躍している選手が複数います。2014年は上位の2人がメジャーに到達できませんでしたが1巡には7位Aaron Nola、10位Michael Conforto、13位Trea Turner、25位Matt Chapmanなどがいます。2012年は7位Max Fried、18位Corey Seager、47位Matt Olsonなど。2010年が13位Chris Sale、23位Christian Yelich、38位Noah Syndergaardなど。あとは2023年がドラフトからわずか1年しかたっていないのに上位5人のうち3人(1巡のうち7人)がすでにメジャーデビューしておりSkenesは衝撃的な活躍で、6位以下の選手も各球団のトッププロスペクトが多数いて過去数年では有数のドラフト年となりそうな予感です。一方でコロナ禍だった2020年は情報収集が難しかったと思われマリナーズも6位指名のHancockがいまいちなように他球団も上位勢はパッとしない年になっていて、結果が出ているのは10位のReid Detmers、11位Garrett Crochet、30位Jordan Westburgなど今のところわずかです。ドラフト1巡全体の話になりそうなので本題であるトップ5の話に行きます。今回見てきたトップ5では大学生のほうが多く指名されていますが考えていたよりは高校生の指名も多いんだなあと思いました。今回集計した全75人のうち大学生が45人、高校生が30人となっています。(Kumar Rockerは大学の後1年独立リーグ行ってますが大学生でカウントしました。Bryce Harperは短大ですが経緯や年齢考えて高校生に入れました。)今回集計した15年分のトップ5は大学生45人合計rWAR293.9(1人あたり6.53)、高校生30人合計rWAR268.5(1人あたり8.95)となっています。高校生のほうが昇格は遅いので少し数字が低く出ると思いますがCorrea、Machado、Tucker、Witt Jr.、(Harper)のようなスターが出ているので1人当たりにすると高校生のほうが高くなったようです。一方で上位指名なのに全然だめだった選手もたくさんいるのが高校生。大学生は期待値までは届かなくとも多少なりともメジャーで成績を残せている選手が多い印象ですし、もちろん大学生からもCole、Gausman、Bregmanなど優秀な選手がいます。いくつか分けて見てみます。まず、順位別の合計rWAR1位:186.42位:128.93位:136.64位:57.95位:52.6やはり全体1位というのはすごいですね。2010年から3年はHarper, Cole, Correaと全体1位にふさわしい結果が出ています。その後HOUが連続して2013、2014年と残念な指名がありましたが、その後Swanson, Lewis, Rutschman, Skenesといった選手が結果を出してくれることでしょう。大学生か高校生か、ポジション別でrWARを見ると大学生P 19人(RHP14、LHP5) 144.3高校生SS 9人 125.9高校生OF 10人 106.2大学生SS 5人 66.1大学生C 5人 38.6高校生P 10人(RHP8、LHP2) 36.5大学生3B 5人 34.9大学生OF 7人 8.9大学生1B 3人 1.0大学生2B 1人 ---高校生3B 1人 -0.1となっていました。(上でOF/3Bと紹介していたCondonはOFで集計しました。)意外だったのは最近多いなあと思っていた打力重視であるはずの大学生OFの結果が出ていないこと。トップ5指名で見れば2010~2015年は大学生OFの指名がありませんでしたので2016年以降大きなプラスを出している選手がまだいないということも言えると思います。高校生投手は少ない印象もあったんですが、最近少ないだけでそれまでは逆に多かったんだなあと気づかされました。見ての通り上位指名の高校生投手はなかなか結果が出ていないというのは現実のようです。最近指名が少なくなってる中で指名されたGreenやJobeが今の評価のままエースへと成長していくか気になるところです。いかがだったでしょうか。こういうデータを見てしまうと、残ってる中で一番いい選手を指名してほしいとは言いながら、大学生なら投手、高校生なら野手というのが基本線になるのかなあと思ってしまいますね。