土方歳三資料館のオンラインショップでも販売されている、『英傑たちの肖像写真~幕末明治の真実』という本がある。この本で土方歳三の肖像写真について書いているのが、森重和雄氏だ。
土方歳三資料館日記の『2010.4.18「英傑たちの肖像写真」チラシが出来ました』、『2009.10.20「土方歳三と近藤勇 肖像写真』といった記事を参照されるとよい思う。
また、森重和雄氏自身のブログで『2008.12.11「土方歳三の写真の謎 その一』、『2008.12.18「土方歳三の写真の謎 そのニ』、『2008.12.25「土方歳三の写真の謎 その三』といった記事を書かれている。
その中で書かれていたものを以下に引用する。
『僕のことを新撰組の研究者だとか、熱烈な新撰組ファン、オタクだと思っている人もいるかもしれないが、それは誤解です。』
『この写真について以前に現物を僕が確認した際に疑問に思ったことは、写真の台紙については確かに非常に古いものであることがわかるが、その台紙に貼られた土方歳三の写真(鶏卵紙)は、よく見ると写真の下部と右側に元の写真をさらに複写したことがわかるバレが写っていることであった。
つまり、少なくとも僕には肝心の土方歳三の写真がオリジナルの写真と思えないのである。
これが土方歳三写真の最大の謎の一つである。』
『従ってこの市村鉄之助の逸話だけでは、この写真が函館で撮影された写真であるのかは断定できない。
さらに昭和13年に土方家(土方康氏の頃)から市立函館図書館に土方像原画の寄贈していることから、現在、土方家にある土方歳三の写真はやはり土方歳三が市村鉄之助に渡した写真現物ではなくて、これも後年の複写写真の一枚である可能性は高い。』
『その一方、椅子に腰かけて足元の全身まで写っている土方歳三の写真(土方家所蔵写真、平拙三家旧蔵写真)の方については上記のような特別な逸話は残っておらず、この写真がどうしてあるのか不明だ。』
『また、この池田種之助が寄贈した写真は、どうやら明治時代にはすでに市販されていた肖像写真のようだ。』
また、神津陽、多摩党の虚実やらで検索してみると何か見られるものがあるかもしれない。