

「ひぐらし」
あー、ひぐらし、鳴いてるー。
こっちは、その日暮らしで、泣いてるなー。
けい蛄春秋を知らず ( けいこしゅんじゅうをしらず ):
ひぐらしは夏の間だけ生きている短い命だから、春や秋の季節を知らないということから、 生命のきわめて短いことのたとえ。また、夏の蝉は短命であり、 狭い世界しか知らないことから、世間知らずのたとえ。けいこは夏蝉、むぎわらぜみ。ひぐらし。つくつくぼうし。
注:
人の生活は雑事が多く、季節が変ってしまってから、季節が過ぎたことに気付きがちである。自然とともにある生物は、教えられなくとも季節に添って生きているので、人も自然に近いところで生活すれば季節の変化に気付きやすいものである。「クマが出た」と言えば「冬眠が近いんだな」と思い、「蜩が鳴いた」といえば「秋なんだな」と思う。それでも“その日暮らし”では生活が逼迫して、季節感を忘れるのも無理はないかな、という残念感。