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// NOTE:タイトルだけが8年も前から眠っていて、器の中身が決まらないまま、なんてことがあるんだよねぇ。
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TITLE:
滅びの歌を歌おう。
SUBTITLE:
~ Let's play the Death march. ~
Written by BlueCat

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//[Body]

 この国は少子化の一途を辿っているという。
 そんな話は、僕が子供の頃から言われていた。
 かれこれ半世紀近く前だ。

 その間この国は、その政府は何をしていたか。
 何もしていなかった。
 ただ、国家であり続けた。政府を続けていた。
 国家は永続し、日本国は存続する。
 そういう目論見あるいは先見によって、政治家は政治家を続け、日本は正しき民主主義の体現として選挙制度を執行し、我々国民は選挙権を行使し、被選挙権を行使した。

 子供である僕でさえ知っていたのだ。
 だからすべての人間が知っていたはずだ。
 僕は日本における第二次ベビーブームが終わった頃に生まれた。
 少子化はすでに予測されていた。

>>>

 永続するものなどないことは、800年以上も前から言われてきた。
 きっとそれ以前から、人間達はそれを知っていたはずだ。

 ゆえに我々は、子供の頃から、そして現在も、それを知っている。
 知っていて、そのままにしておいた。
 あるいは。
 知っていたから、そのままにしておいた。

 個人も、国家も、体制も、その時代には正しいとされる倫理さえ、時と共に変わってゆく。
 そして ── 最後に跡形もなく滅びる。

>>>

 滅びとは死である。
 死を尊ぶという、いささか変わった性質を持つ僕にとってそれは、呪いではなく祝福であり、悲しむべき終焉ではなく安息の眠りだ。

 この国は少子化の一途を辿っているという。
 そんな話は、僕が子供の頃から言われていた。
 かれこれ半世紀近くもずっと。

>>>

 僕はアナーキィなラケンローラである。
(嘯いているうちに、本当にそうなってしまった)
 既に持てる者たちが既存の社会をよりよくするというお題目を掲げ、公平と平等という餌を吊して弱者を煽動するメカニズムを、だから僕はずっと、憎んでいた。

 果たせるかな、僕はこの社会やその仕組みより先に滅びる。
 時の首相を殺害しようとも、その仕組みが壊れることはないのは誰もが知るところだ。
 目に見えるどんなものを破壊しても、目に見えないモノを壊すことはできない。変えることはできない。

 そんな当たり前のことを僕は子供の頃に結論した。
 憎い誰かを殺したところで多少気分が良くなることこそあるだろうけれど、果たしてそれは本当に心から望んだカタチだったろうか。
 だから少なくとも僕が憎むものは、いつもカタチを持たない。
 果たして本当に心から僕が望むモノが、そうであるように。

>>>

 この国が滅ぶことについて、感傷はない。
 カタチ無きモノの滅びを望むのは、その向こうに望むカタチがあるからだ。

 カタチを作るのに必要なことはメカニズムに対する理解と、その具現に必要な材料、そして可能な限り正確な作業だ。
 他人に任せる場合や共同で作業する場合「正確な作業」についての情報を共有する必要がある。
 形のあるものについて言えば、それは設計図と呼ばれる。

 作られたものが最終的に愛されながらも朽ちゆくか、ただ消費され損耗され廃棄されるか。
 それは作られた物にもよるし、使う者にもよる。

 決まっていることは、それらが必ず、終焉を迎えることだ。
 漏れなく。すべて。

>>>

 進化の歴史を学んだ者、宇宙論や宇宙物理学を聞きかじる程度でもした者なら、この太陽系も終わりがあることを知っているだろう。
 そしてそれよりはるか以前に、地球は現在と同様の機能を果たさなくなる。
 さらにそれより以前に、人類は現在と同等のものとしては存在できなくなる。

 この国や自治体が機能不全で滅亡しようが、些細な苛立ちが殺意に変わろうが、それが何だというのだろう。

>>>

 この国は少子化の一途を辿っているという。
 そんな話は、僕が子供の頃から言われていた。
 かれこれ半世紀近く前だ。

 この国は、その政府は何をしていたか。
 何もしていなかった。
 ただ、国家であり続けた。政府を続けていた。
 国家は永続し、日本国は存続する。
 そういう目論見、つまりは先見によって、政治家は政治家を続け、日本は正しき民主主義の体現としての選挙制度を
行い、我々国民は選挙権を行使し、被選挙権をありがたく行使した。

 人口の減少について、子供である僕でさえ知っていたのだから、すべての人間が知っていたはずだ。
 体制がそうしたように、政治家がそうしたように、我々のすべてがそれを看過した。
 何も変わらないだろう、放っておいてもどうにかなるだろう、どうにもならないなら誰かが何とかしてくれるだろうと、タカをくくっていたはずだ。

 その国が滅ぶことに、いったいどんな感傷を持てというのだろう。

 今が永劫不変だと疑わず、変わることを拒否し、己の亡骸を恐れ逃げ惑う。
 そして不可避に変化してゆく。
 その愚かしき我々に、どんな同情が相応しいだろう。
 いかなる救いが、誰によってもたらされるというのだろう。

>>>

 終焉は、死は、滅びは、崩壊は、必ず訪れる。
 ── しかし、それは今日ではない。

 人間はまだ、滅んでいない。
 ── 人間の魂はどうだ。

 幸か不幸か。
 呪詛か祝福か。

 不可避な滅びは、
だから、まだいくつもの選択肢を抱えている。
 僕らはまだ、死んでいない。

>>>

 この国が滅ぶことについて、感傷はない。
 この国が滅ぶことになど、いったいどんな感傷を持てというのだろう。

 永続するものなどないことは、800年以上も前から言われてきた。
 きっとそれ以前から、人間達はそれを知っていたはずだ。

 変えようとしないかぎり、変えられてしまうその事実を。
 変わろうとしないかぎり、流されてしまうその事実を。

 自分で決めるしかない。

 滅んでなどいない自身の魂を、そこに滾る熱をどうするか。
 明日を、今日を、今を、どうするか。

 とりあえず私は背中が痒いので、昼寝をしよう。







 

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[NEXUS]
~ Junction Box ~
 

// ----- >>* Tag Division *<< //
[Engineer]
  :青猫α:青猫β:黒猫:赤猫:銀猫:
 
[InterMethod]
  -Algorithm-Blood-Form-Life-Link-Mechanics-Recollect-
 
[Module]
  -Condencer-Connector-Convertor-Generator-JunctionBox-Resistor-
 
[Object]
  -Human-Poison-Tool-
 
// ----- >>* Categorize Division *<< //
[Cat-Ego-Lies]
  :いのちあるものたち:
 
 
//EOF