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// TimeLine:20200501
// NOTE:
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TITLE:
彼女は僕のまばゆい恋人。
SUBTITLE:
~ She is cool, and so fantastic. ~
Written by 黒猫
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::髪、切ったんですね。一瞬、わからなかったです。
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//[Body]
恋をしている。
僕の現実世界の境界は/この薄っぺらな皮膜、人間の/皮膚でしかなくて。
そのインタフェイスを通して、僕は彼女を知った。
なんでもない関係 ── のはずだった。
彼女のことは知っていた。
でも友達ですらなかった。
通りすがりの、顔見知り以下のものだと思っていた。
恋愛対象として考えたことなんて、もちろんなかった。
ある冬の夜、彼女が僕に、特別な話をするまでは。
>>>
はじめて恋をしたのは冬だった。
だから、僕にとって、冬はいつも、いつでも、いつまでも特別なものだ。
まるで幼なじみであるかのように、気が付けばいつもそこにいて。
あるときそれが特別であることに気づかされる。
もちろん、時には嫌いにもなる。厭にもなる。つらい思いをしたこともある。
でも、それでも。
どうしようもなく惹かれてしまうから。
だから僕は恋をしているのだと気が付いたのだ。
彼女の匂いが好きだ。
秋の終わり、肌寒い午後の風に乗って、これから君のところに行くからね、とそっと知らせる声のような。
乾いた、埃っぽい、寂しげな、はずむような、匂い。
きらきら光る彼女が好きだ。
惰眠を貪る僕を責め立てるように、カーテンから差し込む朝の下の隙間を潜って部屋にやってくる。
そして僕をなんとか起こそうとする。
もちろん僕は起きないので諦めて、そっと彼女は背中にひっついて眠る。
彼女の空気が好きだ。
凛とした佇まいのことが多いのに、ひなたでころころと笑うところなどは本当に無邪気だ。
朝はきりりとしていて、夕方頃から正体がなくなる。
それでも彼女を取り囲むように、人々が、ぬくみを持ち寄るから。
だから彼女とそのまわりはいつもあたたかな雰囲気が漂っている。
夜の彼女が好きだ。
深夜になると、ときどき、苛烈なくらい、冷たくなる。
どうやってもあたためることのできないそれは、無力と孤独を僕に確認させる。
人間だって不可抗力のように、そのありようを自然に支配されてしまうことがあるから。
そういう人たちは僕の周りにたくさんいたから。
だから僕は気にせず、彼女のそばに居続ける。
僕はもともと冷たいから。これ以上、冷たくなることもない。
彼女のいる景色が好きだ。
雪の朝!
凶暴に牙を剥く、光り輝くつらら!
なんにもないのに、なんにもないから、ゆらめく光たち。
我が物顔でこの世の生を謳歌する生き物たちの死に絶えた静寂。
人間たちでさえ、太刀打ちかなわず、ひっそりと鳴りを潜める。
遠くの鳥の声が、いつもよりくっきりと見える。
星の光の瞬きが、ひそひそと聞こえる。
月が誇らしげに、闇を映す。
>>>
冬の匂いが好きだ。
冬の光が好きだ。
冬の空気が好きだ。
冬の夜が好きだ。
冬の景色が好きだ。
僕は冬に恋をしている。
>>>
彼女は比類ない美しさで、世界をぬりかえてゆく。
彼女が美しいだけではなくて、彼女の触れるすべてが美しく変わってゆく。
それは彼女が美しいからなのか、それともそれ以外が美しいからそう思えるのか、分からなくなるくらい。
彼女は圧倒的な寂しさで、他を寄せつけない。
彼女が孤独なだけではなくて、彼女へ至るストーリィと彼女がもたらす未来が、生命に満ちているから。
孤独の断崖/死の谷底/彼女そのもの。
彼女の孤独は、この僕をしてさえ付け入る隙が見つからない。
光も、水も、空気も。
人も、建物も、街灯さえも。
彼女の力で姿を変えてゆく。
彼女のために姿を変えてゆく。
まるで彼女だけが、この世界では特別な何かであるかのように。
でも移り気な彼女は、いつも僕のもとを去ってしまう。
僕の気持ちなんておかまいなしで、彼女の都合で別のところに帰ってしまう。
まるで僕以外の誰かのところのほうが、彼女には心地よく、相応しいかのように。
それでも、僕は、彼女の冷たさにいつまでも惹かれていて。
だから彼女がやって来るのをただただ待ってしまう。
彼女の他の待ち人についても、それはそれで彼女に必要なものであろうと許してしまう。
>>>
今は春。
大嫌いな春が終わって、また大嫌いな夏に向かう。
窓の外は、僕の目には苛烈な眩しさで。
まるで一面銀世界のようにホワイトアウトする。
白抜きされた視界の中で、飛蚊症の雪が降る。
僕は彼女の幻に酔う。
もうじき夏なのに。
まだ/もう/彼女のことを考えている。
時間が平衡を失う。
未来と過去が意味を失う。
自分という点が、存在を失う。
眩惑が、光を嫌うこの目に刺す。
射抜かれて落下する飛翔体のように。
方角すら見失う。
>>>
はじめて恋をしたのは冬だった。
まるで幼なじみであるかのように気が付けばいつもそこにいて、あるときそれが特別であることに気づかされる。
僕は冬を見上げる。
彼女の冷たさは、いつも優しい。
僕は冬と手を取る。
彼女の吐息は、いつも白い。
僕は冬を見つめる。
彼女の笑顔は、いつもまばゆい。
僕は冬を見つめる。
彼女はいつもそこにいる。
僕は冬に恋する。
僕はずっと恋をしている。
僕は冬に恋をしている。
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::女なんて男出来るたび髪型変えるわよ。
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[出典]
~ List of Cite ~
引用は、
「第19話 線路沿いの道」(p.108)
From
「四月は君の嘘 第5巻」(著作:新川 直司 / 発行:講談社)
によりました。
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[NEXUS]
~ Junction Box ~
[ Parallel Line ]
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[Engineer]
-工場長-/-青猫α-/-青猫β-/-黒猫-/-BlueCat-
[InterMethod]
-Color-Eternal-Love-Season-Stand_Alone-
[Module]
-Connector-Generator-JunctionBox-
[Object]
-Camouflage-Cat-Memory-Night-Poison-Winter-
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[Cat-Ego-Lies]
-衛星軌道でランデヴー-:-ひなたぼっこ-:-夢見の猫の額の奥に-:記憶の切片
//EOF
