公認心理師 過去問研究[1088] 第7回悉皆検討〈61〉心理検査結果取扱い | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

第七回公認心理師国家試験問題(2024年3月3日実施)

問61  8 歳の男児A、小学 2 年生。Aは、「先生の話が分からない」、「学校が嫌い」と話し、授業中に他児に話しかけることや、立ち歩きも多かった。心配した保護者と担任教師はスクールカウンセラーBに相談し、Bの紹介で、Aは教育相談センターで心理検査を受けることになった。教育相談センターに勤務する公認心理師Cは、Bから、「検査の結果は、今後の学校におけるAの支援に役立てたい」という申し送りを受け、Aに WISC-V を実施した。Cが実施するアセスメント・フィードバックとして、最も適切なものを 1 つ選べ。
1)  アセスメントの結果は、まず紹介元であるBに送付する。
2)  年齢を考慮し、A自身へのアセスメント・フィードバックは避ける。
3)  アセスメント・フィードバックの内容は、伝える相手によって変えず、同一にする。
4)  下位検査得点や行動観察も含めた結果を基に、アセスメント・フィードバックを行う。
5)  保護者にアセスメント・フィードバックを行う際は、Aの検査記録用紙の複写を資料として

       付ける。

 

 

解は、4

WISC-Vがようやく初出。

「最も適切」として、4)を積極的に選べる易しい問題でなければ、5)で迷う可能性がある。

なぜなら、事実上、5)は、現場では往々にしてあり得ることだから。

ただし、検査記録用紙の一部であることが多い。コピーを渡すとすれば、「所見」部分が有益。つまり、保護者もまた、子どもを支援する「チーム学校」のメンバーの一員という理念からは、支援者同士の情報共有がむしろ積極的に認められるべきでしょう。

 

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