公認心理師 過去問研究[1065] 第7回悉皆検討〈38〉PCA傾聴理論 | こころの臨床

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第七回公認心理師国家試験問題(2024年3月3日実施)

問38  パーソンセンタード・アプローチにおいて、セラピストの傾聴を理論的に説明するため

     に用いられる概念として、不適切なものを 1 つ選 べ。 

1)  純粋性
2)  体験過程
3)  深い関係性
4)  フェルトセンス
5)  パーソナル・コンストラクト 

 

解は、5

5)が「人格心理学」の用語であると見抜けなかったり、PCAの実践に馴染みが薄いと、誤答に至ってしまう可能性も。でも、改めて正確に読み取った語義に基づき消去法を試みるなら、なんとかなる筈。ともあれ、5)のターム、そちらの分野の定義としても、「無条件の(絶対的)肯定」とは相反するわけですが。

 

😹 にゃんが今回この問題で一瞬戸惑ったのは、速読即答で全問を1時間半をリミットに見直しなしで解いたため、5)の語感を、ロジャース三原則の「自己一致」に関連する「コンフリクト」と読み違ったからでした。カタカナ語の読み違いの落とし穴、何卒、他山の石に。

 

🐱参考論文

若林明雄(1992) 「 George A. Kellyの個人的構成概念の心理学. ―パーソナル・コンストラクトの理論と評価―」

翻訳可↓

 

 

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