第Ⅰ部概説は、それまでの類書に比して、より整理されているとも言えるので、これを参照テクストとしてもよいと思われます。
第Ⅱ部の基礎的研究編は、その当時数少ない他技法との比較研究の集積となっています。
付録のQカード分類は、実際にやや使い辛いかなと思いました。
第Ⅲ部は事例編で、いずれも、治療者である木村先生の卓越した技量が表れている事例でした。
すでに別書に発表さえたものの再掲事例もありました。
これは、三木アヤ先生のコメントが付されていたものでした。
その中でも非常に印象に強く残り、また、エピソードの端々に自分自身の過去のケースを想起されてそれと参照することで勉強になったのは、第11章の「MBD*を疑われた少女のたった1つの箱庭」でした。
MBD=minimal braindysfunction