臨床つれづれ:日本宗教学会学術大会が、半ばクローズドの理由は?? | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

日本宗教学会の学術大会は、日本心理臨床学会大会のようにクローズドの学会ではありません。

 

むしろ、会員以外の多くの研究者や一般の方々に知っていただきたい内容のパネルや個人発表が数多くあります。

 

しかしながら、昔(...少なくともにゃんが入会する二十数年前以前)のことはわからないのですが、)現在は、非会員も一定の参加費を払えば発表を聞くことができるものの、発表者への質問は許可されていないという制限が設けられています。

 

なぜ、そのような制限があるのでしょうか。

 

そういえば、これまで、関係者のどなたか(数期にわたって会長を務められた先生で何十年来のご縁のある方もいらっしゃるのに...)にちゃんと聞いてみたことはありませんでした。

 

昨年の学術大会では、おそらくプレス関係と思われる方が参席されてましたが、『中外日報』をはじめプレスが質問ができないというのは、ちょっとどうかと思いました。

ただ、発表時間外でプライベートにインタビューをすることは可能でしょう。

 

他学会では、一般のビジターは無料(会員は参加費を支払って研究成果を社会に還元するという趣旨)というところもあるそうです。

 

日本宗教学会の場合は、学術大会がカルトの宣伝や勧誘に利用されることが懸念されるのかもしれません。

 

そのためもあってなのか、発表者の所属として、宗教団体名(新宗教系はもちろん、寺社名称も)は名乗れず、学術研究組織の名称のみが許されています。

 

中村元先生が「東方研究会」を創設されたのは、自らの所属名を、大学の非常勤としてさえ名乗れない若手・中堅研究者のためであったと聞いています。中村先生は、後進への温情的配慮を数々なさってくださってます。身近な話で恐縮ですが、にゃん弟elderは、中村元先生の大学への送り迎えの運転手を務めさせていただいていました…。