2023年心楽の会のふりかえりと来年の月例会の予定 | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

今日はクリスマスイブの日曜日。あと1週間で今年も終わりです。

いつも、このここりんブログを訪れていただき、ほんとうにありがとうございます。

 

今年のともいき・ここりんの活動をご報告させていただきます。

1)国試直前講座オンライン開催 [1/21~5/14]

2)近接領域等を含む年次大会・研究会参加(理事・研究主査)

3)公認心理師制度運用・国家試験に関わる調査・研究(理事・研究主査)

4)「オンライン心楽の会」理事主催月例会12回 [NL会員自由参加(参加費無料)]

5)ここりんアメーバブログ(本ブログ)毎日更新[今月で3年半を迎えました]

 

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 🌥️  2023年「オンライン心楽の会」月例会の記録 🌥️

 

🎍 1月のオンライン心楽(こぐら)の会

「何が少女を追い詰めたのかー旭川少女凍死事件で浮彫になった発達障害ブームの闇ー」

・日時:1月15日(日)13:00~15:00(※第3日曜日)

・講演:中川聡(全国オルタナティブ協議会代表)

昨年末12月の会に引き続き、全国オルタナティブ協議会代表の中川聡さんをお招きし、旭川女子中学生いじめ凍死事件についての後編の講演とここりん理事との交流。中川さんの愛猫ムギくん😸も参加。

 

 

👹  2月のオンライン心楽の会

「重度自閉症」児への支援~事例を通した検討~

・開催日時:2月5日(日)13:00~15:00

・講演:酒木保(宇部フロンティア大学教授)

 

 

🎎  3月のオンライン心楽の会

「枠付け法(中井久夫)」を用いた自閉症男児の言語的発達事例

・開催日時:3月5日(日)13:00~15:00

・講演:酒木保(宇部フロンティア大学教授)

 

 

🌸  4月のオンライン心楽の会

中井久夫「世に棲む患者」に学ぶ [鼎談]

・日時:4月2日(日)13:00~15:00

・講演:こころの臨床の理事(酒木・實川・戸田)

 

 

🎏  5月のオンライン心楽の会

研修講義デモンストレーション「ゲーム・スマホ依存への心理的支援

・開催日時:5月7日(日)13:00~15:00

・講演:戸田弘子

スクールカウンセラー(SC)の方やSC志望の方に特にお役立ていただけた(かもしれない)教職員研修のデモンストレーションを行いました。教育臨床領域ですが多分広く参考にしていただけると思い、多くのみなさまにご参加を請いました。

 

 

🐸  6月のオンライン心楽の会

6回国試合格発表寸評

・日時:6月11日(日)13:00~15:00

・報告:国試対策講座担当講師・法人スタッフ公認心理師

6月は第2日曜の11日に開催しました。昨年に引き続き、データの数値化を試み、初めてGルート以外の受験者のみで実施された国試問題内容の解析と今後の展望を語る機会といたしました。

 

 

🌻 7月のオンライン心楽の会

「統合失調症薬物治療ガイド2022―患者と支援者のために」への講評と向精神薬の不適切処方を体験された元一部上場企業戦士のお話

・日時:7月2日(日)13:00~15:00

・講師:中川聡(全国オルタナティブ協議会代表)・小林善昭

 

 

🍉 8月のオンライン心楽の会

WISC-Vの特徴と所見の読み取り方入門

・日時:8月6日(日)13:00~15:00

・講師:酒木保(弊法人理事・宇部フロンティア大学大学院教授)

 

 

🍇  9月のオンライン心楽の会

今年度学会・研究会等参加報告(その1)

・日時:9月17日(日)13:00~15:00

・報告:弊法人理事・スタッフ

日本心理臨床学会・日本宗教学会他参加報告, 破壊的カルト被害者支援臨床・虐待被害者支援など

 

 

🌰  10月のオンライン心楽の会

今年度学会・研究会等参加報告(その2)+箱庭療法に関する報告

・日時:10月1日(日)13:00~15:00

・報告:弊法人理事・スタッフ

日本人間性心理学会@福井他参加報告, ナラティブアプローチWS(講義:森岡正芳先生)。次回のテーマに向けてここりんスタッフの箱庭療法の体験報告も行いました。

 

 

🍁  11月のオンライン心楽の会

箱庭療法を多面的に読み解く

・日時:11月5日(日)13:00~15:00

・発表:大平・合田・戸田(弊法人理事・スタッフ)

・コメント:實川理事

河合隼雄が日本に導入した箱庭療法は、治療効果が認められるにも関わらず、昨今あまり用いられていません。多くの心理支援の場に、この療法が復興することを願い、今回、セラピストまたクライアント体験を通して、箱庭療法の面白さをはじめ、様々な側面からその魅力を語り合いました。研究スタッフから「砂」の考察もありました。

 

 

🪅  12月のオンライン心楽の会

心理臨床の未来へ~公認心理師法附則に基づく見直しの機を迎えて~

・日時:12月3日(日)13:00~15:00

・発表:戸田(弊法人理事)

・コメント:實川理事

公認心理師創設5年目の制度と運用の見直しの時期に….問題提起の試み。

Gルート受験特例措置が終了後1回目の本年度の国試には、相変わらず不適切問題が出題されました。ところが、この事案はいずれの関係機関でも公には看過されているようです。なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。この国家資格の特性をいくつか挙げてみたら、何かヒントが見つかるかもしれません。 

一つには、公認心理師は法的に名称を独占することのみを許される資格であること。

第二に、当資格者は医療機関での保険点数獲得等に貢献する可能性を持つこと。

第三に、公認心理師法42条2が明示するように医師の指示に従う義務を負うパラメディカルの一資格であること。

これらが、国家試験という最大の難関であるはずの試験実施運営においての不備や杜撰さを回避できていない現状と無関係であるとは言い切れません。

民間団体認定資格の臨床心理士に課せられ、国家資格である公認心理師に課せられていない職責があります。

それは「研究・調査」です。

この職責は公認心理師法に定められる知識・技能のリニューアルと研鑽の努力義務とは全く異なるものです。前者は主として自らクリエイトする営み、後者は他者がクリエイトした既存理論や技法を倣い学び受容する営みです。

初年度より現任者講習会の主催団体・開催協力組織として、Gルート受験者を国家資格者として世に送り出す支援を続けてきた弊法人は、初回から今年度までの国試実施の様態と出題内容に関心を深く持ち、具に検証してきました。

この実績を踏まえ、新たな年明けを前に、公認心理師制度の見直しの機に際したいま、改めて心理臨床(心理的支援の現場)にはどのような将来が望めるのかを批判的に検討しました。

 

 

 

 

😺来年1月〜6月のオンライン心楽の会[理事主催月例会]のテーマ(予定)

1月 心理職が学校で行う授業「児童プログラム」デモンストレーションと検討

2月 WHOの指針と日本の精神医療についての解説(中川聡氏客演・当事者体験談)

3月 [第2日曜に開催] 河合隼雄とは誰だったのか?

4月 ファンタジードラマやアニメで語られる「死」

   *解析のまとめが間に合えば、5月予定の第7回公認心理職国試総評を前倒しにします

5月 第7回公認心理師国試総評

6月 心理検査・心理療法を始めて学ぶ時や研鑽のコツ(実習含む)

7月〜未定:テーマのリクエストをぜひお寄せください