臨床つれづれ:学会現風景、ユンギアン風妄想 | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

これも、にゃんが昔に出会った心理臨床学会のいつかの学会での印象深かった体験です。

 

広いキャンパスで、発表や催しが開催される教室棟などが散在していたと思います。

 

風の少し強い日でした。

 

にゃんが敷地内でもかなり外れたところにある棟の会場に向かっているとき、行く手方面から、斜め前をよぎる二人の人影を目にしました。

 

お一人は白髪の老紳士、もうお一人は、20代前半ぐらいのスーツ姿のお嬢さん。

 

背広の老紳士は手に持たれていた書類を風にさらわれ、あ~っという感じ。

 

お嬢さんが素早く拾い集めます。

 

そして「先生、こちらです....」と温厚で優しげな老先生を労りながら先を急いでいかれました。

 

 

なんだかこの師弟らしきペアの雰囲気が、日頃の関係性が凝縮されているように思われて、微笑ましくて、あんな師弟関係がいいなあ~~~と感じ入り、にゃん映像記憶に刻まれました。

 

ところで、なんでこの記憶が鮮明に心に刻まれているんでしょう?

3日間の大会会期で、他にももっと印象に残っていい体験をいっぱいしているはずなのに…。

 

もしかしたら、そのときに「元型的image」が無意識の層からemerging浮かび上がってきたからかも、とも考えられます。

 

それは、ユングが挙げていた類型では、「老賢者と乙女」のペアであるように思います。

 

ユングは男性だから、この男女と年齢配分なのかもしれませんが。

 

その対となりそうなのは、老賢女と少年?

...最近実写化された『幽遊白書』とか、『葬送のフリーレン』(見た目ではなく経験値として)の登場人物の関係性に見出せるように思います。他の例がいまのところ思いつかないのですが、もしお気づきの作品(純文芸・サブカル、ジャンル問わず)をご教示いただければ嬉しいです。