かなり時間が経ちましたが『恋愛感情と生涯のパートナー5』の続きです。
おそらく人類が言葉を手に入れた古代文明の頃から、男女の惹かれあう情動に特別な概念が生まれたのだと思います。古今東西、神話や哲学・諸々の学問や芸術分野etc.、ダントツで人を惹きつけてきた主題は「恋愛」であったと推測します。
ちなみに日本語の「恋愛」という言葉は、明治時代に、欧米から入ってきたloveの概念からつくった造語で、それまでの男女間の情動は「情」「恋」「色ごと」という表現が主であったといいます。
現代においての「恋愛」は、ファッション、婚活、ブライダル、トラベル、外食産業、医療等々あらゆる分野で、金儲けの巨大市場としても、揺るがぬ社会的地位を維持し続けているわけです。
またクリエイティブな世界でも、小説や漫画を読めば「恋愛モノ」、映画もドラマも「恋愛モノ」、常に関心度および人気度 No. 1(当社比)を誇っています。「ちょっと人類、どんだけ恋愛が好きなのさ!」と言いたい。
「恋愛?なんじゃそりゃ旨いの?」という方はWikipediaをどうぞ。
そこで独自のデータ(直接聴取)も含め、恋愛讃歌ではない、私独自の『生涯のパートナー』というものについて一寸語ってみたいな‥という動機ではじめたのがこのシリーズです。
ハァ ?! 歳だけ喰ってそのへんの経験値ほぼ0なお前が何を語れんの? と、誰も求めていない不人気テーマですが、何か。
前回までのおさらい
前回までは、『生涯のパートナー』を考察するに避けられない「恋愛感情」について、心理学や進化論的観点からあちこち脱線しつつ解説をしてきました。
地球上に生息する様々な種は、いかなる環境の変化にあっても何とか生命の火を灯し続けるために、常に多様性へ向かうという戦略をとってきました。
人類もまた、想定外の環境圧にあったとしても、ほんの僅かでも種が生き残る確率を上げるため、有性生殖による遺伝的多様性を獲得することを選択しました。
有性生殖(♂と♀とによる遺伝的交流繁殖)を有利に効率よく進めるために、進化は「恋愛感情」というメカニズムを獲得し、ヒトの人生にさらなる喜びと苦悩を加えてくれたわけです。
恋愛感情とは、有性生殖のためのカップリングと合同育児のために、3〜4年間 ♀と♂をくっつけておくために進化した感情やで~
ということでした。
そして恋愛というロマンティックな皮を被った「遺伝子選別システム」は、かなりシビアでトリッキーな配偶者選択によってパートナーを選んでいたのでした。
特に♂を資源とみなす、♀の方々が装備する選別システムです。
♂は、、最初はぶっちゃけ見た目で選んでいるだけです(違
ここでちょっと脇道へ
では、有性生殖が不可能である性的マイノリティの恋愛感情は? という当然の疑問が出てきます。
同姓どうしの恋愛であっても、出会いのトキメキや燃え上がる熱情、独占欲、性欲、嫉妬、多幸感等々のさまざまな感情を伴うことは、異性間の恋愛となんら変わるところはありません。唯一の相違点は妊娠できないことですが、それは女性にも有り得るケースです。
なぜ同性愛が存在するのか?
ホモセクシュアル(同性愛)やバイセクシュアル(両性愛)、アセクシュアル(無性愛)といった性的指向については、様々な研究分野で幾つかの仮説はあるものの、科学的にはほとんど解明されていません。人間以外の生物にも同性どうしの求愛行動は数多く存在します。
個人的には「意味のないものは存在しない/何でも有り/同じものは無い」という解釈世界を好むので、同性愛は異性愛と同様、森羅万象に不可欠なファクターと考えております。
進化するBL(ボーイズラブ)の世界
余談ですが、コミック市場の一角を占めるBL作品群(海外を含む)は、読者はほぼ女性、そして圧倒的に女性作家が多いということも含め、そこに描かれる多種多様な男性どうしの恋愛劇はひじょうに深淵かつ超絶面白いです。
最近知ったのですが、BLの古典ともいうべき井原西鶴の「男色大鑑」をコミカライズした作品もあるといいます。現代のBLは、なんかね、底なし沼に足突っ込んだみたいなね‥。
さらにさらに、男女という性別に加えて、男女それぞれに α(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)という特性をもつ特殊設定も加わり、男αと男Ω の「番」による妊娠可能な「オメガバース」という概念まで出現しておるのです。それをもとに日本や海外でも多くのコミックやノベルが出版されているのですが、私もまだ入り口に一歩踏み入れたり引っ込めたりでして。
イミフに熱く語っていますが、何のこっちゃ? と思う方は、どうぞ目眩きBLの世界へ。。。
♂×♂の恋愛を描くボーイズラブは、女性の深層心理解読のための赤裸々な最適教材(要吟味)であるからして、男性も機会あれば読むべし。
ニーズの問題か、女性どうしの恋愛を描くコミックやノベルは、私の知る限りほとんどないのです。
閑話休題。
それでは、人類存続のために機能する「恋愛感情」は、脳のどのようなメカニズムによって、どのように心身に発現するのか、についてごく簡単に解説していきたいと思います。
この分野の研究もさまざまなアプローチ方法で数多くの実験解析が行われていますが、そのほとんどが様々な脳内ホルモン(脳内神経伝達物質およびホルモン)の関与によるものとされています。
恋愛感情を発現させるメカニズム
恋愛経験の有無に関わらず、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、これまで述べてきました通り、人と人との恋愛関係の目的はひとことで言うと生殖です。
恋愛感情を発現させる脳の役割とは、DNAが宿主に対して生殖行為を促すため、脳内で生成される化学物質を使って幻想&錯覚現象をつくりだすこと。
つまり脳の報酬系システム主導による ♪ 誘惑の甘い罠 ♪ なのです。
大雑把に脳内ホルモンとしていますが、正確には脳の神経細胞(ニューロン)から分泌される情報伝達のための化学物質=「神経伝達物質」です。それに加えて、脳内だけではなく主に卵巣や睾丸などで生成される、テストステロンやエストロゲンなどのホルモンの関与もあります。
人の体内には100種類以上の神経伝達物質やホルモンが存在するといわれています。次回は、そのなかで恋愛感情にも関与する神経伝達物質・男性/女性ホルモンについてざっと解説いたします。