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すべてはうまくいっている! 光と心の調和

横浜の心理カウンセラー ロキのつぶやきブログ
その人がその人らしく
『生まれてきてよかった!」
と思える人生のために。

かなり時間が経ちましたが『恋愛感情と生涯のパートナー5』の続きです。

 

おそらく人類が言葉を手に入れた古代文明の頃から、男女の惹かれあう情動に特別な概念が生まれたのだと思います。古今東西、神話や哲学・諸々の学問や芸術分野etc.、ダントツで人を惹きつけてきた主題は「恋愛」であったと推測します。

 

ちなみに日本語の「恋愛」という言葉は、明治時代に、欧米から入ってきたloveの概念からつくった造語で、それまでの男女間の情動は「情」「恋」「色ごと」という表現が主であったといいます。

 

現代においての「恋愛」は、ファッション、婚活、ブライダル、トラベル、外食産業、医療等々あらゆる分野で、金儲けの巨大市場としても、揺るがぬ社会的地位を維持し続けているわけです。

 

またクリエイティブな世界でも、小説や漫画を読めば「恋愛モノ」、映画もドラマも「恋愛モノ」、常に関心度および人気度 No. 1(当社比)を誇っています。「ちょっと人類、どんだけ恋愛が好きなのさ!」と言いたい。

 

「恋愛?なんじゃそりゃ旨いの?」という方はWikipediaをどうぞ。

 

そこで独自のデータ(直接聴取)も含め、恋愛讃歌ではない、私独自の『生涯のパートナー』というものについて一寸語ってみたいな‥という動機ではじめたのがこのシリーズです。

 ハァ ?! 歳だけ喰ってそのへんの経験値ほぼ0なお前が何を語れんの? と、誰も求めていない不人気テーマですが、何か。

 

前回までのおさらい

 

前回までは、『生涯のパートナー』を考察するに避けられない「恋愛感情」について、心理学や進化論的観点からあちこち脱線しつつ解説をしてきました。

 

地球上に生息する様々な種は、いかなる環境の変化にあっても何とか生命の火を灯し続けるために、常に多様性へ向かうという戦略をとってきました。

 

人類もまた、想定外の環境圧にあったとしても、ほんの僅かでも種が生き残る確率を上げるため、有性生殖による遺伝的多様性を獲得することを選択しました。

 

有性生殖(♂と♀とによる遺伝的交流繁殖)を有利に効率よく進めるために、進化は「恋愛感情」というメカニズムを獲得し、ヒトの人生にさらなる喜びと苦悩を加えてくれたわけです。

 

恋愛感情とは、有性生殖のためのカップリングと合同育児のために、3〜4年間 ♀と♂をくっつけておくために進化した感情やで~

ということでした。

 

そして恋愛というロマンティックな皮を被った「遺伝子選別システム」は、かなりシビアでトリッキーな配偶者選択によってパートナーを選んでいたのでした。

♂を資源とみなす、の方々が装備する選別システムです

 ♂は、、最初はぶっちゃけ見た目で選んでいるだけです(違

 

 

ここでちょっと脇道へ

 

では、有性生殖が不可能である性的マイノリティの恋愛感情は? という当然の疑問が出てきます。

 

同姓どうしの恋愛であっても、出会いのトキメキや燃え上がる熱情、独占欲、性欲、嫉妬、多幸感等々のさまざまな感情を伴うことは、異性間の恋愛となんら変わるところはありません。唯一の相違点は妊娠できないことですが、それは女性にも有り得るケースです。

 

なぜ同性愛が存在するのか?

ホモセクシュアル(同性愛)やバイセクシュアル(両性愛)、アセクシュアル(無性愛)といった性的指向については、様々な研究分野で幾つかの仮説はあるものの、科学的にはほとんど解明されていません。人間以外の生物にも同性どうしの求愛行動は数多く存在します。

 

個人的には「意味のないものは存在しない/何でも有り/同じものは無い」という解釈世界を好むので、同性愛は異性愛と同様、森羅万象に不可欠なファクターと考えております。

 

進化するBL(ボーイズラブ)の世界

余談ですが、コミック市場の一角を占めるBL作品群(海外を含む)は、読者はほぼ女性、そして圧倒的に女性作家が多いということも含め、そこに描かれる多種多様な男性どうしの恋愛劇はひじょうに深淵かつ超絶面白いです。

 

最近知ったのですが、BLの古典ともいうべき井原西鶴の「男色大鑑」をコミカライズした作品もあるといいます。現代のBLは、なんかね、底なし沼に足突っ込んだみたいなね‥。

 

さらにさらに、男女という性別に加えて、男女それぞれに α(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)という特性をもつ特殊設定も加わり、男αと男Ω の「番」による妊娠可能な「オメガバース」という概念まで出現しておるのです。それをもとに日本や海外でも多くのコミックやノベルが出版されているのですが、私もまだ入り口に一歩踏み入れたり引っ込めたりでして。

 

イミフに熱く語っていますが、何のこっちゃ? と思う方は、どうぞ目眩きBLの世界へ。。。

 

♂×♂の恋愛を描くボーイズラブは、女性の深層心理解読のための赤裸々な最適教材(要吟味)であるからして、男性も機会あれば読むべし。

ニーズの問題か、女性どうしの恋愛を描くコミックやノベルは、私の知る限りほとんどないのです。

 

 

閑話休題。

それでは、人類存続のために機能する恋愛感情」は、脳のどのようなメカニズムによって、どのように心身に発現するのか、についてごく簡単に解説していきたいと思います。

 

この分野の研究もさまざまなアプローチ方法で数多くの実験解析が行われていますが、そのほとんどが様々な脳内ホルモン(脳内神経伝達物質およびホルモン)の関与によるものとされています。

 

恋愛感情を発現させるメカニズム

 

恋愛経験の有無に関わらず、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、これまで述べてきました通り、人と人との恋愛関係の目的はひとことで言うと生殖です。

 

恋愛感情を発現させる脳の役割とは、DNAが宿主に対して生殖行為を促すため、脳内で生成される化学物質を使って幻想&錯覚現象をつくりだすこと

 

つまり脳の報酬系システム主導による ♪ 誘惑の甘い罠 ♪ なのです。

 

大雑把に脳内ホルモンとしていますが、正確には脳の神経細胞(ニューロン)から分泌される情報伝達のための化学物質=「神経伝達物質」です。それに加えて、脳内だけではなく主に卵巣や睾丸などで生成される、テストステロンやエストロゲンなどのホルモンの関与もあります。

 

人の体内には100種類以上の神経伝達物質やホルモンが存在するといわれています。次回は、そのなかで恋愛感情にも関与する神経伝達物質・男性/女性ホルモンについてざっと解説いたします。

 

アラ卒(卒寿)の母は相変わらず独走体制で、自由で気ままな人生をおまけだと称して忙しくしている。

相変わらずの説教癖も絶好調である。

 

手ぶらの時はマンション5階の自宅への往復に、エレベーターではなく階段を使う習慣を(意地で)3~40年続けているせいか、舌と共に足腰も至って丈夫である。いまだに杖は使わず真っ直ぐな姿勢でショッピングカートを引っぱってスーパーへ買い物に出かける。

 

先日その母が、夕暮れ時の買いもの帰りに、戦前・戦中・戦後人生においても稀有で嬉しい経験をしたという。

 

マンション敷地内の道を歩いていたら、脇道から歩いてきた少年と一緒に肩を並べるかたちになったそうな。

そのときに、斜め前方の遠くに見える山陰から、ちょうどうっすらと白い光が見えたので、その少年に「ほらあそこ、月が出るところよ」と声をかけて立ち止まったら、その少年も歩くのをやめて横に並んだという。

 

そして月が徐々にのぼり、まんまるなお月さんがぜんぶ顔を見せるまで、ずーっとふたりで眺めていたという。その間に、「あなた中学生?」「はい中学2年性です。父と一緒にこっちに来ています」「今日はちょうど満月なのよ」「はい、まんまるですね。のぼるの見たの初めてです」といった会話を生真面目に交わし、「じゃあ、元気でね」と少年の肩をポンと叩いて別れたという。

 

母曰く「いまもああいう素直でやさしい少年がいるのねえ。生きていれば、まだ初体験てのがあるんだわ」

私は、母と一緒に月の上がるのを眺めてくれた、その中学2年生に感謝の念を捧げた。

自分を知るということ2」の記事で、「二重過程理論(脳の二つの思考システム)」の一つとして、ウォルター・ミッシェルのマシュマロ実験で得られた知見「ホットシステム&クールシステム」を紹介した。この思考システムは、その後様々な研究を派生させたが、そのなかには再現性のない研究もあった。

 

{ちょっと横道}

再現性のない研究について

 

この一連の実験によって研究チームは「未就学児の自制能力がその子の将来の予測を可能にする」という仮説立て、『欲求充足の先延ばしに関する長期研究』と命名し追跡調査を行った。500人を超えるマシュマロ実験の被験者であった子どもたちが、青少年期、成人期、中年期に渡って、どのような能力を伸ばし、どのような人生を歩んでいったのか?という長期にわたる追跡調査である。

 

この長期研究は、「未就学児の自制能力は、その後の人生の長期的成功に影響を与える」という結論を導き出した。

ウォルター・ミッシェルはこの結果について、母集団に幅広い一般論は導けるが、一人ひとりについて予測を立てられるものではない、としている。また、この結果をイソップの「アリ(前頭前皮質)とキリギリス(大脳辺縁系)」に例えている。

 

しかし、その後上記の研究結果に疑問をもった研究者によって、さらに大規模な試みによる再現実験が行われた。追跡調査対象の被験者を900人以上に増やし、人種・地域・親の学歴・年収など、より多肢にわたる複合的な要素を加え、アメリカの多様な社会階層を再現した上での追跡調査となっている。

 

その結果、人の長期的成功に大きく影響するのは、子どもの背景にある「社会的・経済的環境」であることが示された。人生の行方は、幼少期の自制能力以前に、子どもの育つ環境に起因することが大きい、ということである。(環境といっても家族という枠組みによる「家庭環境」ではなく、その子にとっての経済的.社会的な「個別の生活環境」)

 

この研究に関しては、容易に予測できる結果だと思う。

生命に関わる危険や貧困に苦しむ環境にあれば、大人も子どもも、その日その日を必死に生き延びることに意識を集中せざるを得ない。長期的展望に立って「未来」のために「今」を自制しようという心理的・物理的余裕など生まれない。生存本能と深く繋がるホットシステムによって、マシュマロを今すぐ食べなければ、次の瞬間にはその一個目のマシュマロさえ消えてしまう日常があるのだ。

 

また別の研究チームでは、自制能力を訓練で高めた場合は?という研究が行われた。17歳のアフリカ系アメリカ人300人を対象に自制能力(セルフコントロール)を測り、彼らが22歳になった時点までの追跡調査をした。その結果「自制能力が高いほど社会的な成功につながりやすい」ことが示唆された。

 

しかし血液検査の結果、「恵まれた環境で育った青年は自制能力が高いほど細胞が若いが、貧しい環境で育った青年は自制能力が高いほど細胞が老化している」ということが示されたという。「貧しい青年は、努力して自制心を身につけることによって社会的成功へは近づいたが、細胞の老化を早めた」ということらしい?。「貧しい青年の社会的成功=自制能力を努力で身につけた→細胞老化」となるが、前提、結論??

この類の研究は、まだ複数の研究事例は報告されておらず、そのまま鵜呑みにすることはできないかな。。

 

人の心を扱う研究(心理学やその周辺)では、明確に数値で測る判断基準がないため、実験や調査を多用することになる。統計学を利用して集積データから測定値を導き出し、それを分析し可視化する。したがって、測定値は抽出された標本に依るものに過ぎず、数値にばらつきが生じるのは当然であり、標本を抽出した母集団の特徴が正確に反映されないケースも少なからず生じる。

 

心理学の研究・実験データの分析結果を、人間全体という母集団に一般化できるかどうかについては、色々複雑な手続きが必要なのだが、それでもね‥やっぱりね‥人間だから。

 

本題に入るまでずいぶん遠回りしてしまった。私だったら、こんな長たらしくつまらん文章のブログはぜったいに読まない。読んでくださる(もの好きな)貴方様には心から感謝いたします。

 

ホット&クール思考について取り上げたのは、こどもの自制能力と将来の成功云々ではなく、このシステムが「自分自身を知る」手がかりになるという点についてだ。

 

ホットシステム(大脳辺縁系)

 

ホットシステムは、快感、苦痛、恐れといった情動を引き起こす、強い刺激に対する素早い反応を専門としている。危機回避のための自動的な判断や行動、瞬時の意思決定に役立つ機能である。また、人生を彩り豊かに味わうための、感動や情熱をもたらしてくれる。

 

原始時代にはそれだけで十分役割を果たしていたが、複雑な進化を遂げた現代社会においては、逆にマイナスの結果をもたらすこともある。

 

ホットシステムは直感的に素早く正しい判断を下す反面、後悔先に立たずの行動を誘発させることも多い。しかも機能の仕様は一人ひとり異なり、個人であっても発動に一貫性がないので、自分でもほとんど予測がつかない。その結果、相手のメッセージを読み違えて咄嗟に危害を加えたり、突然の誘惑に衝動的に応じてしまったり、断片的な情報から偏見や思い込み、固定観念を抱いてしまったりする。

 

ときとして自分でも唖然とするような行動をとらせるのだ。 

 

{かなり横道}

本筋に関係のないまったくの余談。某銀行内のATMで現金を引き出そうとしたときの話。

 

数字や人名を記憶する自分の能力に疑問を持っているので、複数の暗証番号はすべて同一にしている(正しい判断)。リスク面でひじょうに問題らしいが、大きなお世話である。使用頻度の高い某銀行の(おせっかいな)ATMが「暗証番号がずっと同じで危険だから変えろ」と毎回脅すので、魔がさしてそのカードだけ別の暗証番号に変えた(誤った判断)。次にATMを訪れたとき、案の定、変更したのをすっかり忘れて元の暗証番号を入れたら「違うやり直せ」という。「あ、そうだ!変えたっけ!」と思い出したはいいが、どう変更したのか全く記憶にない。適当に息子の誕生日かなんかを入れたら「違うやり直せ」。次にまた適当な数字を入れたとたんに「ブーーーッ! ブーーーッ! ブーーーッ!」 度外れたブザーの大音響が、銀行内の全員を驚愕させた。

 

「ハウア!?!」と気づくと、横浜銀行前の歩道につっ立っている自分を発見した。自己防衛ホットシステム発動で、銀行内から認知外超行動により瞬間移動してた。しばらくして「きっと拾ったカードだったんだよ、ったんだよー」という幻聴脳内エコー。

カード再発行手続きがエライコッチャだった(咽び泣

 

 

クールシステム(前頭前皮質)

 

クールシステム(先頭前皮質)は、脳の中でいちばん進化した領域で、ホットシステム(大脳辺縁系)と密接に相互接続され、複雑な機能を有している。理性的、認知的で、思考、行動、情動を調整し、想像力や創造性を生み出す。ロジカルで思慮深く、ゆっくりと活性化する。マシュマロ実験て突き止められたように、未来志向の意思決定や自制の努力には欠かせない役割も果たす。

 

興味深いのは、人が誘惑に直面した状況では、ホット(大脳辺縁系)&クール(先頭前皮質)を司る、二つの脳の部位が同時に活性化しているという。

 

一方で、さまざまなストレス研究では、強く長期的なストレスや、急性の制御不能なストレスは、クールシステムを司る前頭前皮質の認知的能力を急速かつ劇的に減少させる原因となる、と結論づけている。ストレスが長引くと、認知的能力が損なわれ、やがて永続的なものに変わり、さいごには心身両面の疾患発症につながる。

 

慢性的なストレス下にある脳の構造は、文字通り「改造」されてしまうことが証明されている。具体的には「前頭前皮質」と記憶の中枢「海馬」が萎縮を始め、逆にホットシステムの核心にある扁桃体が過度に拡大する。この段階で、クールな思考が不可能となり自制も効かなくなる。さらにストレスが長期化すると扁桃体が萎縮に転じ、正常な情動的反応もできなくなる。

 

強く慢性的なストレス状態にあると気づいたら、ただちに対策を講じる必要がある。

 

これまでホット&クールシステムの機能について書いてきたが、人生にマイナスの影響を及ぼす可能性が高いのは「ホットシステム」ということが分かる。ホットシステムの優位性は、野生生活を送っていた原始時代には有効に機能した。しかし現代においては、初期設定の反射的反応により、愚かな選択や衝動的行動に駆り立てられ、その結果人生の質を暗転させてしまうこともある。

 

次にそれを回避するための方法について解説する。

 

自分のホットスポットを突き止める

 

自分のホットシステムがどのような場面で素速く活性化するのかに注目する。自分が衝動的な行動をとってしまうとき、直面した誘惑に負けてしまうとき。自分のホットスポットを知ることで、コントロールを可能にする。(続く)

昨年から連載形式でいくつかのテーマについて書いている。が、ほとんど宙ぶらりん状態のまま途絶えている。

最近のテーマでは「ナルシシズム(narcissism)」「恋愛感情と生涯のパートナー」「生まれか育ちか」「自分を知るということ」といったあたりだが、一応終了と思しき記事は「生まれか育ちか」(読み返したが書き直す)一つのみ。次々に別のテーマに手をつけるのは本当に悪い癖である。癖というより性格。。

ブログをもっと遡れば、途切れたままの連載記事がポロポロ見つかるのが分かっているので、怖くて振り向かない。

 

しかし上記の4つの記事は、私にとっては今後のカウンセリングの方向性に関わる重要なテーマでもあるので、ぜったい逃げずにきちんと最後まで書こうと決めた。なんの決意発表?

 

 

ところで、「私」「自分」「己」という存在について、己を覗き込むようにじっくりと向かい合っていると、そのうちに「自分って何者?なぜここに?何のために?」といったような、ゲシュタルト崩壊的な認知の混乱が起きる(ことって、ないですか?)。 たったひとり、暗黒宇宙に放り出されたような超絶孤独感。

 

家族とか、友人知人とか、生物とか、国家とか、地球とか、波動とか粒子とか、銀河系とか、馬頭星雲とか、暗黒物質とか、苦しみながら生きている意味とか。

厨二病思考ともいう。

 

 

自分が自分であることを何によって確かめるのかというと、これまでの経験、つまり記憶だ。遠いむかし物心ついた頃の自分と現在の自分がつながっているという現実感覚は「連続している(と認識する)自分の関わったエピソード記憶」によってほぼ成り立っている。

 

一方で、自分の過去のエピソード記憶を、どんなに鮮明に憶えていても、思い出すたびに脳によってさまざまに上書きされることには気づかない。

数年前のエピソードで、そのとき誰が何と言ったか、その場でのリアルな会話を詳細に覚えているケースなど、逆に脳の勝手な脚色によって演出されていることが多々ある。

同じ現場にいた人々の目撃証言がそれぞれ食い違うのはよくあることで、証言者は嘘をついているのではなく、脳の解釈が介在することで想起される光景は個別に異なる。記憶に客観性はない。

 

したがってマインドコントロールや強い暗示によって、自分や他者の記憶を書き換えることも可能となる。

 

キャッチしたあらゆる出来事や情報に、意味づけや解釈、理由づけを行なっているのは左脳の言語システムである。左脳の言語システムが働かなければ、自分に個性や人格を見いだすことはできない。主に本能と情動と六感によって生きるシンプルな動物となる。それはそれで幸せなのかもしれないが。

 

といったわけで、人を人たらしめている左脳ではあるが、知的で思慮深い反面、想定外や不意打ちに弱く、出しゃばりですっとぼけでヤケクソ自己正当化も辞さない、なかなか面白い奴になる。

 

同じ人間の分断された左脳と右脳に、個別に将来何になりたいかを尋ねると、左脳君と右脳君とでは将来への希望が違うのである。

左脳君「製図家」 右脳君「カーレーサー」  ヾ(-_-*) オイ

 


左脳と右脳のもつ面白い性質は、↓こちらの記事にあるので興味のある方はどうぞ。

 

脳に投影される世界(1)

https://ameblo.jp/cocoroki/entry-11367906790.htm

 

脳に投影される世界(2)

https://ameblo.jp/cocoroki/entry-11369866303.html

 

脳に投影される世界(3)

https://ameblo.jp/cocoroki/entry-11373078972.html

 

脳に投影される世界(4)

https://ameblo.jp/cocoroki/entry-11375718348.html

 

脳に投影される世界(5)

https://ameblo.jp/cocoroki/entry-11377285736.html

 

脳に投影される世界(6)

https://ameblo.jp/cocoroki/entry-11378964364.html

 

ロジャー・スペリーの「分割脳実験」 

https://ameblo.jp/cocoroki/entry-11369866303.html

 

 

何だか話がとっ散らかってしまったが、ガタついた左脳を使って無理やりまとめよう。

 

人は常日頃から「自分」の存在を疑わず、どのような局面においても一貫した同じ自分であると認識している。

しかしよくよく人間を、外部からも内部からも観察し、脳の仕組みを最新の設備や技術を駆使してあれこれ研究する過程で、誰もが普通にもっている「自己認識」を大きく覆すデータが続々と集まってきている。

 

ひとことで言えば「一貫した自分などこの世のどこにも存在しない」ということだ。

 

たとえば人が、何かをしたり何かを好きである理由や、物事に対する解釈・意味づけ・自己正当化をしようとするとき、『左脳のインタープリター装置(言語システム)』(心理学者・認知神経科学者マイケル・S・ガザニガ命名)が、常に作動している。そのシステムは「私は一貫性を持つ統一された意識体である」という秩序(幻想)を作り出すために機能する。つまり「一貫性を持った自分」というのは、自分が自分に仕掛けた錯覚とも言える。

 

人間という動物が、いかに簡単に感情に振り回されるか、いかに他者との関係性によって人生までもが大きく影響されるか。

出来事をどう受け止め、誰とどう関わるかで「自己」は簡単に変化する。

言い換えれば、脳味噌も心も身も可塑性に富んでおり、うまく扱えばコントロールできる。

 

私自身もそうだが、多くのクライアントの皆様も、ご自身の想像を超えて、ご自身や人生が変化し得ることを実体験されている。

変化に必要なものは、変わりたい、変わる、という強い意識とちょっと変えた行動、一人か二人の理解者または信頼する人だけ‥でよい。

 

コロナ禍によって、心身へのダメージだけではなく経済的にも苦しい状況の人々が大勢いらっしゃると思う。

罵っても不貞腐れてもOK,、無機物に怒りをぶつけて発散しつつ、行政やその他の機関利用できるものは利用し、人に頼り、何とか今の状況を凌いでいただきたい。そして1日に一回、工夫してちょっとした楽しみを。

今は先が見えない方も、森羅万象、確実に状況は変化し続けており、その先に道は続いているので。

この前の記事「自分を知るということ」を読み直し、軽薄な表現について一部加筆修正をした。

私の情動的かつ衝動的なホット脳から出力された文章を、人並みはずれてスロースターターのクール脳が遅れてツッコミを入れてきた。なんせどちらも旧バージョンなので両方のシステムがうまく連動していない。

 

複雑な説明が必要なときに、分かりやすくするため実例を挙げて解説を試みる場合があるのだが、逆に表層的、類型的になってしまう。けっきょく個人への判断材料となる知識不足から生じる、私の偏見に基づいた解釈に過ぎない。

人は振る舞いにおいて一貫性を保ち難く、状況によって全く別の思考・行動をとる。

自分で自分が分からない‥‥ほど難解にできている。

今後はたとえ公人であっても、個人について言及することはできるだけ控えようと思う。

 

 

話を戻し、「自分を知る」自己認識のとっかかりとして、脳の「二つの思考システム」から説明する。

 

「二重過程理論」は、主に心理学の分野で1960年代頃から始まり、いくつもの実験研究の積み重ねによって得られた知見である。これは2,000年代に入ってからは脳科学によっても裏付けされ、各分野での複合的な研究考察が続けられている。研究者によってそれぞれ方向性や目的は異なるが、その基盤となっているのは「二重過程理論(脳の二つの思考システム)」である。

 

「二つの思考システム」は、その可動プロセスが個々人によって多様かつ複雑に異なることがわかっている。

 

ホットシステム&クールシステム

 

有名な研究の一つに1960年後半に行われたウォルター・ミシェルのマシュマロ・テストがある。

 

スタンフォード大学付属・ビング保育園での実験

被験者の未就学児(4歳〜5歳)は、一人づつ一組の椅子と机が置かれた部屋(サプライズ・ルームと呼称)に通され、椅子に座るよう促される。机にはマシュマロ(その他クッキーなど)1個をのせた皿とベルだけしか置いてない。

 

一心にマシュマロを見つめる子どもに、実験者(すでに幼児たちから信頼を得ている)は「私が戻ってくるまでの15分間そのお菓子を食べるのを我慢したら、もう一つマシュマロをあげる。私を待ちたくなければベルを鳴らして。でも、ベルを鳴らしたりマシュマロを食べてしまったら、もう一つのマシュマロはもらえない。」といって部屋を出る。部屋に実験者が戻るまでの15分間、子どもの様子をモニターで観察する。

 

子どもたちは、さらなる報酬を手に入れるため、目の前のマシュマロの甘い誘惑にいかに抵抗するのか。ついには誘惑に負けてベルを鳴らしマシュマロを頬張る子もいれば、マシュマロから注意を逸らすためのさまざまな工夫によって誘惑を退け、実験者が戻るまで我慢し通し、二つのマシュマロを手に入れる子もいる。

 

その後1970年代まで、同じ手法の実験が何回にもわたって行われた。子どもたちがもう一つのご褒美を手に入れるため、さまざまな涙ぐましい奮闘によって「食べたい!」という誘惑から注意を逸らす様子は、モニター観察者を大いに感動させ、そして暖かな笑いを誘う。めちゃ可愛い。

 

一連の実験は、「即時の報酬:一つのマシュマロ」を選択させる脳と、「先延ばしにした、より大きな報酬:二つのマシュマロ」を選択させる脳、二つの異なるプロセス経て決定を下す脳のシステムの存在を明らかにした。

さらに2010年には、先延ばしの報酬を待つことを選択させる脳領域を、より正確に特定することができた。

 

ミシェルは二通りの脳の思考過程を「ホット(な情動)システム」「クール(な認知)システム」という表現を用いた。(続く)