『モンテ・クリスト伯』 | すべてはうまくいっている! 光と心の調和

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横浜の心理カウンセラー ロキのつぶやきブログ。
その人がその人らしく
『生まれてきてよかった!」
と思える人生のために。

映画もそうだが、小説のなかにも、どうしても批評の対象にできない作品というものがある。あーだこーだいっても、やっぱり(自己内比)ぜったい最高! としか言いたくない

誰でも、たとえ私と正反対の理性的・論理的な知性人であっても、理屈抜きのウィークネスというのはあるのではないか。

数日前に寝そびれて、久々にモンテ・クリスト伯(岩波版全7冊)を読み始めたらもう止まらなくなった。
もちろん大学生の居候はその間自炊さ ヾ(- - ;)オイ

もう数十、いや数百回は超えている ?ほど読んでいるが、今回も仕事外の時間をほとんど費やし、まさに寝食を忘れてぶっ通し3日間で読み終えた。

アレキサンドル・デュマという巨漢大食漢の破天荒オヤジは本当にすごいと思う。『モンテ・クリスト伯』『ダルタニアン物語』『鉄仮面』『黒いチューリップ』ざっと思い浮かぶ全てが面白すぎる。

 
でも、やっぱりダントツでモンテ・クリスト伯なのよ。
 
私がはじめてモンテ・クリスト伯に出会ったのは中学1年のときだった。
夏に日傘をさして近所の買い物に行くような父から『巌窟王』と『ゼンダ城の虜』は面白いよと薦められ、まあ絶対つまらんだろナと思いつつ4cmほどもある分厚いダイジェスト版『巌窟王』を買ったのが、終世の愛読書となるはじまりだった。
 
立て続けに3回繰り返し読んだあと、登場人物を片端からイラストに描いてほくそ笑んでいた。とりわけ丹念に書いたモンテ・クリスト伯が理想の男性像になった。思春期のはじめ、この物語によって人間のさまざまな型を学んだと思う。
 
ほとんどの翻訳は読んでいると思うけれど、山内義雄完訳の岩波版が気に入っている。まだ未読の方はAmazonでレビューを読んでいただければだいたいのストーリーは分かると思うが、前知識なしで読み始めた方がいいかもしれない。ふだん人に本は薦めないが、これは別。
 
 

すべてにスケールのでかい、著者アレクサンドル・デュマについての解説はこちらが面白い。ttp://tanizokolion.fc2web.com/dumas.html

 
 

たしか河合隼雄が子どものころ夢中になって読んだのが『巌窟王』だった。ずいぶんと影響を受けたらしい。主人公モンテ・クリスト伯が最後旅立つ前に言い残した台詞が、いまの自分の仕事そのものである・・・と、どこかで語っていた。


「(略)わたしのあなたへの行動の真諦をお知らせしましょう。それは、この世には、幸福もあり不幸もあり、ただ在るものは、一つの状態と他の状態との比較に過ぎないということなのです。きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができるのです。マクシミリヤンさん、生きることのいかに楽しいかを知るためには、1度、死を思ってみることが大切です。(略)そして、主が、人間に将来のことまでわかるようにさせてくださるであろうその日まで、人間の叡智はすべて次の言葉に尽きることをお忘れにならずに。

『待て、しかして希望せよ!』

(岩波文庫/山内義雄訳)

 
「待て、しかして希望せよ!」あまりにも有名な台詞。
何を希望するのかは人それぞれだけれど、何も見えない真っ暗闇の中に居てもがすべてではないことは身を以て知っている。
 
 
 
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今日も豊かな一日でありますように!