『境界性パーソナリティ障害』(1) | すべてはうまくいっている! 光と心の調和

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境界性(ボーダーライン)パーソナリティ障害
 

境界性パーソナリティ障害については、たぶん興味のある方は、専門家はだしの知識をお持ちではないかと思う。
 

そうして、詳しい方は、たいてい家族や知人友人、会社の同僚など、身近にそれらしき人がいて、彼らから少なからず精神的な影響を受けたことがあるのではないだろうか。

以前は、境界(ボーダーライン)というと、精神病レベルと神経症レベルの「境界」という、かなり広く曖昧な領域を指していた。

ちなみに、
「精神病」というのは、脳という臓器の病気である。したがって、通常は症状に見合った薬と休養によって治る。

一方、
「神経症」​​​​​​​というのは、病因が器質(脳という臓器)的なものではなく、様々なストレスから生じた心因による病気である。神経症は病院に通って薬を飲み続けても、ものの考え方や環境、心理的問題が改善されない限り寛解することはない。


最近では、境界性パーソナリティ障害は精神病と神経症の「境界」というより、かなり狭い意味で定義されている。


DSM(精神疾患と分類の手引き )で規定されている「パーソナリティ」とは人格という意味合いよりも、社会的な認知パターンと いう意味合いが濃い。つまり「物事の関係性をどうとらえるか、どう考えるか」そのクセのこと、いわゆる「個性」。


言い換えると、個性の強すぎる人がパーソナリティ障害の範疇に入ってくる。つまり、偏りの度合いが平均より激しすぎる人。あまりに普通と違うので、本人も生き辛い し、周りの人たちもそれによって迷惑をこうむる。それを「性格の偏り」と表現する場合もある。

しかしながら現状は、治療者によっては、対処が困難な他の疾患(他のパーソナリティ障害、双極性障害、発達障害など)もすべて「境界性(ボーダーライン)」と診断するなど、未だ混乱した状況にある。


現在国際的に共通して使われている診断基準は、アメリカのDSM-IV-TR(精神疾患と分類の手引き 新訂版)。

 

 

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↓おなじみ、DSM-Ⅳ-TR(精神疾患と分類の手引き )より

『境界性パーソナリティ障害』
対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性のの広範な様式で、成人期早期まで始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される

(1)現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする
   なりふりかまわない努力
   注:基準5で取り上げられる自殺行為、または自傷行為は
     含めないこと。

(2)理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけ
   られる、不安定で激しい対人関係様式。

(3)同一性障害:著名で持続的な不安定な自己像または自己感

(4)自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域に
   わたるもの。(例:浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、
   むちゃ食い」
   注:基準5で取り上げられる自殺行為、または自傷行為は含め
     ないこと。

(5)自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し。

(6)顕著な気分反応性によう感情不安定性(例:通常は2~3時間
   持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に
   起こる強い不快気分、いらだたしさ、または不安)

(7)慢性的な空疎感

(8)不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしば
   かんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いの喧嘩を
   繰り返す)

(9)一過性のストレス関連性の妄想様観念またはまたは重篤な乖離性
   症状

 

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次に、私が親しく関わった方とのエピソードによって、『境界性パーソナリティ障害』の具体例を示したい。今回いろいろ調べたことで、あらためて境界性パーソナリティ障害について深く理解することができたように思う。


今から十数年ほど前、Aさん(女性)と関わったことで、私は混乱と自己嫌悪と罪悪感と怒りと悲しみによって大きなダメージを受けた。人間の心の深淵を実感した初めての経験だった。

当時「境界性パーソナリティ障害」の知識はなく、結局逃げるように距離を置き、離れてから3ヶ月後、Aさんはクリニックで「境界性人格障害」との診断を受けた。


Aさんとは、その後紆余曲折を経て、現在では適度な距離を保ち穏やかな親交を継続している。(つづく)

 



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