前回は心理学の概要と分野についてお話ししました。

 

今日は心理学の歴史について簡単にお話しします。

 

 

 

心理学の原点は哲学思想

 

心理学のはじまりは、古代ギリシア時代までさかのぼります。

 

ギリシアの哲学者であるソクラテスは、人間の魂について考えました。

 

それまでの哲学者は主に自然を対象にしていたため、人間の魂(こころ)を考えの対象にしたソクラテスは心理学の創始者といえるかもしれません。

 

そのソクラテスの弟子のプラトンは、私たちのいる現実世界とは別に、直接認識のできない理想の世界(イデアという)があると考えました。

 

そして、人の魂は肉体とは独立して理想の世界に存在すると主張しました。

 

要は心と身体を別の存在として考えるという事です。

 

この考え方は、心身二元論、物質二元論、実体二元論、単に二元論などとよばれています。

 

二元論は身体と独立して「こころ」が存在するという考え方です。

 

それに対して哲学者アリストテレスは、身体と心は分離できない一元的なものと考えました。

 

心と身体は同じ存在として考えるのか、それとも別の存在として考えるのか、うーん、哲学的ですね。

 

 

心理学の原点は魂(こころ)の在り方についての、哲学的思想だったといえます。

 

そのため、現在でも心理学は哲学に分類されることもあります。

 

 

 

現代心理学は1879年に誕生した

 

1897年にドイツ・ライブチッヒ大学の哲学科教授ウィルヘルム・ヴントが初めて心理学実験室を設立しました。

 

それまでは哲学の一分野としか見られていなかった心理学が、新しい学問分野として認められました。

 

これが現代心理学の始まりといわれています。

 

この功績によってヴントは「心理学の父」と呼ばれています。

 

20世紀になると、心理学は発展し、ドイツのウェルトハイマーらによって「ゲシュタルト心理学」が登場します。

 

そしてオーストラリアの精神科医のフロイトによって、無意識の概念や精神分析学が提唱されます。

 

さらにフロイトの弟子である、スイスの医師ユングによって無意識は個人的無意識と集合的無意識に分けられました。

 

ゲシュタルト心理学、心理学者のフロイトやユングは有名ですよね。

 

その後も多くの心理学者が理論を提唱し、確立させていきましたが、その辺りは別の記事でお話しさせていただきます。

  



とりあえず、簡単な心理学の歴史は古代ギリシア時代の哲学に始まり、1879年にヴントによって学問として認められ、今日の心理学に繋がっている、と考えていただければ良いと思います。

 

21世紀に入った今も、心理学は学問としての幅を広め、あらゆる分野で活用されています。

 

心理学の歴史を学ぶことで何かしらのヒントがあるかもしれません。

 

皆さんがより良い人生を送れますように。