「誕生色(*)」とは、
生まれた季節にふさわしい和の色。
9月の誕生色は、
「恋路十六夜(こいじいざよい)」
~月冴える頃の朝露の山葡萄の深い紺色~
ご縁あって読んでいただいている
9月生まれの方に、誕生色の言葉を
借りて、色からの連想を贈ります。
秋に熟して咲き匂う山葡萄。
葉も美しく紅葉するそうです。
暑さの盛りを過ぎ、季節の変化を
色や匂い、味でも感じる9月。
「恋路十六夜」は、天に月が冴える頃の
夜空がたたえる色とも…。
秋に熟す山葡萄の実は、黒紫色。
月明かりを通して見る空は、濃紺。
どちらにしても奥深さを感じる色ですね。
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私のイメージする
「恋路十六夜(こいじいざよい)」の色は…、
◆飾らずに艶やかに照り輝く色。
◆きりっと締まった重みのある色。
◆静寂な空間に自然に溶け込む色。
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十六夜は、十五夜の翌日の
真円から少しだけ欠けた月。
「いざよう」は、進もうとしても
なかなか進めない、ためらう意味
があり、満月より月の出が少し遅い
様子を「月がためらっている」と
して十六夜を「いざよい」と読む
ようになったんだとか…。
静寂の夜空に欠け始めた月。
宝石のごとく朝露に輝く房の実。
想い、とまどい、慕う心。
「恋路十六夜」からは、移ろいながら、
色艶を増していくような色合いを感じます。
9月生まれの方、おめでとうございます。
素敵な色に染まる1年をお過ごしくださいね。
(*) 『誕生色』とは
新潟県の十日町織物工業協同組合が
1981年に制定した12ケ月の季節の色。
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