【感想】
私は昔から徹子さんファンで、原作の『窓ぎわのトットちゃん』もお母様の朝さんの著書も殆ど読んでいるのですが、このアニメもすごくいい映画でした。
私たちはテレビのお笑いの影響なんかもあって、傷ついている時でもジョークにしたり笑ってごまかす(面白さを優先する)癖がついているけれど、トモエ学園の小林先生は人を小馬鹿にするような物言いを絶対してはいけないと担当の先生に諭していて、心に残りました。
(みんな小さな頃は知っていたように思う)
一緒に木登りをした小児麻痺のやすあきちゃんがトットちゃんに渡した黒人奴隷の本…。ザ・ベストテンで子どもがシャネルズに対してだったか『黒人のくせに…』と言ったことに徹子さんが『“◯◯のくせに”なんて上から物を言うような話し方をしないでください!』と注意していたのを思い出しました。
徹子さんの天真爛漫さの隙間にはヒヨコ・やすあきちゃん・愛犬の死があり、世の中が戦争に染まって食べ物も顔見知りの人も居なくなっていく様子が描かれています。健康と病弱、生と死、平和と戦争、豊かさと貧しさ… 光と影のコントラストを感じさせます。
髪が伸びて三つ編みにしているトットちゃんが、やすあきちゃんの葬儀の教会を出て、街を駆け抜けトモエ学園に戻る時に目にする風景が余りにも悲しくて、映画館で観ている人達からすすり泣く声か聞こえました。私も涙が出てきました。
戦争が激しくなって物資が無くなった頃、私の父が生まれた年でもあります。
映画はトットちゃんが素晴らしい先生やお友だちと出会った話でもあるけど、平穏な日々が消えて戦争に染まってゆく悲しさも描かれています。
映画終了後、すすり泣いていた方向を見たら小学生の女の子(5年生くらい?)が3人で観に来ていました。冬休み、年末の映画鑑賞。どんなことを感じたのでしょうか。
私も年末に映画館で観るなんて、今まで全くなかったのですが、いい過ごし方が出来ました。
この映画、おすすめします
【徹子さんのコンサート】
【読んだ本のはなし】