『なんぞころびやおき さいはひよいち篇』(30・最終回) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき さいはひよいち篇』


(30・最終回)


峠杣一日・著


「間も無く~いふのもり、いふのもり~。

降り口は、進行方向左側の扉が開きます」


小春日和(こはるびより)の心地好さに微睡(まどろ)んでゐたお冥(おみゃう)が、車内放送で目を覚ます。


隣のお咲(おさき)、向かひ席のお妖(おえう)、お卅美(おみみ)もはっと目覚めて、互ひに小さく吹き出す。


改札口を出て大きく深呼吸、背伸びなどしてゐる後ろを、特別急行(とくべつきふかう)が通過した。


豆鼕列車(でんぽっぽ)であったが、四人ともそれに氣付く事は無かった。


門前町(もんぜんまち)を過ぎ鎮守の社(ちんじゅのやしろ)に差し掛かると、社頭(しゃとう)に手を合はせる和装(わさう)の翁(おきな)が一人。


そっと会釈(ゑしゃく)して、境内(けいだい)を抜ける四人。


喫茶(きっさ)・よもつかがみに到着、と矢庭(やには)に引き戸が開いた。


飛び出す勢ひの店主綾芽(あやめ)が、四人とぶつかりさうになる。


綾芽の手には最前迄(さいぜんまで)居たお客の忘れ物、大層(たいそう)古びた一冊の本。


表紙の文字も擦(かす)れてゐるが、さいはひよいち、と読めさうである。



【良い子の皆の合言葉を唱へよう♪】


〽️

いやさかえ

いのちいやちこ

さいはひよいち

まほらとこいは

みつのたま


南無あれかし大明神

南無あれかし大明神

南無あれかし大明神


『なんぞころびやおき さいはひよいち篇』

をはり。


それでは皆々様、好い年をお迎へ下さい。


令和五年 十二月卅一日。

あれかし山 峠杣舎 峠杣一日識す。