『なんぞころびやおき さいはひよいち篇』⑬ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき さいはひよいち篇』 



峠杣一日・著


花吹雪(はなふぶき)の中、笹媛お亀(さひめおかめ)と五本松三火(ごほんまつみほ)の熱唱(ねっしゃう)が春めきを謳歌(おうか)してゐる。


そんな演歌(うた)の会場(くわいぢゃう)に、マドーを追ってやって来たお冥(おみゃう)。


はて、マドーは何処(いづこ)。


「お冥、向かふに綿飴(わたあめ)屋があるよ!

好きでしょ!」


視界を遮(さえぎ)って現れ、ぐいぐいとお冥の袖(そで)を引っ張るお妖(おえう)とお卅美(おみみ)。


「何だよ、今マドーを捜(さが)して……!!」


二人を振り払はふとしたお冥の目が、客席に圓彦(まどひこ・マドー)を見付けたが……。


「な!

何であの女と?!

バカな!!」


圓彦の隣席(りんせき)には、白鷲天狗(しろわしてんぐ)の媛君(ひめぎみ)お幽(おいう)が居(ゐ)た。


「見付けちゃったかぁ……って、いや!

あれは他人の空似(そらに)、そっくりさん達だよ、きっと!」


「うん!

二人ともホント似てるけど!

でも、違ふ人だよ!

マドーでもお幽でも、きっとないわ!」


お妖とお卅美が満身(まんしん)の力でお冥を引き摺(ず)って行(ゆ)かうとする。


しかし、不動の山塊(さんくわい)と化(くわ)したお冥は既(すで)に鉤手裡剣(かぎしゅりけん)を構(かま)へてゐるのだった。


恋は自(おの)づから(ほしい)、愛は自(みづか)ら(あげる)、表裏一体(へうりいったい)。


生命の核心(かくしん)、春の氣吹(いぶき)なのだ。



【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】


〽️

いやさかえ

いのちいやちこ

さいはひよいち

まほらとこいは

みつのたま


南無あれかし大明神

南無あれかし大明神

南無あれかし大明神


つづく。