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峠杣一日・著
「地球よ!
我が望みを喰(く)らふがよい!
俺様以外、全員死刑っ!!」
邪悪頑闇梟鏡兄弟(じゃあくがんあんけうきゃうきゃうだい)の梟焰砲(けうえんはう)が、自(みづか)らの喙(くちばし・砲口)をも破壊しながら火を吹く。
その真正面には、常磐祝詞(とこいはののりと)の奏上(そうじゃう)を終へた竃火平霊太子(へひへひたいし)。
両手に掲(かか)ぐ金色(こんじき)の大麻(おほぬさ・祓串)からぬうっと黒い影が滑(すべ)り出たかと思ふと、あっと言ふ間も無く梟焰砲と化した焰星(ほのほぼし・火星)よりも巨(おほ)きく広がった。
謎の黒い影を前に、梟焰砲から射出(しゃしゅつ)された渾身(こんしん)の超絶腐れ眼弾丸(てうぜつくされめだま)が停止。
蛇に逢(あ)ふた蛙(かへる)の如くに固まったかと見るや、忽(たちま)ち逆再生フィルム宜(よろ)しく梟焰砲の喙に呑(の)み込まれた。
時空も拉(ひしゃ)げんばかりの、スローモーションのやうに展(ひら)く一瞬の閃光(せんくわう)。
はっと氣付けば、あれ不思議。
何事も無い元の姿に戻った焰星が、宇宙のしじまに浮かんでゐる。
はて、梟鏡磐(けうきゃういは)があった所に瀕死(ひんし)の梟が二羽……兇頑(きょうがん)と兇闇(きょうあん)だ。
「ふほう、バカナ……」
彼等を見下ろす黒い影の正体に氣付き、驚愕(きゃうがく)する。
死に神だ!
何と竃火平霊太子が招喚(せうくわん)したのは、此(こ)れまた久々登場、死に神さんであった。
【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】
いちよあれかし、さいはひよいち。
まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!
つづく。