『なんぞころびやおき 天球旅情篇』(48) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 天球旅情篇』

(48)

峠杣一日・著

「地球よ!
我が望みを喰(く)らふがよい!
俺様以外、全員死刑っ!!」

邪悪頑闇梟鏡兄弟(じゃあくがんあんけうきゃうきゃうだい)の梟焰砲(けうえんはう)が、自(みづか)らの喙(くちばし・砲口)をも破壊しながら火を吹く。

その真正面には、常磐祝詞(とこいはののりと)の奏上(そうじゃう)を終へた竃火平霊太子(へひへひたいし)。

両手に掲(かか)ぐ金色(こんじき)の大麻(おほぬさ・祓串)からぬうっと黒い影が滑(すべ)り出たかと思ふと、あっと言ふ間も無く梟焰砲と化した焰星(ほのほぼし・火星)よりも巨(おほ)きく広がった。

謎の黒い影を前に、梟焰砲から射出(しゃしゅつ)された渾身(こんしん)の超絶腐れ眼弾丸(てうぜつくされめだま)が停止。

蛇に逢(あ)ふた蛙(かへる)の如くに固まったかと見るや、忽(たちま)ち逆再生フィルム宜(よろ)しく梟焰砲の喙に呑(の)み込まれた。

時空も拉(ひしゃ)げんばかりの、スローモーションのやうに展(ひら)く一瞬の閃光(せんくわう)。

はっと氣付けば、あれ不思議。

何事も無い元の姿に戻った焰星が、宇宙のしじまに浮かんでゐる。

はて、梟鏡磐(けうきゃういは)があった所に瀕死(ひんし)の梟が二羽……兇頑(きょうがん)と兇闇(きょうあん)だ。

「ふほう、バカナ……」

彼等を見下ろす黒い影の正体に氣付き、驚愕(きゃうがく)する。

死に神だ!

何と竃火平霊太子が招喚(せうくわん)したのは、此(こ)れまた久々登場、死に神さんであった。


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

つづく。