『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』(26) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』

(26)

峠杣一日・著

そんな或(あ)る日。

つぶら天狗(てんぐ)の圓彦(まどひこ)が夜空を眺めて居ると、満天の星のひとつが危険を知らせる明滅(めいめつ)を示(しめ)した。

然(さ)もあらん、先刻(せんこく)から禍々(まがまが)しい気配(けわい)を感じ取って居たのだ。

や、怪(あや)しい人影がひとつ、気配は奴(やつ)だ!

いかん、沖柱力研究所(ちゅうちゅうりょくけんきうじょ)へ向かって夜陰(やいん)に紛(まぎ)れて走って行(ゆ)くぞ。

「待て!」

圓彦が走り寄ると、すらり白刃(はくじん)を閃(ひらめ)かせる影。

火花を散らして斬(き)り結んだ両者は、ぱっと離れて対峙(たいぢ)した。

ひょろりとした謎の影、ぼさぼさのざんばら髪に紫色の梟(ふくろふ)の仮面を着(つ)けて居る。

「ええい、邪魔(じゃま)を入(い)れるな!」

地鳴(ぢな)りの様な不穏(ふをん)な声が、圓彦の鼓膜(こまく)を乱打(らんだ)する。

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【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか。

南無、あれかし大明神!

つづく。