『なんぞころびやおき 女神御前篇』(28) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 女神御前篇』

(28)

峠杣一日・著

虫取り網を手に宙に浮く小蛇娘(ころちむすめ)のお嶺(おみね)を、予期せぬ事態に口ぽかん、唖然(あぜん)として眺める一日翁(いちにちをう)達。

はっと視線に氣付いた小蛇娘(ころちむすめ)のお嶺(おみね)、双方(さうはう)凍(い)て付く永遠とも感じらるゝ一瞬。

お嶺(おみね)が、決まりが悪さうにえへゝと笑ひ…。

「わあい、逃げろっ。
だるまさんがころんだっ!」

虫取り網をほっぽり出して雲路(くもぢ)を走ると、はたと時間が動き出した。

「ちょゝゝっとあんた達、あれ捕まへてっ!
とっとゝ月虹豆鉄砲(げっこうまめでっぱう)!」

螢火のお総(ほたるびのおふさ)がびしっと号令(がうれい)を掛けるが、豆鼕翁(とうゝゝをう)も一日翁(いちにちをう)も余一(よいち)も前(さき)の氣剣術(きけんじゅつ)の痛手(いたで)でへろゝゝ、あたふたずっこけ透かしっ屁(すかしっぺ)、豆鼕変化(とうゝゝへんげ)も無理。

「はあっ?!
此の、すかたんトリオがっ!」

そんな喜劇(きげき)なあれかし山の頂(いたゞき)を尻目(しりめ)に、小蛇娘(ころちむすめ)のお嶺(おみね)は一目散(いちもくさん)に山を離れようとしてゐたのだが…。

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つゞく。