『なんぞころびやおき 女神御前篇』
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峠杣一日・著
父×母=子
常の理(とはのことわり・永遠の理)は、三つ子の魂なり。
三つ子の魂が育まれてゐる事が、幸せである。
三つ子の魂が乏しいと不幸せに呑まれ、ともすると悪魔や敵を設定して憂(う)さを晴らさうともし兼ねない。
其れこそ迷ひの大蛇(まよひのをろち)の思ふ壺で、諸悪の根源である。
父×母=子
無×空=相
人世(人生)の始めの空(くう)を女神信仰(めがみしんかう)、
人世(人生)の結びの無(む)を神武理念(じんむりねん)、
とした現し世(うつしよ)が人世(人生)の現実の相(さう・ありさま)である。
そして其れは、家の命を生きる私達の生命と現れてゐる。
喩(たと)へるなら、友人や隣人が女神信仰の繋(つな)がり、親族と家の命が神武理念とも言へよう。
また、人世(人生)の最小単位は家であり、最大単位は国家であり、国家を通しての国際社会がある。
人世(人生)には其の礎(いしずゑ)となる指針(しゝん)、常の理(とはのことわり)の人世観(人生観)が必要不可欠であるのだ。
おっと、四輪駆動(よんりんくどう・4WD)が一台、力強く姫山(ひめやま)の山道を登って行く。
豆鼕翁(とうゝゝをう)の姪っ子(めひっこ)お豊(おとよ)の豆鼕変化(とうゝゝへんげ)、豆鼕四輪(でんゝゝぶうゝゝ)である。
つゞく。