『なんぞころびやおき 女神御前篇』⑧ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 女神御前篇』



峠杣一日・著

達磨嶋毛助(だるまじまのけすけ)は山陰本線揖屋駅(さんいんほんせんいやえき)から列車に乗り、宍道駅(しんぢえき)で木次線(きすきせん)に乗り換へて、今、木次駅(きすきえき)に着いた。

「見届けて御出でなさいよ」

揖屋(いや)の喫茶店・よもつ鏡(よもつかゞみ)で声を掛けて来た老婦人に言はれるまゝ、半信半疑でやって来たのであった。

やがて聞いてゐた臨時列車がプラットホームに到着したのだが、人々は誰も見向きもしない、否(いな)、彼等には列車が見えてゐない様である。

発車の合図にも乗車を躊躇(ためら)ふ毛助(けすけ)であったが、突如弾(はじ)かれた様に列車に飛び乗った。

毛助(けすけ)は、見たのである。

車窓の向かふに、彼(あ)の揖夜神社(いやじんじゃ)の神鏡に現れたもう一人の自分自身の姿を。

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つゞく。