『なんぞころびやおき』(61) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき』

(61)

峠杣一日・著

真っ暗闇にぽかりと穴が開き、ぐんゝゝ大きくなる。

自分自身を呑み込まむばかりの、毛助(けすけ)の大欠伸(おほあくび)である。

もそゝゝと床を出て縁側に胡坐(あぐら)をかき、昇り行くお天道様を眺めてゐる。

「やれゝゝ、お目覚めかいな」

「其れにしても、よく生き廻(めぐ)れたもんだねえ」

様子を見に来た、山刀斎(さんたうさい)と妻のお光(みつ)。

「いやあ、助かりましたあ。
わあはゝゝゝゝ」

何ともけろりとした満面もじゃゝゝゝ恵比須顔の毛助(けすけ)に、思はず釣られ笑ひとなるのだった。

其の笑ひ声に、蓮権現転何(はちすごんげんころびなんぞ)達も又候(またぞろ)釣られてやって来るのであった。

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つゞく。