『なんぞころびやおき』(37) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき』

(37)

峠杣一日・著

一日翁(いちにちをう)が夢の中で黄金大黒天(わうごんだいこくてん)に出合ったのは、不惑(ふわく)に差し掛かる一年前の事であった。

そして一日翁(いちにちをう)の夢から六年後、転何(ころびなんぞ)も黄金大黒天(わうごんだいこくてん)の夢を結んだのである。

其れは、若き日の人生をふはゝゝと漂ってゐた一日翁(いちにちをう)が黄金大黒天に打ち出の小槌(うちでのこづち)で小衝(こづ)かれ乍(なが)らも導(みちび)かれ、漸(やうや)う『扨抑双紙 以千代安礼賀志』を著(あらは)した年でもあった。

転何(ころびなんぞ)の生涯は其処で幕を閉ぢたが、後(のち)に本来の姿、蓮権現(はちすごんげん)としての働きが待ってゐた。

また、一日翁(いちにちをう)の人生は其処から新たな幕を切って落とす事となったのである。

つゞく。