あれかし大明神
~扨抑物語 第二幕 102
峠杣一日・著
百二、
さて、安麻能我波(あまのがは)は金屋子(かなやご)の社(やしろ)に安置された。
また、刀剣の番人は曲玉(まがたま)を持つ者に限られる。
玉と磨(みが)かれた精神を有する者である。
さう、自(みづか)らの氣吹(いぶき)を曲玉に宿して時を越え、ある時は炭焼きの爺の姿を現す熊蔵(くまざう)の様な存在だ。
いづれ、安麻能我波に相応(ふさは)しい者が現れるだらう。
其の時迄、玉峰の老夫婦が代理で務める事となった。
つゞく