『あれかし大明神 (扨抑物語 第二幕 74)』 | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。

あれかし大明神
~扨抑物語 第二幕 74
峠杣一日・著

七十四、

鏡糸(かゞみ いと)は、祖母の御伴(おとも)で大根島(だいこんじま)に来て居(ゐ)た。

中海(なかうみ)を模(も)した池一杯に牡丹(ぼたん)の花が浮かぶ、天上(てんじゃう)の庭園。

老若男女、すっかり福を給(たま)はる。

因みに牡丹、古老が言ふには、

「薬効(やくかう)は根っ子にあり。
大地(牝)にしっかりと根(牡)を下ろす姿は精神の如し。
愛(め)でるは花(丹)なり。
高貴(かうき)なる姿は、一(いち)を咲かせる。
花の神の如し」と。

「立てば芍薬(しゃくやく)座れば牡丹、歩く姿は百合(ゆり)の花。
女(をんな)は門開(かどびら)き、一(いち)の花の心持ちだよ」

趣味のデジタルカメラを構へつゝ、着物姿の祖母が言ふ。

糸(いと)も着物でポーズ、一寸(ちょっと)した晴れの舞台だ。

つゞく