あれかし大明神 番外編
~扨抑の翁、独白
峠杣一日・著
さて、そもゝゝの話。
先(ま)づ、番(つが)ひ(男女)が出来る。
次いで、族(ぞく)(同じ血筋の群れ)が出来る。
そして、種々(しゅゞゝ)の族が集(つど)ひて国(くに)が出来た。
即(すなは)ち、国は祖先の命である。
やがて、国といふ親から其々(それゞゝ)の家(いへ)といふ子が産まれた。
此処(こゝ)に、国家(こくか)が誕生した。
即ち、国家とは親子である。
私達一人ひとりは、家を通して産まれる。
即ち、家の命を通して国家を生きる存在である。
国家のはじめは、精神の目覚である。
精神×肉体=生命
(父×母=子)
(玉×剣=鏡)
(稔×種=花)
故(ゆゑ)に、日本(にっぽん)国家のはじめを伝へ、現(あらは)し続ける天皇は男子である。
太陽は、命を生きる私達といふ鏡(かゞみ)、生命(せいめい)を象徴(しゃうちょう)する。
生命の種(たね)が、花実(はなみ)と咲くが如(ごと)し。
此れが、日本の国体(こくたい)である。
即ち、私達の人世(じんせい(人生))は、此の国体を生き、現す事にある。
此の事を、常の理(とはのことわり(永遠の理))、また、一(いち・ひ)、とも呼ぶ。
国は親であり、家の命を生きる私達は子であるから、自(みづか)らは何もせず国にあれこれ悪態(あくたい)をつく様な駄々っ子(だゝっこ)は論外(投票など)。
国は親、即ち一人ひとりの命・祖先である。
国から何やら毟(むし)り取らむとするのは、自らの命を食ひ破る様なものだ。
『おなかすいた。食べさせて』
『おしっこ。代はりにして』
『人世か。あんたの頂戴』
って、なんぢゃらほい。
親子は助け合ふ事で、稔りを産み出せるのだ。
日本の国体を、発揚(はつやう)しよう。
いちよ あれかし