『扨抑物語』第二幕 二十四 | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


扨抑物語 第二幕
峠杣一日

二十四、

啓の父は、役場勤め。

母は元教諭で、今は主婦に納まって居るが、山刀坊の姉にして薙刀(なぎなた)の使ひ手、女烏天狗である。


其の薙刀の刀身には、常(とは)の精神が、怒りを努(つと)めへと導く光と宿ってゐる。

怒りは、一の欠如を糺(たゞ)し導く事を本質として現れる。

が、如何(いかん)せん、心だけではふらゝゝ心許(こゝろもと)ない。

怒りに、順行の精神が宿る事で、常の努めへと鎮まる理。

其れを、主婦の傍ら、薙刀の門人達にも教へてゐる。


因みに、性欲というのも、原理は同じく一に基づく働きなので、思ひ悩む事ではない。

理に努めよと、厳しくも明け透けな母。


啓に芽生えた常の苗も、やはりじんわりと育まれつゝあった。

つゞく