『扨抑物語』第二幕 十二 | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


扨抑物語 第二幕
峠杣一日

十二、

神山(かみやま)の屋敷に、地蔵尼(ぢざうに)の娘、閻魔(えんま)のお光(みつ)は居た。


宝珠(ほうじゅ)の形の練り菓子を摘(つ)まみつゝ、山へ参詣(さんけい)する人の心の声に耳を傾けてゐる。

聞いてゐるといふより、人々の三つ子の魂、其の順行精神の度合(どあ)ひを量(はか)ってゐるのだ。


お光は、ずっと人々を見て来た。


人は、常(とは)の理(ことわり)に結ばぬ限り変(かは)れない。

種なしの根なし草に、花実(はなみ)は咲かない道理。


剰(あまつさ)へ、人は態(わざ)々墓穴を掘って泪で三途(さんづ)の川を作ったり、常(とは)の種を歪(ゆが)めては地獄だと騒がしい。


ともあれ、閻魔のお光は、人の現す一(いち)を見てゐるのだ。

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