すごく優しかった。
それはもう、お姫様みたいに扱ってくれた。
いつも味方してくれた。
にこにこ笑っていて、常に穏やかだった。
◯◯のこんなところがいいね、すごく好き。
私も貴方のこんなところが好き、すごく合うね。
こんなに幸福で満たされる時間があるのかと、
これこそ出逢う時期が悪かっただけで、運命の人にやっと出逢えたんだって思った。
でも、奥さんにバレそうになったら、
あっさりと、私にもう連絡を取れないと。
今は、奥さんの精神状態を落ち着かせるのが大事だからと。
2ヶ月後には離婚するから、一緒になろうって言ってたのに。
今は、嫁と自分と仕事でいっぱいいっぱいだからって、突然突き放された。
本当に身体めあてだったの?
それだけ?
だったらあの人生で一番幸福な時間はまるごと嘘で、存在しなかったってこと?
だから、優しかったんだ。
だから、ニコニコしてたんだ。
だから、丸ごと全部受け入れてくれてるみたいに見えたんだ。
結局本心で私を選んで、受け入れてくれてる人なんていなかったんじゃない。この世のどこにも。
また一人だよ。寂しいよ。
いや、
ずっと一人だったんだ。