皮肉なことに、
夫の捨て台詞のような言葉が、私の心の救いになった。




「結局貴方は誰からも愛されない。

最初は魅力的にみえても、結局のところ内面を知れば知るほど、おかしい人だ、一緒にいれないと思うからだ。」




「あの男も、だから離れていったんだよ。


そして俺の所に戻ってきたのだろう。」








夫は意図せず、何なら傷つけてやろうとこのセリフを私に吐いたはずだ。

浮気をされた腹いせに。怒りに任せて。




その狙いはまんまと外している。



私は生まれ落ちた時から永劫、
内面ではなく、外見に付随する第一印象に自信がなかった。

それ以外がいいとは言わないが、それ以外の部分は、いくらでも変えれると思っているからだ。

努力は私の得意分野だ。






そうだったら本当にいい。


私が彼との愛瀬の中で何かをしくじり、気持ちが離れてしまったのならどれだけよかったか。




きっと違う。

最初から、好きだったのは確かだろうけど、
私とのことなんて、その時の性欲に任せた、衝動的な行動だったのだろう。


私はそう思う。
信じたは私がばかだった。





私も夫も、そういう類の人種ではないから、
するっと騙されて仕舞うのだ。








悔しい。苦しい。

一番幸せで、心地よく、生を実感できた瞬間が、全部泡のように瞬間的で美しい実在しないものだったなんて。




結局最初からわたしには、何もないのだ。


これまでも、これからも。
あるのは苦しい現実と、美しい嘘だけ。