目覚めたとき、今日はいいなぁとすぐに分かった。なんとかコロナワクチンの
副反応が体から抜けて通常に戻れたようだ。顔に気になる湿疹ができてどうしても治らないので歩いて10分ほどの皮膚科に行く。診療開始前30分に着いたが
既に待合室は満杯で私の診察番号は39番、診察を終えたのが12時近くだった。
診察時間は3分も掛からなかった。でもそれも良し〜としよう。

夏めきて主治医の声も張りがあり
◎連載小説「蒼の記憶14」
福岡に戻ってから弁護士事務所に就職した俊太郎はそれから何度かリーフに行ったが、みつきから、もう来ないで欲しい。と言われて足は自然と遠のいた。
「必ずみつきを幸せにするよ」と真面目な顔で殊勝な言葉を吐いた修司だったが、やがてその五年後、思いもよらぬ結末が訪れた。みつきの死。自殺だった。
訃報は修司の口から伝えられた。
「みつきはおまえのことを忘れることができずに苦しんでいたよ。力任せにねじ伏せたところで一度たりとも俺に心を開いてはくれなかった。みつきの心にはずっとおまえがいたんだ。ただ篤には良い母親でいようとしていたよ。でも、きっと、もう限界だったのかな。そう思うよ」
駆けつけた俊太郎の前でじっとうなだれるその胸ぐらを掴んだ。
「みつきを幸せにすると誓ったじゃないか! 俺の大事なみつきを奪ったくせになぜこんなことになったんだ!」
修司はまるで五年前のあのときと同じように俊太郎のなすがままに体を揺さぶられるまま、その目からとめどもない涙が溢れて落ちていた。