朝ごはんを軽く済ませてから、7時半頃から約40分程度のウオーキング。もう陽はじりじりとして東に向かう公園までの道に飛び出すには勇気がいる。今日も止めようかどうしようか..と迷いつつ飛び出した。日陰を選びつつ約5000歩
公園中が蝉に占拠されているようだ。

蝉の音に背なを押されてウオーキング
◉連載小説「みつさんお手をどうぞ」13
「なんだか、僕にはあってるような仕事の気がします」
「ほう、何でそう思うの?」
「俺、ばあちゃんっこ、だったんですよ。父親が早くに死んだんで、おふくろはずっと仕事の明け暮れで、そのぶん、ばあちゃんからずっと育てられてました。母にもろくに話しもしないまま死なれてるので愛情に飢えてるとこあるし、母親の齢から上の、特にばあちゃんずきなんです」
「ほう、いいねぇ。もし、おふくろが君を受け入れるようやったら、場所的にも藤堂君のアパートに近いし、おふくろが眠ってるときには小説のネタ考える時間もあるしな。なんや、おふくろは女学校の頃、剣道部で合宿しよった南区の油山が懐かしゅうて、ようその話を聴かされよったけんね、病院を決めたときも、南区以外は考えてなかったんよ。なんか、君とは縁があったのかもしれん。」
「つまり、仕事は付き添いってことですか?」
「まぁ、そうや、けど、少し中味が違う。手早く言えば代理息子やね。だけんが、なかなか決まらんのよ」
前方に雪を被った油山が見え始めたとき、突然、急カーブを切ったので、体が大きく揺れて木元さんの肩に俺の肩がぶつかった。話に夢中になってる間にどうやら目的地についたらしい。大きな門構えの病院のロータリーに入っていた。駐車場に車を停めて、木元さんが降りるのにあわてて俺もシートベルトをはずして従う。