こんにちはcocoです。
今回は、スピでも心理でもなく、本のお話。
私は宮本輝さんの小説が好きです。
初めて呼んだ宮本輝の作品は「錦繍(きんしゅう)」でした。
24才の頃でした。
留学先から戻ってきて特にすることもなかった私は、畳の部屋でゴロゴロ・・・
母の鏡台近くの床に、この小説が落ちていました。
小説は読むけれども、初めて読む作家さんのはなかなか手がでなかったのに
なんとなく手にして、なんとなく開いて、読み始めました。
すると、びっくりするほど、作品の中に引き込まれ
これまでないほどに、胸の辺りが、キーーーーンというかキューーーーーンというか
何かが触れてくる。
優しく、せつなく、物悲しく
そして、なぜこの人はこんなにも私の心が分かるんだろう?
どうしてこんなに私の気持ちを読めているんだろう?
と物語とは関係なく、ただただそこに同じ気持ちでいてくれている人がいる
そんな強い想いにとらわれました。
それ以来、宮本輝の小説ファンになったのですが
すでに沢山の作品が出ていたので
本屋に行っては、今回はどの作品が私を呼んでくれるのかしら?
と本棚な前で、静かに、深呼吸をして、本たちからの呼びかけを待つ
そんなことをしていました。
というのも、連続して読めないほど、輝氏の作品には、その時に必要なメッセージが入っているからでした。
本を呼んでいると、ある一節が浮き上がって見えてくるんです。
そしてその言葉が、私の宝物となっていきました。
人生の織り成す様々なこと、人の思いなどを体感さえていってくれました。
あの出会いなくして、今の私はないだろうと思います。
あんなにも響く言葉、この人はどんな人なんだろう?と調べてみると
宮本輝氏はパニック障害を患った経験のある方でした。
19歳~20代はじめくらいまで、私もパニック発作に苦しんでいました。
その時、私は白い闇の中にずっといる感じで、不安という情動と毎日を送っていました。
ちょっとした言葉に、不安が反応する毎日。
いつになったら、この場所から抜け出せるのか分からない・・・そんな毎日でした。
その時の思いは、私の良い経験となっていますが
宮本輝の小説とであった時は、まだこの不安の感覚が鮮明に残っており
彼の言葉が私の琴線に触れては、不安の感覚を揺らして、癒していっていた・・・1人じゃないって思わせてくれた・・・
そんな気がします。
彼の作品はずっと大好きで
私の調子が崩れてくると、必ず新作が出版されて、その本の中に私に届く言葉があり、励まされます。
最近の私のお気に入りは
『三十光年の星たち』
これは親に勘当され、借金もあり、なんだかなぁっていう生活をしている青年仁志が
1人の頑固そうで怖そうな佐伯という老人と出会うのです。
佐伯の仕事を手伝うことになった仁志に仕事の指示を与えますが
仁志は自分としては当然という質問をしますが
佐伯はそれを当然とはしません。
そして佐伯は仁志に
(依頼した仕事を少しでもいい加減にしたら)
「お前の人生は終わったと思え」
という恐ろしい言葉を言うのです。
私は最初にこの一文を読んだ時、なんて恐ろしい言葉を使うのだろう
宮本輝にしては珍しい言い回しだなと思いました。
けれども、最後にはその言葉の意味が深く深く入ってくるんです。
仁志は佐伯のドライバーの仕事を頼まれているのですが
高齢の佐伯の身体でそこまで車で行くのはちょっとつらいかな?という場所に行く事になりました。
仁志は気を利かせて、時間も短縮できる効率の良い飛行機にしようと提案するのですが
佐伯に怒られます。
「効率ってなんだ」と。
私はこの言葉にハっとしました。
効率ってなんだろう?
効率ばかりを求められる今の世の中で、私達はどこに向かうのかしら?
そんなに急ぐ必要があることに、急いでいるのかしら?
全てを急いでいるのではないかしら?
宮本輝氏はインタビューでこのように語っています。
「今の社会は若者の成長を待ってあげられなくなってしまいました。すぐに結果を求めてしまうのです」
そして物語りの前半、佐伯は仁志にこのように伝えます
「現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ」
そんな風に評してくれる大人に出会えることはめったにないのかもしれません。
ダメだしする大人はいても、真髄を伝えてくれる大人はそうそういません。
仁志も30代で立派な大人ではありましたが、彼は一つのところで踏ん張ることをしらなかった。
周りの大人たちは、言葉を変えて、仁志に踏ん張れと伝えてきましたが
踏ん張ることの大切さを軽視する最近の世の中の一人だった仁志には、ピンとこない小うるさい言葉でしかありませんでした。
それは仕方がないです。
踏ん張れ、頑張れといいながら、早く結果を出せ、効率的に物事を進めろという矛盾した要求をしてくる世の中なのですから。
作品の中では、30年という年月についてかかれています。
信じたことを30年、一生懸命継続すること
そこから見えてくる景色がある。
その大切さを教えてくれる大人がどれほどいるのでしょうか?
見えるもの、見えないもの
その大切さを教えてくれる、そんな大人はどれほどいるのでしょうか?
意味合いは異なりますが、
ネイティブアメリカン アパッチ族最後のシャーマンと呼ばれたグランドファーザーの残してくれたシャーマンメソッドも同じかもしれません。
見える世界(フィジカルの世界)
見えない世界(スピリチュアル・魂領域の世界)
2つがあり、見えるものだけでは足りない。
見えない世界を見て初めて、自分も世界も真の形で存在し、真に自分の人生を生きることになる。
見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプ
自分が求めるのは、どちらだろう?
私は20代頃「いつもご機嫌のよい大人になろう」と決めました。
が、とてもとても難しぃ・・・
いつも機嫌のいい大人
実はこれが難しかった・・・
不機嫌のほうが、簡単なんですもの。
でも、そう決めたので、軸を底に戻しながら、不調和な感情と向き合い、開放したり、そこにおいておいたり・・・
そんなことをしながら、いろんなことを私は周りの大人から教えてもらったなと思いました。
遠い親戚の叔父さんだったり
両親の知り合いだったり
短大の先生だったり
良い大人との交流を持てたのは、私にとってとてもラッキーでした。
私も若者に何か還元できる大人になりたいと思います。
良い大人の人口っていうのは、どうなのでしょうか?
たくさんいるのかな?周りに居ないなぁ~っていう人も居る・・・よね。
そういうときは良い本に出合えれば、それも宝物になるように感じています。
どうぞ一度呼んでみてください。
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