【映画感想】『三姉妹』(87点) | とにかく暇なわたしの映画・ドラマ感想ブログ

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たくさん映画やドラマを観ているので、感想をまとめておきます
ネタバレしない内容になっています

アンニョンハセヨー。

いやー今日もめちゃくちゃ暑い。

午前中のうちに洗濯物がすっかり乾いてしまいました。

嬉しいけど、なんかちょっと恐ろしい暑さ。

 

昨日は朝から映画を観に行ってきたわけですが、

今日は昼からの映画を観に行ってきました。

もうほんっとうに暑くて身の危険を感じるほど。

6月でこれだと、7・8月ってどんなことになっちゃうのかしら。

おお怖い怖い。

 

昨日の『ベイビー・ブローカー』で、やっぱり映画館で映画を観るっていいなと思い、今日も何か観に行こうと、いつもだったら土日のどっちかは絶対に家でダラダラ過ごす私が、重い腰を上げて出かけて参りました。

こういう天気がいい日は、部屋にこもるよりも、外出したほうがいいね。

やっぱり韓国が好きなので、韓国ドラマで色々検索して、見付けた映画を観てきました。

 

地味にあんまりないんですよね、日本で現在公開中の映画。

『ジョゼ』とか絶対に映画館で観た方がよかったな~と後悔しつつ、今日は『三姉妹』という映画を観てきました。

キャストに惹かれたのですが、ネタバレとか嫌なので、あまり情報を入れずに観に行ってきました。

 

やっぱり韓国はすごい。

とっても面白かったです。

 

 

『三姉妹』はもうそのタイトル通り、三姉妹の映画です。

 

主役は次女のミヨン。

ミヨンは二人の子どもを持つ母親で、旦那さんは大学の先生をしています。

容姿も身なりも綺麗で、広いマンションに住んでいて、誰が見てもいい生活を送っています。

とても信心深い、教会の信徒で。

教会でも聖歌隊の指揮者をしたりしていて、役職についている程です。

他の信者さんからも好かれている、穏やかな性格です。

 

一方長女ヒスクは、すさんだ生活をしておりまして。

事業に失敗した旦那は一緒に住んでいないけど、お金だけはせびりに来る。

一人娘は部屋にこもって大音量でヘビメタを聞いていたかと思えば、

超ロックでエロい格好で、夜中に出かけたりする破天荒娘。

目を背けたくなるほどの不憫な生活をしています。

 

三女ミオクは、地元でそこそこお金を持っているおっさんと結婚しておりまして、いわゆる後妻です。

金髪で派手な格好をしていて、言葉遣いも荒くて、毎日お酒ばっかり飲んでいる、劇作家で。

スランプ中ですかね。中々仕事が上手くいかず、酒を飲んでは、次女ミヨン姉さんに電話して過去の話ばっかりする、ちょっとやばいやつです。

よく結婚できたな・・・って感じなんですけど。

後妻なので、前妻との間の子がいて、もう高校生?ぐらいの男の子ですかね。

よくあんな義理のお母さんがいて、グレ無いもんだってぐらい普通の男の子です。

 

三姉妹は全員結婚して、ソウルに住んでいるわけなんですが。

次女と三女は電話したり、会ったりする関係値なんですけど、長女は二人とは距離がありまして。

最近では全く連絡を取っていない、お母さん越しに近況を聞く、みたいな感じでした。

 

で、この度、実家のお父さんの誕生日が近づいてきたので、

みんなで実家に帰ってお父さんのお祝いをしましょうよ、っていう大筋です。

 

長女ヒスクは、『愛の不時着』の北朝鮮のおばちゃんたちの中で班長を演じていたキム・ソニョンさんが演じています。(そして旦那さんがこの映画の監督なんですよね、すごい)

悲壮感がすごいんですけど、グロテスクというか、きわどいシーンも多く、ダークで、えぐくて。

本人はヘラヘラ笑っているんですけど、いや、ちょっとそれ笑えないから・・・ってな、目を覆いたくなるシーンが結構ありました。

 

これが韓国映画。

 

この人のシーンを見ていて、やっぱり昨日見た『ベイビー・ブローカー』は日本映画だなと思いました。

どっちの方がいいとかではなく。

空気とか色合いがやっぱり違う。

 

次女ミヨンはムン・ソリさんが演じておりました。

わたしは映画『リトルフォレスト』で見たことがありましたが、(きっと他でも見たことがある・・・)

とても美人な女優さんですよね。

このムンソリさんが、脚本を読んで絶対に映画化したい!と言って、自らPDも行ったらしいです。

まあでも分かる。この作品はとても魅力的だわ。

 

ムンソリさん演じる次女は、最初は穏やかな女性だな・・・

と思ってい見ていたのですが、だんだん本性というか、本来の性格が出てきて。

後半からラストはすごかったですね。

正直前半は不完全燃焼で、見ていても「この人ってこんな自分を抑えていて楽しいのかな、人生。もやもやするなあ」って思っていたぐらいでしたが。

三姉妹の中で、最も重要なキャラクター、役割でしたね。

次女って感じ。

 

そして三女ミオクを演じるのは、チャンユンジュ。

私は初めて見たのですが、めちゃくちゃすごかったよ、この人。w

もう破天荒すぎて、ちょっと私では受け止められないなってぐらい、ぶっ飛んでましたが。

旦那さんや、家族は意外とすっと受け入れて、優しくしてあげていて。

根がいい子だからですかね?なんかわかんないけど、みんなすごいなって思いました。w

でもミオクがいい意味で、家族の中でいいキャラ出してました。

結構笑えるシーンも多くて。

やっぱり三女ってこんな感じなのかも。

愛嬌があって、みんなから可愛がられている感じ。

 

三人とも、心に闇というか、ちょっと欠陥というか、

普通じゃない部分を抱えておりまして。

まあそれには、幼少期の経験が影響をしているわけです。

 

この度、お父さんの誕生日のお祝いで、

久々に実家でみんなで集まるよってなことになりまして、

そのパンドラの箱が開けられるお話でした。

 

前半すごく面白くて、でも半分過ぎたあたりから、

・・・これどうやって終わるんだろう、なんか不完全燃焼な映画になりそう、と心配になったのですが、

四分の三ぐらいからの展開がものすごくて、完全燃焼しました!

 

いやー面白かった。

 

三姉妹の女優さんたちの演技が物凄かったわ。

 

長女ヒスクの娘も最高だった。

 

ミニシアターって、劇場で結構笑いが起きたりすることあるじゃないですか?

映画玄人が集まっていると、特にそういう風潮あると思うのですが。

私、結構あれ苦手で。まあそもそも声出して笑う程のことも中々ないんですけど。

 

この映画は割と、私も普通に声を出して笑っちゃったりして。

ああ、映画ってこういうことも楽しいんだなーなんて思ったりしました。

 

エンタメですね。

 

結構重いテーマの作品なので、エンタメという言葉で片づけてはいけないかもしれませんが。

社会的なテーマでありつつも、エンタメ作品として、楽しめる、とてもいい映画でした。

 

結構綿密な設定と伏線があって、脚本がほんと、素晴らしいんだな。

本が面白くて、演者がすごいと、こういう映画ができるんだわ。

 

いびつな家族の形に、ブラックユーモアが相まって、

濃い、面白い、映画になっていたと思います。

 

韓国の社会問題というか、闇の部分(まあどこの国でもこれはある)を描いた作品ですが、

頑張ってもがきながら生きる三人の女性のありのままの姿を、

是非見てみて頂けたらと思います。

 

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました!

감사합니다.