アンニョンハセヨー。
6月に入り(というかもう終わりますが)
徐々に5月の鬱屈とした気持ちが晴れてきていたのですが。
その気持ちを晴らしてくれていたのが、
韓国ドラマ『私たちのブルース』。
基本的に一気見の習慣が付いていた私ですが、
韓国で放映と同時にリリースされる、毎週更新スタイルのドラマも、ちょこちょこ見ておりました。
でも、毎週少しずつ見るっていうのが中々億劫で。
まとめて見たいよね!って気持ちが強かったのが正直なところ。
そんな私でしたが、毎週末を楽しみに少しずつでも見たい。
永遠にこの週末の楽しみが続いて欲しい。
そう心の底から祈る程のドラマでした。
Netflix独占配信 『私たちのブルース』
『賢い医師生活』以来のロスに陥っております。
オープニングのクレジットに出てくる通り、
「The Greatest Artist」な名優だらけのこのドラマ。
でも煌びやかな豪華さを誇るようなドラマではなく。
韓国が誇る実力派俳優たちが、
めちゃくちゃいい脚本のドラマを、見事に演じきった、
最高のドラマでした。
皆さん、本当にお疲れ様です!!そしてありがとうございました!!
カムサハムニダー!!
『私たちのブルース』は済州島を舞台にしたドラマで、
プルンという町に住む人々の群像劇です。
群像劇とは、登場人物一人一人にスポットを当てて、集団が巻き起こすドラマを描くスタイル劇のこと(Weblio引用)で、全20話で一見長く聞こえますが、登場人物それぞれのストーリーが全てが濃密で、正直あっという間の20話でした。
何よりも最高だったのは、ドラマの舞台済州島。
韓国でもリゾート地とされている済州島ですが、
プルンは、ハイソなリゾートというよりも自然が豊かで、ゆったりとした時間の流れる港町で、
住んでいる人々も温かい。
自分もプルンに住みたい。
あの市場で、おばあちゃんたちにコーヒーの差し入れしたい。
海女のおばちゃんたちと、ガハガハ笑いながら仕事したい。
夜はヨンオクのお店に通いたい。
ほんと、ドラマの中に自分が入りたいと思いました。
このブログで、様々なドラマに使ってきた言葉なので、
若干擦れてる感がありますが、声を大にして言います。
脚本、キャスト、演技、演出、音楽、舞台、全てが最高!
またもや韓国ドラマの実力を見せつけられた珠玉のドラマで、
私の中でBEST3に入ると思います。
中々このドラマを超える作品には、しばらく会えなそうです。悲しい。
ストーリーは、済州島プルンに住む、40代後半かな、
ウニという女性の物語からスタートします。
ウニは生まれも育ちも済州島プルンで、独身で市場でバリバリ働く女性。
お節介が過ぎるぐらいの性格で、見た目も中身も男勝りな感じです。
パラサイトの家政婦役を演じていた、イ・ジョンウンが演じております。
ガッツがあって、人情に厚いウニ。
ウニを見ているだけで元気もらえるよね。
トラックや、市場で怒鳴り散らしている姿がまじで最高だった。w
爽快って言葉がぴったりかな。
いいやつだよ、ウニ。
ウニには初恋の人がいました。その名はハンス。
ハンスはチャ・スンウォンが演じております。
この人もまた有名な俳優さんですね。
怖い役が多いイメージですが、3食ごはん(ドキュメンタリー)では、料理がとても上手で家庭的な側面も見せてくれていました。チャおばさんって呼ばれてたな。w
ハンスは大学からソウルに移り、ソウルで結婚して家庭を持ち、銀行で働いていたのですが、異動になって済州島に戻ってきます。
久々に再会したウニとハンス。
ネタバレにならぬよう、詳細は書きませんが、
最初の1~3話ぐらいまでは、この二人のお話です。
中年になった二人の、過去と今の物語。
1話のときは普通に見ていたのですが、2話あたりから、結構胸が詰まるというか。
もらい泣きしながら見ちゃいましたね。
私は将来自分がウニのようになる気がするよ。
あんなにパワフルではないけど。
その後に登場するのが、イビョンホン演じるドンソクと、シンミナ演じるソナ。
二人は幼馴染ですかね、高校生ぐらい?にプルンで過ごした関係です。
ドンソクの方が年上で、ソナにとってはお兄さんみたいな存在でした。
ソナは一時的にプルンに住んでいた感じですかね、
ソウルから移ってきて、またソウルに戻っていった感じ。
二人は、それぞれ家庭に問題を抱えていて。
高校生と言えども子どもですから、大人の事情に振り回されておりました。
そんな時期を一緒に過ごしていたので、恋人ではなくとも、とても深い関係でした。
まあ、でもソナがソウルに行って、そんな関係も終わってしまったのですが。
大人になり、ドンソクは済州島で行商をやっていて、
トラックに洋服、野菜、魚、日用雑貨、工具、なんでも乗せて、島を回っています。
イビョンホンの行商役が本当に最高でした。
市場の前で、手を叩きながらぶっきらぼうに洋服を売る姿や、
トラックで島を回って、別の行商のところで物を買った老人たちにブチギレたりする姿が、本当に最高だった。w
ドンソク役のイビョンホンは、かっこいい雰囲気なんて一切なく。
ほんと、ただの田舎の中年の暴れん坊の役なんですよ。
うちの親父を彷彿とさせるキャラクターで、めちゃくちゃ共感できる人物像でした。
うちの親父もああいう時、ああいうキレ方するな~って。w
で、この二人に関しては、ある日ソナが訳あってプルンに戻ってきたところから物語が動き出します。
シンミナ演じるソナはソナで、色々な問題を抱えておりまして。
この二人は結構大変な二人でしたね。
尺も長かった気がするわ。
で、次にでてくるのが、イングォン父子と、ホシク父娘。
かつては仲良しだったのに、今では犬猿の仲のイングォンとホシク。
どちらもウニの同級生で、同じ市場で働いています。
イングォンはスンデ(腸詰)を作って、市場で食堂をやっていて。
ホシクは氷屋さんをやっていて、市場に氷を卸しています。
どちらもシングルファーザー。同級生の息子と娘がいます。
イングォンの息子がヒョン。
『賢い医師生活』で双子のインターンのホンド役を演じてた、かわいい顔の俳優さんです。
好青年って言葉がぴったり。
イングォンは元ヤクザの荒くれ者で、喧嘩っ早い、キレキャラなのですが。
ヒョンは成績も優秀、品行方正で、イングォンの自慢の息子です。
ホシクの娘がヨンジュ。
ノ・ヨンソという女優さんが演じています。
この子はこのドラマが初出演なんですよね。オットケー。
綺麗で、かわいくて、演技も上手くて。先々が期待できる女優さんです。
ヨンジュもヒョンと同じく、というよりヒョンよりも賢くて、生徒会長をやっているしっかり者。
成績学内1位。ホシクの自慢の娘です。
父親同士はすこぶる仲が悪いのですが、
ヒョンとヨンジュは仲がいいんですよね。
そこから色々なことが起きていく二つの親子の物語。
もうこの親子の話は、涙涙でした。
イングォンの荒くれ加減最高だったな。いるよね、ああいう親父。
笑っちゃうぐらいの暴れん坊で。でも、熱くて、ヒョンに対する愛情は深くて。
笑って泣けた。
イングォン役の俳優さんパク・ジファンさんはこのドラマで初めて見たのですが。
一気に好きになりました。これ演技とは思えないよ。w
まじでこういう人なんだと思ってみちゃってました。
ほんといい俳優さん。
そしてヒョン役のぺ・ヒョンソン。
『賢い医師生活』からの成長が素晴らしい!
最初はお父さんと似ても似つかぬ見た目、性格で。
ぺヒョンソンで演じられるのかな・・・と心配になったりしたのですが、ヒョン役はこの子でよかった!
まじでいい演技してたわ。こんな普通のどこにでもいるような好青年タイプなのに、すごいわ。
ホシク役は『賢い医師生活』の救急科にいたポン医師の役を演じていたチェ・ヨンジュン。
最初どっかで見たことある人だな・・・と思ったのですが、見ていくうちに、あ!この人ポンさんだ!と気付いて。あまりにも違う人物像に、ほんと、この人たちの演技力ってモンスター級だなと、改めて思った次第です。
ホシクもいい役だった。一人娘を愛して、大事にする父親。いいお父さんだったね。
なんだかんだ言っても、お父さんは絶対に私のことを最後は許してくれるって思っている、甘ちゃんで、幼さが残るヨンジュ。
なんでヨンジュは賢いのに、要所要所で頭の中お花畑なんだろうって思ったりしたけど、
お父さんにとっても大切に愛されて育ったからなんだろうな~と思いました。
どっちも最高の親子でした。
この親子の話らへんから、「このドラマやばいな・・・」と思い始めました。
はあ、ここまでても超長文。
この後また、ドンソクとソナの話を挟んで、
その後出てくるのが、ミランだったかな。
ウニの同級生、親友(女友達)のミラン。
こちらも大女優、オムジョンファが演じでおります。
ミランはプルン育ちのお金持ちの家の子で。
大人になってソウルに移り、3度の結婚をして、一人娘がいます。
今はソウルで高級なマッサージ店を経営しているイケてる女性ですね。
美人で、小さいころから人気者。
ウニはいつでもその引き立て役のような扱いを周りにされていました。
でもそんなことは気にせず、二人は親友。
のはずでしたが・・・。
これは結構女の人なら共感するというか、
少なからず似たような経験はしたことがあるのでは?という感じのお話でした。
私も経験したことがあります。
なんとも言えないよね!あの感情。
自分の友達に僻む気持ちなんて全くないのに、
周りから僻んでいると思われ、憐れみを受けるあの感じ・・・。
そういうのも含めて、諦めているというか、はいはい、別にどうでもいいですって感じなんだけど。
なぞに周りが茶化すんだよなー。あるよね、そういう時代。
ウニの気持ちにめっちゃ共感するところがありました。
一方、ミランのことも理解出来たり。
ミランは周りから見ると、恵まれていて、人生全てが上手くいっているように見えるのですが、
まあそう見せているだけなんですよね。
世の中、みんなそんなもんかもしれませんけど。
SNSでキラキラした生活とか、家族みんな仲いいよー!みたいに上げている人たちも、
本当はそう見せているだけで、そんなことないのかもしれないよね。
かく言う私も、よく人から「毎日を楽しんでいる」「とにかく明るい、元気」と言われますが。
さすがに毎日は楽しくないし、暗くて元気が無い日もたくさんあります。
会社では周りをチアアップしなければいけないので、明るくふるまっていますが、家に帰ったら静かなもんです。
人間そんなもんです。
話しが逸れましたが、
まあそんな人生勝ち組のミランと、対極にいるウニのお話もまたよかったです。
その後は、ヨンオクのお話でした。
これは予想外のすごいお話だった。
ネタバレしない方がいいので、多くは語れませんが・・・。
ヨンオクは、本土から移り住んできた、30代後半の女性です。
美人で実力派女優の、ハンジミンが演じております。
ほんっとに可愛いよね、この人。
最近ブログで書いた映画『ジョゼ』でもとても素敵な演技をしておりました。
済州島は海女さんがいることで有名なのですが。
ヨンオクは昼間は新人の海女さんとして働き、夜はウニの経営する居酒屋プルンで働いています。
美人で、愛嬌があって、男性から好かれるというか、男性をその気にさせるようなタイプですが、逆に女性からはちょっと嫌われるタイプ。
謎を秘めた女性で、自分のことをあまり語らず。
それによって周囲から不信感を持たれがちなんですよね。
訳あって、語れないんですけど。
海女のおばちゃんたちに嫌われちゃって、怒られまくったりするんですけど。
海女の仕事、辞めないんですよね。
そもそもが楽ではない、厳しい仕事だと思うんですけど。
まあ訳ありなんです。
そして、このヨンオクに恋心を抱くのが、
海女の船の船長、ジョンジュンです。
おかえりなさい!キム・ウビン!
癌から復活のキムウビンが演じでおります。
最高にかっこよかったー。そしてこのドラマで人気が出たようで嬉しいー。
まあ昔から人気ありましたけど。
ジョンジュンは本当にかっこいい役でしたね。
海の男らしく、心の広い、優しい、肩幅の広い、たくましい男性。最高。
寡黙だけど、なんだろう、愛嬌があって。
優しさがにじみ出てるんですよね。誰の喧嘩にも仲裁に入るし。
思いやりがあって、とっても優しい。
ヨンオクとジョンジュンの関係が縮まりつつある中で、
分かってくるヨンオクの事情。
物語はこのヨンオクの事情が分かってから、大きく動きます。
ヨンオクの回は、とても感動して泣きました。
正直、最初は海女のおばちゃんと同じぐらい、ヨンオク好きじゃなかったんですよ。
なんだよ、この誰にでもいい顔しておいて、結局一番イケメンゲットする系の女。
嫌いだわ~興味ないわ~って感じで。
それが一変。
一気に好きな話になりました。ヨンオクの回。
特にラストのバスのシーンはやばい。
あれは歴史に残る名シーンですね。
思い出しただけでも目が潤む。
・・・はあ、長い。
あ、ドラマは長く感じないですよ!
私のブログが、とにかく無駄に長くなってすみません。ほんと。
で、ヨンオクの回の次が、チュニサムチュンの話。
チュニさんは、海女の最年長。
コ・ドゥシムさんという大女優が演じております。
私の中では『マイディアミスター私のおじさん』の3兄弟のお母さん役が一番直近の記憶かな。
チュニさんはボスなんです。海女さんの。
海女さんは個人で動かず、ペア&チームで動くので。
チュニさんが総指揮というか、まあリーダーな感じです。
最年長のベテランで、もう70過ぎてると思うのですが、技術も一番で、
海女のおばちゃんたちを統括しているおばあちゃんです。
かなり気も強いのですが、おばあちゃんならではの優しさもあります。
このチュニさんと孫のお話が、ドラマのラストらへんに用意されています。
この話は泣ける部分も多いですが、
何よりもプルンの人達の優しさにほっこりする回でした。
みんな家族のように優しい。そこに泣ける。
そうして物語は最終局面へ向かっていきます。
チュニさんと、いつも一緒に市場で野菜を売っているおばあちゃん、オクドンサムチュン。
大大大女優、キムヘジャさんが演じておりました。
このオクドンと、息子ドンソクのお話がラストでした。
最後の2、3回がこの二人のお話。
ドンソクはイビョンホン演じる暴れん坊です。
めちゃくちゃ泣きました。この親子の物語。
ドンソクとオクドンは決別したような親子関係で。
まあとにかく、ドンソクがオクドンを嫌って、怒鳴ったり、当たり散らしたりがひどいんですよ。
ドンソクって、考えてみると、オクドン以外には結構優しい人なのに、
オクドンにだけはまじでひどいんですよね。
オクドンはもうおばちゃんだし、病気だし。
優しくしてあげなよ・・・とプルンの町のみんなも、視聴者も思っているのですが。
まあドンソクにはドンソクの事情があって、中々そんな簡単に優しくなんてできないんですよね。
この親子の話は、どこにでもいるような親子の話でありながらも、
済州島や、韓国の歴史を背景に描いている、中々深いお話でしたね。
お母さんがそうなっちゃうのにも理由があるし、
ドンソクがそう思ってしまうのもしょうがない。
二人だけの問題ではない、もっと大きな歴史的な要因もあったと思います。
めちゃくちゃ仲の悪い親子(まあ一方的にドンソクがオクドンを嫌っているだけですけど)が、
二人で旅行というか遠出をする中で、今さらというか、今になって、昔の話をしていって、
お互いを理解していくお話でした。
どっちもすさまじく頑固で。
顔も似ているんですけど、性格もそっくりでしたね。
どんどん優しくなるイビョンホンに。
オクドンの話を聞くたびに、目に涙を溜めるイビョンホンに。もらい泣きしまくりました。
イビョンホン、まじで演技上手すぎです。
賞あげて!これはまじで賞あげるべき!!
キムヘジャさんの演技もまじで神がかっていましたね。
この大女優の演技を映像に残してくれて、ありがとうございました。
是非、キムヘジャさんにも賞をあげてください。お願いします。
特に義理の息子の家のシーンと、
雨の中のトラック中で話すシーンと、
あの(書きたいけど書けない)シーンが最高でしたが、
もうでも、なんだろう、特にこのシーンが、とかでなくても、すごくよかった。
わたしの語彙力では表現不可です。ミアネ。
歯を磨いているシーンだけでもぐっときたんです。そんな感じです。
この親子の話はまじで色んな意味で文章化不可能。
是非是非見てください。ハンカチ片手に。
群像劇としては、この親子の話が最後ではあるのですが。
ドラマのラストはまた別に用意されていて。
最高でした。涙
素晴らしいエンディングをありがとう。
音楽も最高でしたね。
オープニングもいいし、あのイタリア語?かなんかのブルースも良かったし、
挿入歌のジミンちゃんの曲もとっても良かったし、イヨンウンの歌もよかった。
ピアノの曲も全部よかった。
全部揃ってるよ、このドラマ。
言うまでもなく、まず、脚本が最高だったんですよね。
物語の伏線とその回収も素晴らしく、想像を超えるような展開が何度もありました。
こんなドラマはもう二度と出会えない気がします。
本当にいいドラマだった。
これからしばらくは、どの韓国ドラマを観たらいいか?と聞かれたら、
間違いなく『私たちのブルース』と答えると思います。
素晴らしいドラマをありがとうございました!!
スタッフの皆様、俳優の皆様、お疲れ様でした!!
정말 감사합니다!!