今更感半端ないのですが
↑こちらの回の後日談です
アミティ「夏祭り楽しかったねー!」
リデル「はい…楽しかったですね」
りんご「他のお店のお手伝いも楽しかったですしいい経験が出来ました!」
アミティ「Dシェゾも楽しかった?」
Dシェゾ「あ、ああ…楽しかったぜ…かき氷美味しかった」
アミティ「ほんと!良かった!!」
リデル「Dシェゾさん、人生初のかき氷でしたもんね」
Dシェゾ「あんなに美味いものがあるなんてな…まだまだ俺の知らない食べ物が多いな」
ラフィーナ「その通りよ!この世界にはまだまだ沢山の美味しい食べ物がありますわよ!」
アミティ「他の美味しい食べ物もまた一緒に沢山食べれるといいね!」
Dシェゾ「そうだな…」
ウィッチ「おいっす!」
Dシェゾ「ん?なんだ…?」
シェゾ「ウィッチか」
アミティ「おいっす!ウィッチ、どうしたの??」
ウィッチ「これからあなた達のお店に向かうところでしたの」
アミティ「そうだったんだ!」
ラフィーナ「なにか御用でもあったのかしら?」
ウィッチ「ええ!実は新しい薬を作ったので皆さんに是非試して頂きたいなと思いまして!」
りんご「え、ええ…」
リデル「薬…ですか…?」
シェゾ「今度の薬はどんな効果なんだ…?」
ウィッチ「今回のお薬の効果は至って普通!!喉の調子が良くなる飴タイプのお薬ですわ!」
Dシェゾ「喉…?」
ラフィーナ「ま、まあ…文面だけだったら普通にいい薬ですわね…」
シェゾ「ああ…でもどうせまたなんか変ないわく付きなんだろ…?」
りんご「身長が伸びる薬と言っても伸びるのは頭の方だけ、顔が変わる薬だってどんな顔になるかは選べずにしかも解除薬がないから元の顔には戻れない…でしたよね…」
ウィッチ「それがですわね!今回のお薬!なんともう1本売れましたのよ!」
アミティ「え!嘘!」
ラフィーナ「買った人がいましたの…?」
ウィッチ「ええ!あれは確か3日前の朝だったかしら…その方、喉の調子がちょっと悪いんだって仰っていたからこのお薬おすすめしましたの、そしたら買って下さりましたわ」
アミティ「へえ…そうなの…」
シェゾ「こんな変な薬を買う物好きもいるもんだな…」
ウィッチ「とりあえず私はこのお薬をお店にいる皆さんにおすすめしに行きますので!それでは皆さんごきげんよう!」
アミティ「あ、うんーまたねウィッチ」
リデル「行ってしまいましたね」
ラフィーナ「あら?」
りんご「ラフィーナ?」
Dシェゾ「どうしたラフィーナ」
ラフィーナ「プリンプ夏祭りってもう終わりましたよね…?」
アミティ「うん、確か4日前で終わってるはずだよ」
Dシェゾ「それがどうかしたのか?」
ラフィーナ「見てよあれ…」
りんご「あれは…のぼり?」
アミティ「プリンプ夏祭りの宣伝ののぼり!!」
ラフィーナ「夏祭りはもう終わってるのに…なんでまだのぼりが出ているのかしら…」
Dシェゾ「それは…普通にしまい忘れてるだけじゃねえのか…?」
ラフィーナ「お祭りののぼりは毎年お祭りが終わった次の日にはもうすぐに撤去しますのよ」
アミティ「うん!そうだよね!毎年すぐにしまってる!」
りんご「確かに…今まではお祭りが終わると翌日にはもうすぐにしまっている、でも今回はお祭りが終わって4日も経ってるのにまだのぼりが出しっぱなしになってるのは…ちょっと気になりますね…」
アミティ「あののぼりを出したり片付けたりするのは誰がやる仕事なんだろう?」
ラフィーナ「確か…プリンプタウンの市長さん達よ」
シェゾ「市長だったら恐らく、市役所にいるな」
アミティ「そう言われるとちょっと気になるかも!みんなで市役所に行って市長さんに会いに行ってみようよ!!」
リデル「そうですね…今年はすぐに片付けない理由…ちょっと気になります…」
ラフィーナ「行ってみましょう」
ラフィーナ「着きましたわ!プリンプ市役所!」
Dシェゾ「ここが市役所か…なんか色んなポスターが貼ってあるな」
リデル「そうですね…麻薬禁止ってポスターとか、交通安全を守ろうとか…宣伝のポスターですね」
Dシェゾ「このポスターはなんだ…?絵画コンクール…?」
ラフィーナ「ああ…来月公民館で行われる絵画コンクールですわね」
Dシェゾ「へえ…絵画コンクールか…こんなのやるのか…」
アミティ「すみませんー!」
みゆ(女性役員)「はい…どうされましたか??」
ラフィーナ「あの…市長さんはどちらにいらっしゃいますか?ちょっと市長さんにご挨拶をしたくて…」
みゆ「え、あ…ああ…市長…」
リデル「何かあったんですか…?」
みゆ「あ、あの…それがね…実は…」
たくみ(男性役員)「市長は3日前から行方不明になっているんだ」
アミティ「え!?市長さんが!?」
ラフィーナ「行方不明ですって!?」
たくみ「ああ…3日前の朝から突然来なくなって…電話にも出てくれないんだ!」
シェゾ「これって…いや、そんなまさか…」
みゆ「良かったらお茶飲んで」
アミティ「ありがとうございます!」
みゆ「お菓子もあるから…」
リデル「ありがとうございます、いただきます…」
ラフィーナ「それで、お祭りが終わって4日経ってるのに、のぼりがまだ出ているからどうしたのかなって思って確かめに来ましたの…」
シェゾ「こんな事で突然押しかけてすまないな…」
みゆ「いやいや…いいのよ、私達も市長と連絡が取れなくて困ってたし」
たくみ「あののぼりは毎年市長の指示が出てから片付ける事になっているんだ」
みゆ「そう、お祭りの期間が終わっていたとしても市長からの指示が出ないと片付ける事が出来ないの」
シェゾ「その指示を出す人が居ないから出る指示も出ずに片付けられずあのままってわけか…」
たくみ「でもこんな事初めてじゃないか?市長が何も言わずに行方をくらますなんて…」
みゆ「そうね…いつも休暇を取る時はちゃんと一言言ってくれるのにね…」
リデル「あの、最後に市長さんを見かけたのは…?」
たくみ「4日前の夜…お祭りが終わった後だね…」
みゆ「今年も無事にお祭りを終えられたから…みんなでカラオケに行って打ち上げ会をしたのよ」
たくみ「そうそう!市長すごいテンション上がってて、ずっとマイク離さないで熱唱してたよ!」
みゆ「ええ…でも市長を見たのはその打ち上げの時が最後、その次の日の朝から突然来なくなったの…」
シェゾ「市長の家には行ったのか?」
たくみ「ああ…でも留守みたいなんだ」
みゆ「何度呼び鈴を鳴らしても出てきてくれないの…」
シェゾ「…」
たくみ「ここが市長の家だよ」
ピンポン
アミティ「市長さーん!いらっしゃいますかー!」
ラフィーナ「お留守かしらね…?」
シェゾ「市長の家に車はある…家の鍵だってちゃんとかかってるし…」
Dシェゾ「どこか散歩にでも行ってるのか…?」
リデル「でも市長さんは3日も行方不明なんですよ…?それも連絡もなしで…」
アミティ「ねえ…まさか…散歩の途中で誰かに誘拐されたとかじゃないかな…」
ラフィーナ「誘拐…」
たくみ「ええ!そんな!まさか!」
みゆ「市長が!?あ…でもそれなら…音信不通になってる事にも説明がつくわね…」
シェゾ「その可能性もないでもないけど…でも最近は誘拐事件のニュースなんて聞かないしな…」
ラフィーナ「あ、そうね…確かに…」
Dシェゾ「とりあえず…この近くの店とかにでも行ってちょっと聞き込みしてみないか?」
アミティ「あ!それいい!確かに!」
リデル「もしかしたらどこかで市長さんを見かけてる人がいるかもしれませんね…」
たくみ「確かに!そうだ…市長がよく行く行きつけのお店とかなら…!」
郵便局の人「すみませんー!」
アミティ「ん?」
Dシェゾ「郵便局の人か?」
郵便局の人「これ、このおうち宛ての郵便物です」
アミティ「あ、いや…あたし達はこの家の人じゃないんです…」
郵便局の人「じゃあとりあえずポストに入れておくね!それじゃあ!」
リデル「ご苦労さまです…」
りんご「それで?その近辺で市長さんがよく行くような行きつけのお店とかってありますか?」
たくみ「そうだな…まず思い当たるのは…」
みゆ「まずはこのコンビニね…」
ラフィーナ「コンビニ…」
たくみ「ああ…市長はいつもこのコンビニでタバコ買ってるんだ」
コンビニ店員の男性「え?市長さんを最後に見たのはいつかって?」
リデル「そうなんです…」
アミティ「なにか心当たりはないですか?」
コンビニ店員の男性「そうだね…そう言われてみれば最近市長さん見かけなくなったかもね…」
Dシェゾ「しばらく来てなかったのか…」
コンビニ店員の男性「うん…1週間前ぐらいに見たような見ないような…そんな感じがするだけで…」
りんご「もしかして…このコンビニに犯人がいるかもしれませんね…」
コンビニ店員の男性「え!?」
ラフィーナ「な、何を言ってるの??」
りんご「市長さんがいつもなんのタバコを買っているか…あなた分かります?」
コンビニ店員の男性「あ、ああ…このワイルドセブンってやつをいつも買ってってるよ」
みゆ「ああ…そういえば市長、いつもそんなのを吸っていましたね…」
りんご「もしかしたら…あなた達このコンビニの店員の中の誰かが、実は市長さんに恨みを持っていて…それで市長さんがいつも買っているタバコを知っているからそのタバコに何か毒とかでも仕込んで…殺害したとか…」
コンビニ店員の男性「え!そんな!!」
りんご「今日も同じタバコを買うと思い、事前にそのタバコに毒を仕込んでおき、それで市長さんが来たら予め毒を仕込んでおいたタバコをわざと選んでそれを渡して…暗殺!!」
リデル「ええ…」
アミティ「そーれは…」
シェゾ「ちょっと考えすぎじゃねえか…?」
コンビニ店員の女性「それはないわよ」
りんご「え?」
コンビニ店員の女性「市長はうちの店員達みんなの憧れの存在なの、そんな尊敬する市長を殺そうとしてる人なんて1人もいないわ」
りんご「そ、そうですか…」
ラフィーナ「ま、そんな簡単に解決するわけないわよね…」
みゆ「今度はここはどうかしら?」
アミティ「びっくりハンバーグ…ハンバーグのレストランだ!!」
たくみ「市長はよくこのレストランに食事しに来るんだ」
みゆ「たくみくんと市長と私の3人で来る事もあるわよね!」
リデル「いいですね…ハンバーグも美味しそうです…」
店員さん「こちらスペシャル和牛ハンバーグセット8人前です」
アミティ「すごーい!!美味しそー!!」
リデル「いい匂いです…」
店員さん「そしてセットのコンソメスープが3つ、同じくセットのコーンスープが5つになります」
アミティ「あたしコーンスープ!!」
ラフィーナ「はいアミティさんのコーンスープ、リデルさんもコーンスープかしら?」
リデル「はい…ありがとうございます」
シェゾ「Dシェゾはコンソメか?」
Dシェゾ「ああ…ありがとう」
りんご「すみません奢っていただいちゃって…」
みゆ「いいのよ、市長探しに協力してもらっちゃってるしそれに…半額クーポンも持ってたし!」
たくみ「そのクーポン今日までだったんだろ?」
みゆ「そう!みんなのおかげでこのお得なクーポン無駄にしなくて済んだわ…ありがとうね」
ラフィーナ「お礼を言うのはこちらですわよ!」
アミティ「ハンバーグ美味しいー!!」
りんご「さすがスペシャル和牛ハンバーグってだけあります!すごく本格的で美味しすぎますね…」
アミティ「コーンスープも美味しい〜!!」
リデル「このコーンスープ、コーンのつぶ入りです…!」
アミティ「ほんとだね!あたしコーンの粒大好き!!」
リデル「私もです…粒の食感と噛んだ時にこぼれる甘みがたまらないですよねー」
Dシェゾ「コンソメスープ…美味いな」
りんご「コンソメスープ美味しいですよね!私も大好きですよ!」
ラフィーナ「あ、それで…」
みゆ「あ、そうだったわ…ふうかちゃーん!!」
ふうかと呼ばれた女性「はーい!」
アミティ「あの店員さんお知り合いですか?」
たくみ「ああ…みゆの高校の同級生、ここで働いていて僕や市長とも仲がいいんだ」
ふうか「いらっしゃいみゆ!たくみも!」
たくみ「よう…」
ふうか「あら?そちらの方々は?」
たくみ「ああ…まあちょっと色々あって知り合った子達だ」
ふうか「そうなの!…で、どうしたの?なにか相談?」
みゆ「あ、あのねふうか…市長の事なんだけど…」
ふうか「あー…そういえばこの前市長さん、1人でお店に来てたわね…」
たくみ「本当か!?」
みゆ「それ!いつの話!?」
ふうか「そうね…確か5日前…かしら?」
みゆ「5日前…」
シェゾ「となると…行方不明になる前々日だな」
ふうか「確かお昼のランチの時間に来たわ」
たくみ「なあふうか…その時に市長に何か変わった事はなかったか!?」
ふうか「ええ…変わった事…??急にそんなこと言われても…」
アミティ「じゃあ、その時市長さんと何かお話ししましたか?」
ふうか「お話…」
ラフィーナ「ほんと些細なことでも何でもいいんです!何か少しでも手がかりが欲しくて…」
ふうか「そうね…そういえば市長さん、最近絵を描いてるって言ってたわ」
Dシェゾ「絵を?」
ふうか「ええ…確か、野口英世や樋口一葉、福沢諭吉の絵を描いてるって…」
ラフィーナ「まあ…」
シェゾ「野口英世も樋口一葉も福沢諭吉も、全員札に載ってる人物…札…はっ!!まさか!!」
ラフィーナ「シェゾさん…?」
シェゾ「お前ら!それを食ったらすぐに市長の家に戻るぞ!!」
アミティ「シェゾ、何か分かったの!?」
シェゾ「ああ…とりあえずお前らそれをすぐに食べろ!」
リデル「あ、はい…分かりました…」
みゆ「ねえ!どうしたの?」
たくみ「何が分かったんだ!?」
シェゾ「ああ…!市長が描いてると言ったあの絵の人物…野口英世も樋口一葉も福沢諭吉も…全員札に載ってる人物なんだ!!」
みゆ「お札…はっ!まさか…」
たくみ「もしや…偽札を作らされてるとかか!?」
シェゾ「そうだ!野口英世などの札の人物の絵を描くのが上手な市長は、何かの犯罪組織の奴らに目を付けられて誘拐され、そいつらに脅されて偽札を作らされてるいるかもしれない…!」
Dシェゾ「なるほど…相手は偽札が必要な組織…それで偽札を作らせる為に札の人物の絵が上手い市長を誘拐したんだな…」
リデル「確かにそれなら連絡が取れない事にも説明がつきます…!」
ラフィーナ「ええ!この組織のヤツらに脅されていたから…!」
たくみ「とりあえずまずは市長の家に…!」
ピンポーン
たくみ「市長!市長!!」
みゆ「市長!!」
アミティ「やっぱり出ないね…」
シェゾ「…!?」
ラフィーナ「やっぱり…市長は誘拐されたんじゃ…」
シェゾ「いや、この家には誰かいる…!」
アミティ「え?なんで…」
シェゾ「ここんちのポストをよく見てみろ!」
ラフィーナ「ポスト…?」
シェゾ「さっき1度この家を去った時に郵便局の人が配達に来ただろ?」
リデル「はい…配達員さん私達に郵便物を渡そうとしてたけど、でも私達はこのお家の人じゃないって言って…そしたらあの人郵便物をポストに…」
アミティ「ああー!!!」
Dシェゾ「…!?本当だ…!!」
シェゾ「ああ…ないんだよ…さっき届いた郵便物が…このポストの中に…!」
みゆ「という事は市長は!?」
たくみ「この家の中に…!!」
みゆ「市長!市長!!市長ー!!」
たくみ「居るなら出てくれ!!」
シェゾ「待て!もしかしたら組織の奴らも中にいるかもしれない…」
Dシェゾ「ああ…この家はもう既に占拠されている可能性も…」
りんご「なるほど…迂闊に動くと私達まで危険な目に…」
ラフィーナ「でも確かに少しおかしいと思っていましたわ!誘拐されて家に居ないとしたら…でもその割にはポストが綺麗だなって…!」
リデル「そうですよね…3日も家に居なければポストがパンパンになっていてもおかしくないですのに…」
アミティ「確かに!!そう言われてみれば…」
たくみ「くそ!もしかしたら中にその組織のヤツらがいて、市長はもう既に…!」
アミティ「大変大変大変!!!」
リデル「とりあえず…警察に連絡を…!」
ラフィーナ「まって!でも…これがほんとに事件だって証拠は…残念ながらありませんわ」
たくみ「た、確かに…これはもしかしたらって話であって、本当にそうって決まったわけじゃないもんね…」
Dシェゾ「市長が誘拐された所を見たとか、組織の人を見たとか…そう言った決定的証拠がある訳でもないしな…」
りんご「もしかしたら違うって可能性だって…全然ありますしね…」
シェゾ「決定的証拠がないのに警察を呼ぶのはまずいか…」
みゆ「そうね…それでもし違ったら…誘拐犯も市長も誰も出てこないんじゃどうしょうもないわ、今日は1度解散しない?」
たくみ「それがいいかもね…」
アミティ「それじゃあ明日また来ます!」
リデル「はい…明日また話し合いましょう」
ラフィーナ「明日また来ますわ」
たくみ「君たちももし何か気づいたことがあったら僕たちに教えてね」
アミティ「はーい!」
次の日
ラフィーナ「市長さんはまだ見つかりせん?」
たくみ「ああ…今日も来てないよ…」
みゆ「相変わらず連絡もつかないわ」
アミティ「あたし達、今日朝少し早めに集まって市長の家を観察しましたけど…やっぱり犯罪組織っぽい人達なんて見かけませんでした…」
たくみ「そうか…それっぽい人さえ見つけられれば決定的証拠になるんだけど、それすらも目撃情報がないんだもんな…」
Dシェゾ「やっぱりそんな組織とは関係ないとか…?」
リデル「はい…もしかしたらこれは事件じゃないとかですかね…?」
アミティ「でも市長は何故か音信不通で行方不明なんだよ!それなのに、なんにもないわけ…」
シェゾ「ああ…何かあるとは思うんだが、なんで市長は連絡すらも寄越さないんだ…」
みゆ「市長…」
ガラ
???「…」
アミティ「ん?」
たくみ「…はっ!?」
みゆ「市長…市長!?」
アミティ「え、ええー!?」
ラフィーナ「市長さん!?」
市長「…」
みゆ「市長!市長ですよね!?」
市長「…」コクリ
たくみ「市長!!一体今までどうしてたんですか!!」
みゆ「そうですよ!!一切連絡もよこさずに…!!私達、家にも何度も行きました!!」
たくみ「全く連絡をよこさないと思いきや突然戻ってきて…本当に何があったんですか!?」
みゆ「市長!!」
市長「…」
たくみ「市長…?」
市長「…声が…おかしくなってしまったん…ですわ」
みゆ「え?何?今の声…」
たくみ「今、市長から女の声が聞こえた…?」
市長「ええ…何故か声がこんな女の声になってしまって…しかも普通の口調で話せないの…何故かどうしても女の口調になってしまうんですわ!!」
たくみ「はあー!?」
みゆ「なんで!?どうしてそんなことに…?」
市長「あれ確か3日前の朝…前日のカラオケのせいで喉の調子が悪かったのよ…そしたら通りすがりの長い金髪の女の子が喉の調子が良くなるのど飴を売っていて…それを買って舐めたんですわ…そしたらこうなりましたの…」
アミティ「長い金髪の子が薬を?」
Dシェゾ「おい…それって…」
シェゾ「ああ…まさか…」
ウィッチ「おいっす!市長さんごきげんよう!あら?あなた達、何故こんな所にいらっしゃるんですの?」
アミティ「ああ…やっぱりウィッチだ…」
ウィッチ「まあいいわ、そんな事より市長さん!先日差しあげた喉の調子が良くなるお薬、いかがでした??」
市長「いかがでした?じゃないわよ!!あの飴を舐めてからもう散々よ!!こんな変な声になっちゃうし、こんな恥ずかしい喋り方でしか話せなくなっちゃうし…!」
ウィッチ「まあ…それは…女性の声になる飴タイプのお薬ですわね」
りんご「女性の声になる薬…?」
ウィッチ「その飴を舐めると誰でも女性の声になりますの!そして口調も女性の口調っぽくなるののよ!あの時、きっと喉が良くなるお薬と間違えてその女性の声になるお薬をお渡ししてしまったのね…同じ飴タイプのお薬でしたから、ついうっかり!」
市長「うっかり!じゃないわよ!!あなたのせいで酷い目にあったわよ!早く戻してちょうだい!」
ウィッチ「わ、分かりましたわよ!すぐに解除薬を差し上げますからそんなに怒らないで!」
市長「ごくごく…ふう…何とか元に戻った…」
たくみ「市長…失踪した理由ってもしかして…声がそんなになってて他の人に聞かれるのが恥ずかしかったからずっと家に隠れてたんですか…?」
市長「そうなんだよ!いやーあんな声とあんな話し方を皆に聞かせるのはとても恥ずかしいから…」
みゆ「でも…それなら正直に言ってくれれば良かったのに…」
たくみ「そうですよ!連絡ぐらいしてくれたって良かったじゃないですか!!」
市長「声が変わってしまったのがほんとにショックだったんだ、だからもう連絡もする元気が無くなるほど落ち込んでいてな…」
みゆ「まあ…そうだったんですね…」
市長「君たちが何度も家に来たのは気づいていた…でも、あの声と口調を皆に聞かれたくなくて…せっかく心配して家にまで来てくれたのに…本当にすまなかった」
たくみ「よっぽどショックだったのは分かったけど…でも!せめて連絡の1本ぐらいくれても良かったじゃないですか!!僕たち本当に心配したんですから…!」
みゆ「まあでも…市長が無事で良かったです!」
たくみ「そうだね…誘拐とか事件じゃなくて良かったよ!」
アミティ「あ!でも市長、最近お札の人物の絵を描いてるって…」
たくみ「あ、そうだった!市長!なんでそんな野口英世やら福沢諭吉やらの絵を描いていたんですか??」
市長「野口英世とかの絵…?」
たくみ「昨日びっくりハンバーグに行った時にふうかから聞いたんだよ!市長、最近お札の人物の絵を描いてるって言ってたって!」
市長「あ、ああ…あれはな…来月絵画コンクールに出すためだよ!」
たくみ「は…?」
アミティ「絵画コンクール…?」
Dシェゾ「あ…そういえば、市役所に絵画コンクールのポスターあったな…」
市長「そうそう!それでね!その絵のお題が歴史上人物なんだよ!!」
シェゾ「それで野口英世とかなのか…」
Dシェゾ「でもなんで寄りにもよって全員札の人物の絵なんだ…?」
りんご「そうですよ!野口英世、樋口一葉、福沢諭吉の絵を描いてるって聞いたんですけど、この3人どれも全員お札に載ってる人じゃないですか!」
市長「それはね…歴史上人物誰の絵を描くか考えている時に私…うっかり財布を落としてしまってな!!その時に私の財布の中のお札がその辺に飛び散ったんだ!」
ラフィーナ「はあ…」
市長「その時、私の財布の中から飛び出したその札を見て彼らの中の誰かにしよう!って思いついんだ!!とりあえず全員1回描いてみてその中でしっくりくる絵をコンクールに出そうって…」
アミティ「なるほど…そういう事だったんですね…」
みゆ「市長がこーゆう人だって事…すっかり忘れてたわ…」
リデル「じゃあ…市長さんは犯罪組織の人に捕まって脅されて偽札を作らされていたわけじゃないんですね…?」
市長「犯罪組織?偽札?はっはっは!!そんな冗談を!!推理物のアニメやドラマじゃないんだからそんな事あるわけないだろ!!はっはっはっはっは!!」
アミティ「はっはっはっはっは…事件じゃなくて良かった…」
みゆ「まあでも…市長が無事で本当に良かったわ…」
たくみ「ほんとに…でも市長!次もしまたこのような事があったらその時はちゃんと教えてくださいね?」
市長「また冗談を!!こんな事が2度もあってたまるか!!あっはっはっはっは!!」
みゆ「市長…」
たくみ「ほんとに大丈夫か…?」
アミティ「まあ!市長も見つかって無事解決ですね!」
市長「そうと決まれば諸君!プリンプ夏祭りはもうとっくに終わっている!!早くのぼりを片付けるぞ!」
たくみ「ったく…偉そうに…お前がいなくなったせいで片付けられなかったんだろ…」
みゆ「まあまあ…」
その日の夜
たくみ「市長探しに協力してくれて本当にありがとう!」
みゆ「本当に助かったわ」
アミティ「いえいえ!市長さんが無事でほんと何よりです!」
シェゾ「というかむしろ俺らの知り合いがほんとにご迷惑かけました、だな…」
Dシェゾ「な…まさか原因がウィッチの魔法薬だったとはな…」
ラフィーナ「1本売れたってウィッチさん言ってましたけど…あれは市長さんだったんですね」
アミティ「ね!びっくり!!」
市長「いやーでも中々珍しい事が体験出来たよ!!」
たくみ「変な声と話し方にショック受けて連絡もせずにずっとひきこもってたくせに…」
アミティ「あたし達のお友達が迷惑かけたお詫び…的な感じなんですかね…?今回はあたし達が美味しい料理をご馳走します!」
ラフィーナ「そしてお金も気にしなくていいんですわよ、今日はこのウィッチさんの奢りですわよ!」
ウィッチ「なんでこうなるんですのー!」
Dシェゾ「お前に悪気がないのは分かるが…薬を間違えて迷惑かけた事には変わりないからな…」
みゆ「そんな…お金なんて私たち自分で払うのに…」
ラフィーナ「いいんですいいんです!大変超ご迷惑をおかけしたんですからこのぐらいどうって事ないですわ!!ほらほら!このデラックスミートコンボなんでどうです??」
ウィッチ「ちょっとそれ!このお店のメニューで1番高いメニューじゃない!!」
たくみ「サーロインステーキ150gにハーフチキン、ラムチョップグリルの3種盛りセットなんだね…すごいな」
市長「それすごい美味そうじゃないか!じゃあ私はそれで!!」
みゆ「ええ!?市長!そんなに食べられるんですか!?」
市長「ウィッチちゃんの奢りなんだろ??いいじゃないか!!あの事件の責任もとって貰わねばならんしな!」
ウィッチ「そんな〜!!」
市長「ははははは!冗談冗談!別にもう怒ってないよ!」
ウィッチ「ホッ…」
ラフィーナ「いやいやでももう怒ってなくても迷惑かけたのは事実ですのでウィッチさんが奢ります遠慮しないでください!!」
ウィッチ「ちょっとラフィーナさん!!ああ!分かりましたわよ!!奢りますわ!!ご迷惑お掛けして本当に申し訳ございませんでした!」
市長「ええー!?本当に奢ってくれるのかい!?いやー嬉しいねぇ!それじゃあほんとにこのデラックスミートコンボにしようかな!」
みゆ「市長!いくら奢って貰うとはいえ、もう少し気を遣って安いのにしてください!!」
市長「ははははは!冗談だよ!それじゃあトマトソースのオムライスにしようか!セットにする!」
たくみ「市長オムライスにするんですか!いいですね!それじゃあ僕はこの彩り野菜のミートソースパスタにしようかな…僕もセットで!」
みゆ「私はサーモンとほうれん草のチーズグラタンにしようかしら…私もセットでね」
アミティ「セットはサラダとドリンクがつきます!」
シェゾ「セットのドリンクはどうする?」
市長「私ビール!!」
たくみ「僕はジンジャーエール!」
みゆ「ミルクティーお願い」
アミティ「はーい!」
リデル「ドリンクはいつ頃お持ちしましょうか?」
市長「ビールすぐに飲みたいからすぐにね!!」
みゆ「ジンジャーエールとミルクティーも先でお願い」
リデル「かしこまりました」
みゆ「にしてもあなた達もお店やっていたなんてね…」
たくみ「ほんとに!このお店が去年の夏に新しく出来たのは知ってたけど…まさか君たちのお店だったとは!僕、ここ結構前から気になってたんだよねー!」
アミティ「そうだったんですね!ありがとうございます!きっとこれも何かの縁ですね!」
りんご「来てくださって本当にありがとうございます!」
シェゾ「おーい!ドリンク先に用意してくれ!」
???「了解ですわー!!」
シェゾ「…は?」
リデル「今…知らない女の人の声が聞こえましたよね…?」
ラフィーナ「ええ…何…?」
サタン「うっふふふふふ♡」
シェゾ「げっ!サタン!!」
アミティ「え!今のあの声サタンの声!?」
サタン「お待たせいたしました♡こちらビール、そしてジンジャーエール、ミルクティーでございますわ♡」
たくみ「は、はあ…」
みゆ「ありがとう…」
クルーク「こちらはセットのサラダでございますわ♡」
アミティ「ええ!いまクルークからも知らない女の人の声がしたよ!?」
シグ「お料理の方はもう少々お待ちください…えへ♡」
りんご「シグ…そんな…シグまで女の人の声…」
アミティ「シグは…まあちょっと可愛いかも…」
ラフィーナ「ええそうね…シグはまだ許容範囲かしら…?」
Dシェゾ「そういえばウィッチ…昨日、店に行って皆に薬を試して貰うって言ってたな…」
アミティ「ああー!!」
ラフィーナ「それじゃあまさか…その薬も…」
ウィッチ「ええ…そっちも間違えていたみたいですわね、えへ」
りんご「えへ、じゃなーい!!」
アミティ「みんなを早く戻して〜!!」
シェゾ「女言葉を喋る男はしばらく懲り懲りだ…」
おわり
