アミティ「今日はみんなで高級フレンチレストラン!」


ラフィーナ「お父様が食事券を送ってくださりましたの、みんなで行ってきなさいって」


アルル「ラフィーナのお父様ほんとにいつもいつもありがとうございますだね…」


リデル「皆さんと高級フレンチ嬉しいです…」


りんご「はい!ほんとです」


シェゾ「フレンチもいいな」


レムレス「だねだね!」


サタン「ああ、ほんとだ」


アミティ「でも!いつも食べてるイタリアンとフレンチ?って何が違うの?」


りんご「イタリアンと言えば真っ先に思いつくのはオリーブオイルではないでしょうか。イタリアは言わずと知れたオリーブオイルの一大産地ですが、イタリアンではオリーブオイルを、炒めるのに使うのはもちろん、蒸したり焼いたり、サラダのドレッシングや料理の仕上げにかけたり等、どんな料理にも使われます!」


サタン「ほう…」


りんご「一方、フランスは酪農大国なので、乳製品をよく使います。オリーブオイルを使うこともありますが、フレンチでオリーブオイルがメインになることはありません。野菜のソテーにはバターを、ソースには生クリームなどを多用するのがフレンチの特徴と言えます!」


アルル「まってまってりんご!難しい説明でアミティが混乱してるよ!」


アミティ「ううん…りんご早口で凄いこと喋るから分からない…」


りんご「ごめんごめんアミティ」


ラフィーナ「アミティさんに分かりやすく説明するとしたら、まあ要するに使う調味料の違い?ぐらいかしら…?多分」


アルル「あとテーブルマナーも少し違うって聞いた事ある!」


レムレス「そうそう!僕も少ししか知らないけど確か、イタリアンはスープを飲む時残り少なくなったら皿の手前を浮かせる、食べにくい料理は手づかみで食べても大丈夫、フレンチの場合は皿の奥を浮かせる、そして手づかみはダメ、とかそんな感じだっけ?」


シェゾ「確かそうだ、よく知ってるな」


サタン「あとイタリアンの場合はパスタはフォークのみで食べる、とかフレンチの場合はサラダとかの生野菜は切らずに折りたたんで食べる!とか」


アミティ「食べ方の違いもあるんだ…じゃあ気をつけなきゃだね!」


ラフィーナ「本日のメニューは鮃のカルパッチョ、鮟鱇と鮟肝のミルフィーユ仕立てロッシーニ風、すっぽんのコンソメスープ、黒鮑の蒸し焼きとフカヒレのビクスソースがけ、特選黒毛和牛ヒレ肉炭火焼き 温野菜黒胡椒バターソースがけ、デザート盛り合わせ、コーヒー小菓子、ですわ!」


シェゾ「相変わらずすごい高級なやつばっかりだな…」


アルル「そうだよね…」


サタン「正直何も頭に入ってこない…」


りんご「でも絶対すごく美味しいですよ!楽しみです」


レムレス「うんうん!高級フレンチだもんね!」


アミティ「すっごく楽しみー!」


???「おーっほっほっほ!!!」


シェゾ「ん?」


サタン「なんだ?」


マスター「いらっしゃいませお待ちしておりました、ご予約のレジーナ姫様」


レジーナ「マスターごきげんよう!この私こそがプリンプタウンの隣町の隣町の隣町の女王様、レジーナですわ!!」


アルル「隣町の隣町の隣町って…」


りんご「近いのかと思ったらそんなでもないんですね…」


レムレス「でも女王様なんですね!すごい人だよきっと」


サタン「でもその名前、どこかで…」


シェゾ「確か、家が超金持ちで世界のありとあらゆる宝石を沢山持っていて…」


りんご「あー!もしかして家には沢山の宝石があるけど家にはものすごいセキュリティが張り巡らされてるから絶対に家に侵入する事は出来ない!もし宝石を盗みたきゃこの私事誘拐してみなさい!って挑発して一時期少し炎上したあのレジーナ姫では!?」


レジーナ「そう!それがこの私よ、うちにはとんでもないぐらいのセキュリティがかかってますもの!絶対に入ることは出来ない!だから宝石が欲しけりゃ私事誘拐してみなさい!おーっほっほっほ!!」


お供さん「でもそんな挑発して…もしほんとに誘拐なんかされたら大変ですよレジーナ姫…」


サタン「そんな挑発しちゃって大丈夫なのか…?」


シェゾ「結構めんどくさいタイプだなこりゃ…」


レジーナ「マスター!早く高級フレンチを!」


マスター「かしこまりました、他の皆様のもすぐに」


アミティ「はーい!」


アルル「楽しみだね高級フレンチ!」


ラフィーナ「ちょっと御手洗ですわ」


レジーナ「食事の前に御手洗行こうかしら」


お供さん「姫に何かあったら大変なのでトイレの前までお供いたします」




ラフィーナ「早く戻らなくちゃ…ええっと…ハンカチハンカチ…あら、ない?この私がハンカチを忘れてしまうなんて…」


レジーナ「あら?あなたはさっきの賑やかな子達の中にいた…ハンカチ忘れたの?これ使いなさい」


ラフィーナ「あなたは…レジーナ姫!そんな、あなたみたいな姫からハンカチを借りる事なんかできませんわ!」


レジーナ「いいのよ!ハンカチなんて汚れるのが役目でしょ、ほら使って!」


ラフィーナ「そう?なら…ありがとうございます…」


レジーナ「あなた、お名前は?」


ラフィーナ「ラフィーナ…私、ラフィーナですわ!」


レジーナ「ラフィーナって言うのね!一人称が私って事は…あなたももしかしてどこかのお嬢様?」


ラフィーナ「そうですわ!私の家もすごいお金持ちですわ!私はそこに生まれたお嬢様のラフィーナよ!」


レジーナ「あなたもそうなのね!性格とかはもちろん、よくよく見ると顔も少し似てるわね?」


ラフィーナ「確かにそうですわね!」


レジーナ「ねえ、もしだったら私と入れ替わってみない?」


ラフィーナ「入れ替わる?どういう事ですの?」


レジーナ「服を入れ替えて、こうして髪を高い位置でお団子にしてみれば…ほら、私にそっくりになった!」


ラフィーナ「まあ!でもあなたは髪色…金髪ですからそんなのすぐバレますわよ?」


レジーナ「大丈夫!ピンクの毛染めスプレー持ってるから!」


ラフィーナ「なんでそんなん持ち歩いてますの…」


レジーナ「私も髪を下ろすとあなたと同じぐらいなの!このアイロンで巻き毛にしてピンクの毛染めスプレーかければ…ほら!ラフィーナにそっくりでしょ?」


ラフィーナ「まあ!」


レジーナ「ねえ、しばらくこのままでいない??みんなはどんな感じの反応になるかしらね?」


ラフィーナ「でも…直ぐにバレません??」


レジーナ「こんなに似てるんだもの!性格も似てるみたいだし大丈夫よ!」


ラフィーナ「そうかしら…」


レジーナ「このファッション!中々じゃない!たまには髪を下ろして巻いてもいいわね!」


ラフィーナ「先に戻りますわよ…」


お供さん「…」


ラフィーナ「あら?着いてこないのね…もしかして私が姫じゃないって気づいてる?」




レジーナ「るんるんるーん」


お供さん「姫、一体なんのおつもりで?」


レジーナ「え?何を言ってるの?私はラフィーナよ!ラフィーナ!」


お供さん「姫、バレバレの嘘はおやめ下さい、何でこんなことを?」


レジーナ「うう、やっぱダメか…」




ラフィーナ「だからすぐバレるって言ったのよ…」


???「フッ」


ラフィーナ「…!?」


???A「お前、レジーナ姫だな」


ラフィーナ「なっ…ち、違います!」


???B「嘘をついても無駄よ、あたくしらの目的はあんたんちの宝石を盗む事、あんたの挑発通りまずはあんたごといただくよ!」


ラフィーナ「やっ…!」


???A「おっと、喋るな?大人しくしろ、まあこの銃が本物かどうか知りたきゃ好きにしていいがな…」


ラフィーナ「…そんな…!」




アミティ「ラフィーナ遅いね〜」


リデル「確かに遅いですね…」


アミティ「もうお料理来ちゃうよー?」


シェゾ「ん、なんか知らないやつ2人が外に…あんなやつ最初から店にいたか?それにその後ろに…あれは…レジーナ!でもお供が居なくなってる…」


お供さん「姫、本当になんであんな事を?」


レジーナ「いいじゃない!何をしたって私の勝手よ!」


リデル「あれ、ラフィーナさん!」


アルル「でもなんでラフィーナが姫のお供さんと喋ってるの?」


レムレス「いや、あれはラフィーナの声じゃないな」


サタン「あれはもしや、姫?」


りんご「あれが姫!?でもなんで姫がラフィーナの服を…?」


シェゾ「…!それじゃあさっき外に出た姫はまさか…!」


バーン!!!


アミティ「え!?」


アルル「何!?」


レジーナ「ええ!?一体なんの音よ…」


シェゾ「今の音、銃声か!?…まさか!」


アミティ「銃声ってなに!?あ、シェゾ待って!」


サタン「私も行く!」




シェゾ「ラフィーナ!!…いない…」


サタン「遅かったか…」


アミティ「さっきお供さんと話してたラフィーナがラフィーナじゃないってどーゆうこと!?」


サタン「あいつはラフィーナの格好をしたレジーナ姫だ!」


アミティ「さっきのラフィーナはラフィーナじゃなくて姫だったって事!?…それじゃあ本物のラフィーナは…?」


サタン「おいシェゾ、これは…」


シェゾ「これは血痕だな…まだ真新しい…!見ろ、そこの駐車場に続いてる」


サタン「…まさか…!」


レムレス「シェゾ!アミティ!」


アルル「サタン!」


アミティ「本物のラフィーナはどこ…?ねえ!どこに行っちゃったの!?」


シェゾ「レムレス、直ぐに警察を呼べ」


レムレス「警察!?まさか…」


シェゾ「ああ、そのまさかだ、お前ら落ち着いてよく聞け」


アルル「え?なに…?」


シェゾ「多分だけど、ラフィーナがさらわれた…そこのレジーナ姫と間違われてな!」


アミティ「そんな!うそ!」


アルル「ラフィーナが!」


シェゾ「この血痕、恐らくラフィーナはここでどこかを撃たれてここに停めてあった車に乗せられてそのまま連れ去られた可能性が高い…!」


サタン「多分絶対そうだ」


アミティ「そんな…ラフィーナが…」


シェゾ「すみませんマスター!車貸してくれねえか!?」


マスター「え、ええ…私のお車で良ければ…」


アミティ「あたしも行く!」


サタン「私も着いていこう」


シェゾ「それに…やつらが連れ去ったのがレジーナじゃない別人だってバレたら、もしかしたら口封じのためにラフィーナの命を…レジーナ!この事件が解決するまでこのレストランから一歩も外に出るな!絶対だ!」


レジーナ「え、ええ…でも、あたしのせいだ…あたしのせいで…」


アルル「それは後で話を聞くとして!今はラフィーナを助け出すことが先決だよ!」


シェゾ「いくぞ!レムレス、他のみんなやレジーナを頼んだ!」


レムレス「おっけー任せて!」




アミティ「とは言っても犯人の車なんてどうやって…」


シェゾ「あの駐車場の血の量を見たか?すごい量だったんだ、だからきっと車にも血痕が着いてるはず…!」


サタン「そういえばラフィーナはGPS機能が付いてる腕時計付けてたよな」


アミティ「多分!今日もつけてたと思うよ!」


シェゾ「もしもの時のためにあの腕時計を俺の携帯に登録してある、それを…!」


アミティ「…!ラフィーナから電話だ!」


サタン「スピーカーにして聞かせてくれ」


シェゾ「ラフィーナ!おい!大丈夫か!?」


アミティ「ラフィーナ!!」


ラフィーナ「シェゾさん…アミティさん…!」


アミティ「ラフィーナ!今どこ!?どこにいるの!?」


シェゾ「今話せる状況だったら、何があったのか教えてくれ」


ラフィーナ「レストランのトイレで…レジーナ姫と服を取り換えて入れ替わって…トイレから出た時に、知らないふたりに姫と間違われて捕まって…」


サタン「やっぱりか…」


ラフィーナ「それで、駐車場で太ももを拳銃で撃たれてしまって…今は彼らの車のトランクの中よ…トランクの中だから話しても彼らにはバレないだろうけど…けど、いつまで持つか分からなくて…」


シェゾ「状況は分かった、絶対すぐに助けに行くから待ってろ!」


サタン「ああ、場所はお前の腕時計のGPSで分かるからな、すぐに行く」


アミティ「ねえ!車は何色?」


ラフィーナ「黄色のセダンよ…私をトランクに閉じ込める際に…血痕がついたはずだから見ればわかると思う…」


シェゾ「黄色のセダン、それに血痕…!」


サタン「…あの車だな」


シェゾ「今見つけた、すぐに行く!」




誘拐犯A「レジーナ姫も大したことなかったな」


誘拐犯B「ええ、あんな挑発してきたくせにそんなあっさり捕まえられるとはね…姫とか名乗ってる割に、頭脳はただの頭の悪い人間と同じみたいよ」


誘拐犯A「…なあ、あの車さっきからずっと着いてきてねえか?」


誘拐犯B「そうねぇ、あの運転してる男…!」




シェゾ「追いついたぜ…おい!車を止めろ!」


誘拐犯B「やっぱり!さっきレストランにいた男よ!」


誘拐犯A「姫を助けに追ってきたのか!?」


誘拐犯B「でもそんな簡単に姫を返す訳には行かないね!スピード出して!」


誘拐犯A「ああ!いけえ!!!」




シェゾ「やばい、気づかれたかもしれねえ!」


アミティ「うそ!」


サタン「スピード出してきたな」


シェゾ「でもこっちは仲間が連れ去られてるんだ、こっちもいくぞ!しっかり捕まってろ!」


アミティ「うん!」




誘拐犯B「やだ、あの車も負けないぞ!的な感じに追ってくるよ!」


誘拐犯A「なーに、こういう時はこうすればいいんだよ、えーい!!」




シェゾ「なに!?あれは手榴弾か!?」


サタン「やばい、避けろ!」


シェゾ「ぐっ…!」


アミティ「きゃあああー!!」


サタン「ぐはっ!」


シェゾ「大丈夫か2人とも!」


アミティ「あたしは大丈夫!」


サタン「私も何とか…」


シェゾ「よくやってくれるな…!」




誘拐犯B「避けられたみたいだね、でも!もうひとつお見舞するよ!」




シェゾ「なに!まただ!また投げてきたぞ!」


アミティ「しかも今度は何個も何個も…」


サタン「避けろ!」


シェゾ「もちろん!ぐっ…!」


アミティ「きゃあー!!!」


サタン「うっ!うわぁ…」


シェゾ「まだだ…まだまだ…」


サタン「捕まってろアミティ!」


アミティ「うん!」


シェゾ「でも手榴弾が多すぎてやばい…!」


サタン「おい、更にスピード出して逃げるぞ」


アミティ「でもこの手榴弾の数だよ!同じスピードなんか出しちゃったら…」


シェゾ「くそ…ダメだ追いつけない…」


アミティ「そうだ!シェゾのアレイアードスペシャルを撃てばいいんじゃない!?」


シェゾ「ダメだ!」


アミティ「なんで!?だって向こうは手榴弾投げてきてるんだよ!?容赦ないじゃん!」


シェゾ「そうでもして止めたいところだが、そんなことしたらラフィーナを巻き込んでしまう!」


アミティ「あ、そっか…」


サタン「要するにラフィーナが人質にされてるのと一緒だ、全く厄介なことをしてくれるもんだ…」




誘拐犯B「さすがにスピード落ちてるよ!」


誘拐犯A「だな、まああの数の手榴弾だ、さあこの隙にスピードもっと出して逃げるぞ」




シェゾ「ダメだ逃げられた…」


アミティ「そんな…!」


サタン「あの手榴弾に見事にやられたな…あの数がばら撒かれた道路をあのスピードで走ると我々の命も危うくなってしまう…」


シェゾ「くそ…あいつら…やってくれたな…!」




誘拐犯A「あの車、上手くまいたぞ」


誘拐犯B「手榴弾で妨害作戦成功だね!あの車の中々スピード出してたし、あのスピードで前に物投げられたらもうたまらないでしょ!」


誘拐犯A「でも妙だな…あいつ、なんで俺らが犯人だって気づいたんだ?」


誘拐犯B「そういえば姫の携帯とか取り上げてなかったくないかしら!」


誘拐犯A「そうじゃん!俺らバカじゃん!!あはは!そりゃーバレるわ!あははは!」


誘拐犯B「そんな軽いノリでいいのかい…?」


誘拐犯A「というのは置いておいて!そうだな、姫の荷物調べる必要があるな…」


誘拐犯B「そうね…!」




シェゾ「おかしいな…」


サタン「どうしたシェゾ」


シェゾ「ラフィーナからの電話切れちまったし、かけても出ない…それに腕時計も同じ場所に止まったまま…」


サタン「まさか」


アミティ「ねえ、道の隅っこになにか落ちてるよ?」


サタン「シェゾ、車停めてくれ」


シェゾ「ああ、これは…」


サタン「ラフィーナの携帯と腕時計じゃないか!」


シェゾ「そうか、やっぱりバレっちまったか…」


アミティ「それじゃあ!ラフィーナを追いかけられなくなったってこと…?」


シェゾ「いや、でも車のナンバープレートは覚えている、それを警察に伝えれば…」


サタン「いや、それは多分無意味だな」


シェゾ「は?なんで…」


サタン「みろ、一緒にナンバープレートも落ちてる」


シェゾ「これは…あの車の!」


サタン「これがここにあるってことは今はもう違うナンバープレートにして走っている事になる」


シェゾ「そうか…ナンバープレートのひらがなが「し」になってる…「し」は死を連想させるから基本は使われない、そうか偽造のナンバープレートだったか…」


アミティ「ねえ…もしこのままラフィーナを助けられなかったらラフィーナはどうなっちゃうの…?」


サタン「それは…もちろん…」


シェゾ「やめろサタン、アミティ大丈夫だ、俺らで絶対にラフィーナを助けるぞ」


アミティ「そ、そうだよね…いつもなんだかんだで助けることが出来てるし今回も助けられるよね!」


シェゾ「ラフィーナはそんな簡単にやられる程弱くは無いはずだ、だから…!」


アミティ「そ、そうだね!」


サタン「おい、シェゾ、携帯呼んでるぞ」


シェゾ「レムレス?」


レムレス「警察に通報したよ、君たち今高速道路にいたよね」


シェゾ「そうだが…でも犯人には逃げられてしまった」


レムレス「その高速道路降りての所、あちこちに検問を張ってもらったよ、だからそこでその黄色のセダンの車は捕まるはず!」


シェゾ「なぜそれを…」


レムレス「そのマスターの車にはドライブレコーダーが付いてるんだ」


サタン「ドラレコだと!」


アルル「そう!マスターの携帯から直接カメラ映像が見られるんだよ!」


マスター「はい、だから今までの状況は全て見ておりました」


りんご「そうそう!黄色のセダンをおっていた事も手榴弾を投げられた事も!」


シェゾ「そうか…なら話はまあ、早いかもな」


アミティ「あ、でも逃げられた上にナンバープレート変えられちゃったんだ…」


アルル「ナンバープレートが違くても黄色のセダンなんてすぐに見つかるよ!大丈夫!」


アミティ「そっか…そうだよね!」


レムレス「警察にシェゾの携帯の番号教えたんだ、だから見つかったら直ぐに連絡が行くはず!」


シェゾ「そこでラフィーナを助けることができるってわけか…!」


レムレス「そう!」


サタン「おい、レジーナは?ちゃんといるんだろうな」


リデル「はい、お姫様もちゃんと居ます」


レジーナ「あたしのほんの軽いイタズラのせいで…本当にごめんなさい…」


サタン「ほんの軽いイタズラ?貴様…これがほんの軽いイタズラのレベルなのか?」


レジーナ「うっ、そうよね…」


サタン「とりあえず説教はこれが解決してからだ、覚悟しておけ」


レジーナ「はい…」


シェゾ「レジーナはもちろん、みんなはそこから一歩も出るなよ」


レムレス「分かった!ラフィーナを頼むよ」


シェゾ「ああ、ラフィーナは俺らで絶対に助ける」


アミティ「ラフィーナ待っててね…絶対に助けるから!」


サタン「しかし…良く誘拐されるやつだよな…」


アミティ「まあ…ラフィーナ可愛いしお金持ちだもんね」


シェゾ「そんなこと言ってる場合か!すぐに行くぞ」


アミティ「うん!」


シェゾ「おい、警察からの電話だ」


サタン「来たー!」


アミティ「ラフィーナが見つかったんだね!」


シェゾ「はいもしもし」


警察「シェゾさんの携帯ですか?」


シェゾ「はい、あの黄色のセダンは…」


警察「それが、見つかりませんでした」


シェゾ「はあ!?」


サタン「なに!?」


アミティ「見つからなかったって!?なんで!?」


警察「確かに黄色のセダンを探したんですけど…でもそのような車は通らなくて…」


シェゾ「そんなはずはない!見落としたんじゃないのか!?」


警察「いいえ、黄色のセダンなんで目立つので見たら覚えてるはずなんですけど…」


サタン「それは確かに…」


シェゾ「そうですか、わかりました」


警察「ただ、黒いセダンなら通りました」


シェゾ「黒いセダンか…わかりました」


アミティ「どーいうこと…?黄色のセダンが居なかったって…」


サタン「別の場所から逃げたか?」


シェゾ「いや、それは出来ないと思いたいが…」


サタン「…その黒のセダン、怪しいな」


アミティ「え?でも色が違うんでしょ?」


シェゾ「俺もその車引っかかってる、怪しいよな」


サタン「サーモペイントとかあるじゃん、それとかもしかしたら…結構怪しいよな」


アミティ「サーモペイント?」


シェゾ「サーモペイントか…確かにその塗装を施しておけば30度ほどの温度変化を起こせば車体の色を変えることが出来る…」


アミティ「要するに、そのトリックで車の色を変えて検問を突破した可能性もあるってこと?」


シェゾ「その通りだ、その可能性もあるな」


サタン「セダンすらも通ってないとなるとあれかもしれんが、セダン居たんだもんな」


シェゾ「この近くの施設の監視カメラを調べてみるか、その黒のセダンが居たかどうか」




コンビニの店員さん「え?黒のセダン?」


アミティ「監視カメラに映ってません?その車、悪い人が乗ってるの!」


コンビニの店員さん「さあ…映ってたかしら…まあ妙なお客さんなら来たけど」


シェゾ「妙な客?」


コンビニの店員さん「ええ、熱いお茶を30本ぐらいと、あと傘を買っていったわ、そんな30本も飲むのかしら…傘だって今日は天気がいいのに…」


アミティ「普通に傘がほしかったのかな?」


サタン「いや、普段使いの傘をそんなわざわざコンビニで買わないだろう、コンビニで傘を買う時は普通傘を忘れた時に雨が降った時とかそのぐらい…」


シェゾ「…そーいう事か!お姉さんありがとうな!」


コンビニの店員さん「ええ!?」


アミティ「ちょっとシェゾ!?」


シェゾ「車に戻るぞ!犯人のトリックがわかった!」


サタン「まじか!」




アミティ「で?犯人のトリックって?」


シェゾ「恐らく…温度変化を起こして車の色を変えるためにここで大量のお茶を買って車にかけたんだ」


サタン「なるほど!それで車の色を黄色から黒に…」


アミティ「でも傘は?」


シェゾ「恐らくその傘を使って車にお茶をかけてる所を隠したんだろ、傘で隠せばただ車を洗ってるだけのようにも見えるしな…」


サタン「確かに…!私だったら車を洗ってるんだと思っちゃうな」


アミティ「それじゃあその検問を突破した黒のセダンがもしかしたら…」


シェゾ「ああ!それが多分例の犯人の車だ!」




レムレス「犯人の車やトリックが分かった?」


シェゾ「ああ!サーモペイントだ!それと熱いお茶と傘を使って車の色を…」


レムレス「黒のセダンか…わかった、警察に言っておく」


シェゾ「助かる」


サタン「おい!その例の車が移ってる監視カメラがあったみたいだぞ!」


アミティ「居場所がわかったよー!」


シェゾ「そうか、では向かうぞ」


レムレス「みんな、くれぐれも気をつけて」


シェゾ「ああ…ラフィーナ、待ってろよ…今助けに行ってやる!」


アミティ「ラフィーナー!今行くよー!!」




レムレス「敵の場所が分かったって!」


アルル「おお!じゃあいよいよラフィーナが…!」


りんご「無事に見つかったみたいです!良かったですね!姫も!」


アルル「あれ、姫…?」


お供さん「あれ、姫様…姫様ー!!!」


レムレス「居なくなった!?そういえば姫、ラフィーナが捕まった自分のせいだって、まさか…」




誘拐犯A「ここまで来れば大丈夫だな」


誘拐犯B「車の色も変えたし、検問も突破できたし!」


誘拐犯A「しかしあの警察も馬鹿だねぇ、あっさり通しちまうなんて」


誘拐犯B「ほんとだよね!まあ姫の荷物確認し忘れたあたしらもあんまり人の事言えないけどね…」


誘拐犯A「まーまー!大事なのは結果だろう?」


誘拐犯B「それもそうね!」


誘拐犯A「さあ早速姫を…」


シェゾ「そこまでだ」


誘拐犯B「なっ!?」


誘拐犯A「あー!さっきの追いかけてきた車の兄ちゃん!」


シェゾ「逃げられたとでも思ったか?」


サタン「でも残念だったな、さあ姫を返してもらおうか」


誘拐犯B「なんで…なんでわかったのよ!車の色だって変えて、ナンバープレートだって…」


シェゾ「サーモペイントを使ったんだろう?」


サタン「そうだ、あの車にはサーモペイントを施してて、コンビニで買った熱いお茶をかけて温度変化を起こし色を変えて…」


アミティ「ナンバープレートだって途中で変えたでしょ!「し」は死を連想させるから基本使わないんだよ!」


シェゾ「さらにその現場をお茶と一緒に買った傘で隠して、車を洗ってるように見せて隠した…それが検問を突破できたトリックだろう?な?」


誘拐犯B「くそ!中々やるじゃないの!」


誘拐犯A「でも残念だな、こっちには姫という人質がいる、お前らに勝ち目はねえんだよ!!」


シェゾ「やっぱりそう来るか…」


サタン「ならば、こちらも手加減はしない」


アミティ「そうだよ!なんとしてでもラフィーナ…じゃなくて!姫を…!」


レジーナ「もうやめて!!」


誘拐犯B「え!?」


シェゾ「なっ…!?」


サタン「レジーナ!?」


アミティ「姫!」


シェゾ「お前!何故ここに…店に隠れてろって言ったろ!」


レジーナ「あたしのせいで…あたしがあんな事したせいでラフィーナが…ラフィーナは全く悪くない!あなた達に○ろされるはあんな馬鹿な事をした私で充分よ!」


誘拐犯A「貴様が本物の姫か…」


誘拐犯B「それじゃあ今このトランクの中にいるのは、別人!?」


アミティ「あーあ…」


サタン「余計なことしてくれたな…」


誘拐犯A「そうか、良くも騙したな」


誘拐犯B「そうだねぇ、この姫だと思っていたトランクの中の子はもちろん、あたしらを騙したあんた達もあの世行きかな…?」


アミティ「そ、そんな…!」


サタン「くそ…こうなった以上やはり戦うしか…」


シェゾ「おいみろ!UFOだ!!」


誘拐犯B「なに!?」


誘拐犯A「UFOだと!?」


シェゾ「今だ!喰らえ!闇の背負い投げ!おりゃあー!!!」


誘拐犯B「え!?うわぁぁ!!!!」


サタン「え!?背負い投げ!?」


アミティ「シェゾって空手出来たんだ…」


誘拐犯A「ひぃいい…!怖い…」


シェゾ「お前もやるか??」


誘拐犯A「ま、参りました…」


アミティ「シェゾ、すごいね…」


サタン「シェゾって体術でも戦えるんか…」


シェゾ「ラフィーナはトランクの中にいるはずだ!」


アミティ「そうだね!ラフィーナ!助けに来たよ!」


サタン「ラフィーナ!おいラフィーナ!」


シェゾ「大丈夫だ息はある、気を失ってるだけだ、しかし出血量がやばいからすぐに病院に連れてってやらないと…アミティ!救急車を呼べ!」


アミティ「う、うん!」


シェゾ「とりあえずできる限りの応急処置を…ヒーリング!!よし、これで少しは楽になるだろう…」


サタン「しかしまたとんでもない事件だったな…」


シェゾ「とりあえず、この2人は警察行きだ、お前も…」


レジーナ「ひいっ…」


シェゾ「何でこんなことをしたんだ…?」


レジーナ「私、実はプライド高くて負けず嫌いで…私の家の宝石を狙ってる人達をなんか挑発してみたくて!…でも挑発しちゃったくせに本当はとっても怖くて…その子が、私に似てたからその子に擦り付けちゃけば逃げれると思ったから…!本当にごめんなさい!」


シェゾ「意味がわからん!」


サタン「自分で挑発したくせに勝手に怖がるなアホかよ!」


シェゾ「くだらなすぎる!」


レジーナ「ちょっと!くだらないとは何よ!」




レジーナ姫の動機はちょっとよく分からないが、こうして事件は無事幕を閉じた


そして誘拐犯2人も無事に逮捕され、ラフィーナもあの後ちゃんと意識が戻り、怪我もすぐに治った


めでたしめでたし




サタン「と、言うのを今度は来年の文化祭の劇でやらないか??」


シェゾラフィーナ「やりません!!」


サタン「やっぱり?」


シェゾ「誘拐犯AだのBだの適当だし!あとレジーナって誰だよ!」


ラフィーナ「姫の動機も適当すぎません!?どうせネタが尽きたんでしょ!?」


サタン「あ、バレた?」


ラフィーナ「それにいつも私を酷い目に合わせんな!ですわ!なんで毎回誘拐される役なのよ!まあこの前の兵庫県ではガチで誘拐されましたけど…」


サタン「いやー!悲劇のヒロインにピッタリだと思って…」


ラフィーナ「最低!ひどい!ですわ!」


シェゾ「てか手榴弾もう1つお見舞するとか言ってたけどあれ1つじゃなくね?」


ラフィーナ「めっちゃ沢山投げてましたわね」


シェゾ「話考えるの下手すぎだろ…」


サタン「これもやっぱり…」


シェゾ「もちろん没だ」


サタン「そんなー!!」




おわり