229年 エルネア杯 決勝戦 | エルネア王国モニカ国の暮らし。

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エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。





この手に守られるのは




私であってほしかった




その手に守られるのは


私であってほしかった









「ーーーいつか、こんな日がくるって分かってた。
スピカちゃんが、魔銃兵に志願した事が分かったその時から
きっとスピカちゃんと戦うことになるんだろうって
分かってた」








​エルネア杯 決勝戦



「それでは本日の試合をはじめます」


神官のアモスの声が王立闘技場に響く。


ざわざわとした闘技場に静寂が訪れた。




アモス

「右手の選手はチレーナ・ミラーさん」


アモス

「左手の選手はスピカ・ベルッチさん」




アモス

「お互いに礼」



アモス

「はじめ!」



合図と共に2人が地面を蹴った。



スピカの魔銃が光を放ち、真っ直ぐにチレーナに放たれる。


「ーーっ!」


チレーナは弾を見極め、斧で弾き返す。そのまま一気に距離を詰めようとすると足元に魔銃が放たれ、反射的に数歩飛び退いた。


両者共に一瞬静止する。


闘技場は音がなくなったかのようになにも聞こえない。


スピカはチレーナを、チレーナはスピカをジッと見据える。



ーーこの瞬間を






あの頃の私たちは想像すら出来なかった。




スピカの足元に魔法陣が現れる。それと同時にチレーナがスピカの懐に突っ込むように飛び込んできた。

魔銃で戦うスピカはチレーナに距離を詰められると部が悪い。

チレーナの放った一撃を、スピカは身を翻して避け、魔銃を一発放って距離をとる。

その一発はチレーナの腕に当たり、チレーナは僅かに顔をしかめた。

その表情にスピカが気をとられた時、チレーナはスピカのほうに駆け出した。

魔銃の銃口を向けた瞬間、視界からチレーナの姿が消えていた。その刹那、スピカが背後を振り返るとチレーナの姿。

一瞬の間にスピカを飛び越えて背後に回り込んでいた。


衝撃と共に、魔銃が足元に落ちた。

チレーナの斧が、スピカの首元にぴたりとつけられた。


「そこまで!!!」

神官アモスの声が戦いの終わりを告げた。

終了の合図にチレーナが斧を下ろした。少しほっとしているように見えた。



ーー終わった


スピカはなんとも言えない表情を浮かべたあと、睫毛を伏せた。




「勝者は

チレーナ・ミラーさん!」


わぁぁぁと大歓声が上がる。


その歓声の中、スピカは惜しみない拍手をチレーナに送った。